弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 2016年1月の新規指定|危険ドラッグ対策

<<   作成日時 : 2016/01/21 21:48   >>

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1月21日、厚生労働省は新たに3物質を指定薬物に指定したと発表しました。本日付で省令が公布され、10日後の1月31日から施行されます(下記参照@)。
施行日以降は、今回指定された各物質が指定薬物として取り締まり対象になり、とくに許可を受けた研究者などを除く一般人が、これらの物質を輸入、販売、所持、使用などした場合は、法律違反として処罰を受けます。
なお、今回新たに指定された3物質の通称名や化学構造は、厚生労働省サイト内の「指定薬物名称・構造式一覧(平成28年1月21日現在)」で確認することができます(下記参照A)。
画像

↑1月21日指定の3物質
この表は、厚労省の発表に基づいて、私が物質の性格別にまとめたものです。
・既指定の類似物質・・・新規指定物質の性格を理解するために、指定薬物または麻薬として既に規制されている物質から、類似構造をもったものを選び出しました。一連の類似物質の「親」になった物質をできるだけ選んでいます。
・表中の番号は、私が任意につけたもので、厚労省の発表したものと異なっています。

上表の1番は、これまでも、少しずつ形を変えながら、危険ドラッグ市場に繰り返して登場してきた2Cシリーズの変形で、幻覚性の作用をもたらす物質です。
2番は、向精神薬モダフィニル(商品名はモディオダール)の化学構造をほんの少し変形したアナログです。モダフィニルは、ナルコレプシーなどの治療薬として、医師の処方によって使われる医薬品ですが、欧米では集中力向上のための機能向上ドラッグ(エンハンスメント薬)のひとつとして学生の間で乱用が広まり、問題になっています。そのアナログが市場に現れたということは、警戒を要することかもしれません。
3番は、日本の危険ドラッグ市場が壊滅に向かう直前の2014年夏ころ、集中的に登場していた合成カンナビノイドの変形です。

世界を巻き込んだ今回の危険ドラッグ流行、日本での乱用拡大はいち早く解決したものの、その後も欧米では流通が続いていましたが、最近になってようやく沈静化の方向性がみえてきたようです。2015年春、新たな拡大が起きた米国でも、昨年末ころにはかなり報告件数も減少しました。
世界規模での流行も、そろそろ下火になりそうです。

[参照]
@厚生労働省サイト内情報(2016年1月21日)
「新たに3物質を指定薬物に指定します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index.html
A同サイト内「指定薬物名称・構造式一覧(平成28年1月21日現在)PDF版
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/meisho.pdf

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
すごく重箱の隅をつつくような指摘ですみませんが、

>とくに許可を受けた研究者などを除く一般人が、これらの物質を輸入、販売、所持、使用などした場合は、法律違反として処罰を受けます。

2C-Dについては指定薬物リストPDFファイルにて「Aa.元素又は化合物に化学反応を起こさせる用途」が正規用途として定められているので、例えば「2C-Dを所持または購入または合成し、これを原料として別な何かの化学物質を合成する」という行為は、特に違法ではないと考えております。
そして、こういった行為をするにあたっては、特に免許や許可、資格などは不要である、と認識しているのですが、違いますでしょうか?
例えば、特に何も国家資格を持たない大学生が、化学実験で使ったり、あるいは化学物質製造業者がこの物質を原料・中間体として使うような場合、あらかじめ許可を取る必要はないのではないか、と思うのですが……
滅智蓮寺 熾
2016/01/25 13:53
テトラサイクリン系の医薬品でカンナビノイド受容体アゴニスト作用があり自発運動抑制がマウス腹腔内投与で0.5mg/kgというモノがあります。

厚労省の薬事・食品衛生審議会の議事録を見ると、このTC系は桁一つ強力ではないかと思われます。受容体親和性の値にもよりますが、ほぼ間違いないと思われます。

何らかの治療有効性を見出してしまった場合は指定薬物よりも遥かに強力でも規制はできないのでしょうか?

治療有効性というよりは、ハードドラッグからの置き換えができるというだけかもしれませんが。
小次郎
2016/01/29 13:46
続き

そのTC系はCB1・CB2受容体アゴニスト作用による中枢作用はJWH133と同等以上であるようです。比較対象はJWH018でしょう。

海外では殆ど使われなくなっていて、日本だけがある領域で使われ続けています。
小次郎
2016/01/29 13:51

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