弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻合法化、ウルグアイに次ぐ2番手にカナダが名乗り

<<   作成日時 : 2016/04/22 16:56   >>

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21日までニューヨークで開催された、国連の薬物問題に関する特別総会で、メキシコとカナダの代表が、相次いで大麻政策を変更する意向を示しました。
20日にカナダ代表として登壇した保健相は、同国では大麻合法化の準備が既に進んでおり、子どもたちの手が届かず、犯罪組織を潤すこともない形で、2017年には大麻合法化を導入すると発表しました(下記参照@)。
また、メキシコ大統領は19日の演説で、薬物との戦いを方向転換すべき時を迎えていると説き、同国が医療用大麻制度を導入し、現行の大麻規制の一部を見直すと明言しました(下記参照A)。

2013年末、南米ウルグアイは国として最初に大麻を合法化しました。その後、各地で合法化に向けた動きは報じられてきましたが、現実問題として、2番手がどこになるかなかなか的が絞れませんでしたが、このたびカナダ政府が具体的な導入時期を示したことで、有力な2番手候補として浮上してきました。

●カナダが合法化すれば、先進国では最初の例になる
現首相は、昨年の総選挙戦で大麻合法化を公約のひとつに打ち出して支持を獲得しており、また、現政権が議会の過半数を占めていることから、大麻合法化法案が提出された場合は、成立する公算が大きいといわれます。
最近の世論調査では、カナダ国民の68%が大麻合法化を支持し(支持39%、どちらかというと支持29%)、反対はわずか30%(反対22%、どちらかというと反対8%)となっていて、民意も固まっているとみられています。
画像

↑大麻合法化への支持
カナダの世論調査会社の報告書(下記参照B)より転載

カナダでは2000年に医療用大麻制度が導入されましたが、患者が自分で栽培することは認められず、供給所の認可条件も厳しいため、医療用大麻の入手はかなり制限されていました。この現状を変えようという運動が続けられていて、近年、カナダ各地の裁判所で、医療用大麻の自家栽培を容認する判決が下されていますが、今年2月、バンクーバーの連邦裁判所は、現在の医療用大麻供給制度は憲法違反との判断を示し、期限付きで違憲状態の解消を政府に求めました。

政府はすでに合法化に向けて準備作業を進めているといいます。その内容はまだ発表されていませんが、大枠では、米コロラド州やワシントン州で導入されている娯楽用大麻の合法化策と同じようなものになるのではないかとみられています。

さて、カナダが大麻合法化に踏み切るとなると、国連条約締結国としての拘束が問題になります。2013年にウルグアイが合法化した際には、国連の関係各機関は様々な調整を試み、また警告を発したりしましたが、南米の小国での動きが国際社会に及ぼす影響はそれほど大きなものではなかったようです。
しかし、カナダはG7を構成する先進国、その影響もケタ違いに大きなものとなることでしょう。今回の国連特別総会で、大麻政策に関して何らかの新たな展望が示されるかどうか、注目されます。

●メキシコの場合は深刻な背景がある
2010年、米カリフォルニア州で娯楽用大麻の合法化法案が提出され、大麻議論が急速に盛り上がったころから、メキシコ首脳は、薬物取締まりの方向転換策として大麻の合法化について度々言及してきました。

薬物カルテルによる暴力事件が頻発し、メキシコの治安を脅かしているなかで、カルテルの活動を弱体化させる有力な対策のひとつとして提唱されてきたのが、大麻合法化です。メキシコから米国にカルテルの手で密輸される各種薬物のなかでも、大麻は格段に量が多く、カルテルの資金源になっています。大麻の取締まりが厳しくなるほど、カルテルの収益は増えるというわけです。
カルテルの活動を封じ込める対策のひとつとして、米国とメキシコが連動して大麻を合法化するというビジョンが前メキシコ大統領によって提案され、合法化を求める波は、その後南米各地へと広まってきました。

現メキシコ大統領はこれまで、大麻合法化に反対の姿勢を示してきましたが、このたびの国連演説で、大麻問題は健康上の問題として取り扱われるべきで、使用者を処罰すべきではないとして、大麻政策の方向転換について具体的な展望を示しました。
今のところ明らかになっているのは、医療用大麻制度を導入すること、および刑事訴追の対象とならない単純所持の下限量が、現行の5グラムから28グラム(1オンス)まで引き上げられるという内容です。
今回の大統領演説が、メキシコでの大麻合法化への第一歩という見方もありますが、その背景に薬物カルテルの違法活動という大問題を担っているだけに、メキシコの動きを見通すことは、そう簡単ではないようです。

[参照]
@国選特別総会でのカナダ代表演説を報じる記事
CBCnews / Federal marijuana legislation to be introduced in spring 2017, Philpott says(Apr 20, 2016)
http://www.cbc.ca/news/politics/philpott-un-marijuana-legislation-legalize-1.3544554
A国選特別総会でのメキシコ大統領演説を報じる記事
CNN / Mexico easing up on marijuana laws(April 20, 2016)
http://edition.cnn.com/2016/04/19/americas/mexico-marijuana-laws/
Bカナダの世論調査報告書(nanos survey2016年2月)
http://www.nanosresearch.com/tickers/PDF/POLNAT-S15-T674.pdf

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
>>大麻問題は健康上の問題として
>>取り扱われるべきで、使用者を処罰すべきで
>>はないとして・・・

全ての薬物に関しても、使用、所持に対して
根底的にはこのスタンスが正しいように思えますが
どうなんでしょう???

実際塩酸メタンフェタミンですら処方薬として
認可されているわけですし・・・
lol again
2016/04/23 11:09
カナダの娯楽用大麻の合法化は、
北米の麻薬カルテルを間違いなく刺激します。予測は付きません。
日本にも影響があります。
特に大麻取締法第四条は集中的に取り上げられるでしょうね。
猫次
2016/04/23 11:58
カナダ保険省 医療大麻について
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/marihuana/med/daily-quotidienne-eng.php
どうやら医療大麻の医学的エビデンスは
低いみたいです。
それに毎日乾燥大麻約1〜3gを
服用することも難しいし問題がある。
これでは厚労省も医療大麻のGOサインは
現状出しにくいでしょう。時期尚早です。

また元気ハツラツに活動してくださいね。
猫次
2016/07/25 03:20

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