弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 覚せい剤事案の捜索現場から被疑者が逃走、4時間半の大捜索で身柄を確保

<<   作成日時 : 2016/04/20 17:40   >>

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さいたま市内で、覚せい剤事案の捜索中に現場から逃走した被疑者が、4時間半に及ぶ捜索によって、確保され、覚せい剤所持の現行犯として逮捕されたというニュースがありました。
400人体制での大捜索が展開された4時間半の間、周辺の皆さんは「いったい何事か」と不安な思いをされたことでしょう。とりあえず被疑者の身柄を確保して、この件は落着しました。逃走中の突発的な事態もなく、けが人もなかったようです。

<ニュースから>*****
●覚醒剤の容疑者逃走 4時間半後確保 埼玉県警「油断あった」
19日午前7時55分ごろ、さいたま市北区のマンション5階で、覚せい剤取締法違反容疑で家宅捜索中だった部屋から男が逃走した。県警は約400人体制で捜索を行い、同日午後0時20分ごろ、約19キロ離れた草加市の路上で男を確保。同容疑(営利目的所持)で緊急逮捕した。捜査員らで一時騒然としたマンションの住人らは不安を訴え、県警は「油断があった」と失態を認め謝罪した(以下省略)。
産経新聞 4月20日(水)7時55分配信
*****

警察が覚せい剤事案の捜索を行う際には、令状を用意し、体制を整えて臨むわけですが、それでも現場の混乱にまぎれて、関係者が逃走を図ることは珍しくありません。私がこれまでに担当した事件のなかにも、逃走を図ったものの間もなく警察官に取り押さえられた例や、一度はその場から逃走した被疑者が、後日逮捕されたといった例はいくつかありました。

普通なら、取り立ててニュースになることもない出来事ですが、「逃走は絶対に許さない」という、埼玉県警の強い意思によって、捜査員400人を投入して大捜索を行ったことから、大捕り物劇が展開されたということでしょうか。
たしかに、警察官が相応の体制を組んで現場に臨んでいながら、被疑者の逃走を許してしまうような事態が、「ありがちなこと」として見過ごされてしまうことは、決して好ましいことではないと思います。

ときには、ちょっとした油断が、予期しない悲惨な結果につながることもあるのです。
そういえば、近年、薬物事件の捜索の過程で、任意同行を求められた被疑者が、警察官たちの手を振り切って逃走・・・、高層階のベランダや通路から飛び降りようとして転落死というニュースがいくつかありました。
■2016年3月9日、広島市で覚せい剤使用の疑いで任意同行を求められた男性が、マンションの5階通路から飛び降り、死亡。
朝日新聞デジタル「県警任意同行中の男性、飛び降り死亡」2016年3月9日12時05分
■2015年5月8日、大阪市中央区のマンション3階の一室で、任意同行を求められた男性が、ベランダから飛び降り死亡。
産経ニュースWEST「任意同行求められた男性がマンションから飛び降り死亡 覚取法違反容疑で家宅捜索後/大阪市中央区」2015.5.8 20:10

パトロール中の警察官が不審者を発見・・・といったケースと違い、令状を用意して赴く捜索では、事前に現場の状況を確認し、あらゆる事態に対応できる体制を組んで臨むことになります。とはいえ、とくに薬物事件では、薬物らしい物を発見すると、簡易検査をし、発見状況を記録し、証拠保存するという複雑な手順が要求されるだけに、警戒がおろそかになってしまう瞬間もありがちです。
しかし、現場での手順は当初から想定されていること、それを織り込んで、なお十分な警戒をすることができるよう、人員が配備され、役割が決められていなければならないはずです。

とりあえず、今回、埼玉県警は「逃走を許さない」断固たる意思を示しました。でも、そこでとどまることなく、逃走する気が失せるような陣容づくりへ、もう一歩進めてほしいところです。

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内 容 ニックネーム/日時
中には被疑者と見ると、無闇に圧力をかけたり、恫喝まがいの対応をとるような警察官や捜査員がいます。
仮に被疑者が覚せい剤常用者であったとしたら、強いストレスを受けることでせん妄や錯乱状態に陥り、予測もつかないような行動を起こす可能性も考えて対応していただきたい。
neuromancer
2016/04/21 01:01

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