弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS 米国で危険ドラッグによる中毒事故が急増

<<   作成日時 : 2015/07/01 18:12   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

ことの始まりは、今年4月初旬のこと、ミシシッピ州やアラバマ州で、「合成大麻」を吸って救急搬送される人が、突然増え始めたのです。abcニュースによると、4月1か月間でミシシッピ州では227人が、アラバマ州では98人が、合成大麻に関係すると疑われる症状で、救急搬送されたといいます(下記参照@)。

全米の中毒情報センターが受け付けた、「合成大麻」を使ったという中毒情報はみるみる増加し、4月は1,512件、5月は1,209件と、1か月の受信件数としてはこれまでで最多の通報が寄せられました。6月にはいってからは減少傾向で、6月29日分までの仮集計で620件となっています。

ここで、「合成大麻」と呼ばれるのは、日本で「合法ハーブ」と称して出回った危険ドラッグと同じタイプのものです。
急性中毒事故が大量発生した2012年ころ、全米の中毒情報センターに寄せられる通報数が急増し、1か月に500〜600件という状態になりましたが、その後は少し落ち着き、月に200〜300件というペースが続いていました。
そこへ、突然の大暴発となったわけです(下記参照A)。
画像

↑全米の中毒情報センターが受け付けた、「合成大麻」関連の中毒通報件数
American Association of Poison Control Centersの発表資料に基づきグラフ化したもの

この事態を受けて、米疾病予防センター(CDC)も情報を出し、警戒を呼びかけました。CDCのまとめによると、報告された症状は、精神興奮状態(1,262 [35.3%])、心悸高進(1,035 [29.0%])、眠気または無気力(939 [26.3%])、嘔吐 (585 [16.4%])、精神混迷 (506, [4.2%])など。
医療措置の結果が判明している2,961件のうち、335例 (11.3%)に、生命の危機や、重い後遺障害につながりかねない、重大な副作用がありました。1,407例 (47.5%) は、何らかの医療措置を要する中程度の副作用があり、1,095 (37.0%) は、とくに医療措置を施さなくても速やかに症状が改善しました。とくに精神作用がみられなかったのは109例 (3.7%) でした。 なお、死亡に至ったのは15例 (0.5%)と報告されています(下記参照B)。

今回の中毒事故を引き起こした原因は、まだ特定されていないようです。問題になった製品名や、成分について、まだ発表はないようです。何らかの新しい成分に問題があったのか、配合量の多い製品が出回ったのか、それとも成分の組み合わせに問題があったのか・・・。今回の中毒事故多発は、ニューヨーク州、ミシシッピ州、テキサス州に集中しています。おそらく、特定の製品または特定の成分が関係しているのではないかと思います。
画像

↑州別の通報数(2015年1月15日〜6月29日)
下記参照Aの記事より転載

そういえば、2014年秋ころ、日本で「ハートショット」という製品に関連した死亡事故が相次いだことがありました。当時、危険ドラッグ問題がしきりにメディアを賑わしていたなかで、このニュースは大きく報じられましたが、その後、死亡事故に結びついた原因についてはっきりした発表もないまま、いつとはなしに忘れ去られてしまいました。

いまアメリカでは、かなり重大な中毒事故が広がっているのに、どうも、世間はそれほど大きく受け止めていないような気がします。アメリカの危険ドラッグ問題は、決して解決してはいないのに・・・。

[参照]
@abcニュース
Mississippi and Alabama 'Spice' Overdoses Send More Than 300 to ER in 2 Weeks(Apr 16, 2015)
http://abcnews.go.com/Health/mississippi-alabama-spice-overdoses-send-300-er-weeks/story?id=30362036
A全米中毒情報センター協会の「合成大麻」情報
American Association of Poison Control Centers>Synthetic Marijuana
http://www.aapcc.org/alerts/synthetic-marijuana/
A米疾病予防センター(CDC)週報より
Notes from the Field: Increase in Reported Adverse Health Effects Related to Synthetic Cannabinoid Use — United States, January–May 2015
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6422a5.htm

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
米国で危険ドラッグによる中毒事故が急増 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる