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zoom RSS ニューヨーク州が合成カンナビノイド規制拡張|米国の危険ドラッグ対策

<<   作成日時 : 2015/08/16 23:52   >>

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今年4月以降、米国では、「合成大麻」と呼ばれるハーブ型の危険ドラッグによる救急搬送が急増し、関連の死亡事故も、今年1月から5月末までで15件にのぼっています。
中毒事故に関係した成分として、これまでに、APINACA、AB-CHMINACA、MAB-CHMINACA、XLR11などの名前が挙げられています。これらは、いずれも日本ではすでに麻薬または指定薬物として規制されていますが、米国では最近まで連邦法の規制対象に入っておらず、今年に入って順次規制対象に追加されているところです。

米国では、連邦の規制に先立って州法での規制が先行することが多いのですが、中毒事故が特に集中したニューヨーク州では、このたび、州法を緊急改正して、合成カンナビノイドに対する規制範囲の拡張が行われ、これまで規制の網から外れていた新型の合成カンナビノイド各種が、規制対象に加わることとなりました。

ニューヨーク州では、ミシシッピ州と並んで、中毒事故が特に多発しており、今年1月15日から8月11日までの全米中毒情報センターへの問合せ件数は1,062にのぼり(下図参照)、8月に入ってもまだ多数の問い合わせが寄せられています。
同州の集計によると、今年6月7日から8月1日の間に、「合成大麻」による救急搬送者が2,300人に及んだということです。この数は、昨年同時期の10倍にあたるといいます。
画像

↑米中毒情報センターへの問合せ件数(2015年1月1日〜8月11日)
AAPCCのSynthetic Marijuana情報ページより
http://www.aapcc.org/alerts/synthetic-marijuana/

同州は、これまでも合成カンナビノイドのあらゆるタイプを包括的に禁止してきました。2012年の法改正によって導入された包括指定は、最も代表的なナフトイルインドール型(日本でも包括指定されている)をはじめ、基本骨格の異なる11タイプの合成カンナビノイドを禁止対象に掲げており、当時の感覚では、すべての合成カンナビノイドをほぼ完ぺきに網羅しているように思えました。
ところが、その後の市場には、この11タイプのいずれにも当てはまらない成分が出現し、今年4月、突発的に急性中毒が多発し始め、現在に至っているというわけです。

そこで、このたび緊急の法改正を行い、新たに2つのタイプを規制対象に追加しました。
追加されたのは、APINACA、MAB-CHMINACAなどを含むアダマントイルインダゾール型と、XLR-11などを含むテトラメチルシクロプロピルカルボニルインドール型で、これで13タイプの合成カンナビノイドが包括的な規制対象となりました。

これらの成分を含む物品の所持、分配、販売、販売目的での提供が禁止され、違反者に対する刑事罰としては、15日以下の拘禁又は500ドル以下の罰金(併科あり)。また行政手続として1項目の違反につき2,000ドル以下の反則金が科せられることもあります。

[参照]
@ニューヨーク州サイト内、報道発表
Governor Cuomo Announces Passage of Emergency Regulations Targeting the Sale of Synthetic Marijuana(August 6, 2015)
https://www.governor.ny.gov/news/governor-cuomo-announces-passage-emergency-regulations-targeting-sale-synthetic-marijuana
A改正法案
State of New York Public Health and Health Planning Council Committee Day Agenda
*合成カンナビノイドの追加に関する改正については、72ページ以下
https://www.health.ny.gov/facilities/public_health_and_health_planning_council/meetings/2015-07-23/docs/exhibits_addendum.pdf

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
本物の大麻が吸える国で、こういう状況になるのは
企業や学校が講ずるドラッグテストの影響だろうか?

翻って日本も大麻を違法化してるばかりに、悲惨な状況に陥ったが、、、
m
2015/08/17 09:42

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