弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻食品の新ガイドライン|米コロラド州

<<   作成日時 : 2015/03/02 02:30   >>

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米コロラド州で娯楽用大麻販売が開始されてから1年以上が経過しました。2月に州当局から発表されたデータによると、2014年中の州内での大麻販売高は7億ドル(医療用大麻3億8600万ドル、娯楽用大麻3億1300万ドル)に達したということです。
合法大麻の販売にあたって、犯罪の温床になるのではないか、薬物運転が増加するのではないか、といった声もありましたが、今のところはそうした兆候もなく、最初の1年は概ね順調に推移した様子です。

さて、そのコロラド州で、昨年末ころから物議をかもしているのが、大麻成分入り食品の問題です。
娯楽用大麻や医療用大麻の販売店では、大麻成分入りのクッキー、キャンディー、チョコレートやドリンクなどの食品がいろいろ販売されています。もとは、医療用に大麻を使う患者が、喫煙せずに大麻成分を摂取できるようにと考案されたものですが、次第に大人の嗜好品として人気を集めるようになり、とくに娯楽用大麻販売店の登場以降は売り上げが増加し、今では合法大麻販売高の30〜40%を占めるまでになっています。

たとえば大麻チョコレート、見かけはごく普通のチョコレートですが、本物の大麻の薬理成分を抽出した大麻オイルなどを配合してあり、喫煙した場合と同じように、大麻の薬理成分がしっかり摂取できるのです。小さめのジョイント1本を喫煙した場合、体内に摂取されるTHCは10〜15ミリグラムだといいますが、大麻入り食品には、それよりはるかに多量のTHCを含むものも多いのです(厳密には経口摂取の場合の吸収率を計算する必要があり、単純に比較はできませんが)。

問題は、外見からは、ごく一般的な食品と区別がつかないことなのです。とくに子どもたちは、目の前においしそうなクッキーやチョコがあれば、自然に手をのばしてしまうことでしょう。病院からは、家にあったお菓子を食べた子どもが、大麻の急性中毒で搬送されたという報告が寄せられました。
危険にさらされるのは、子どもだけに限りません。2014年3月には、悲惨な死亡事故も発生してしまいました。春休みの旅行でデンバーを訪れた大学生が、大麻成分入りのクッキーを食べて錯乱状態になり、ホテルのバルコニーから転落死したのです。このクッキー1枚には、65ミリグラムものTHCが含まれていたといいます。

コロラド州では、2014年秋ころから、大麻食品の販売をめぐって議論が続いていました。一時は、全面的な販売禁止という案も出されましたが、最終的には、大麻食品によるTHCの過量摂取防止対策を盛り込んだ新ガイドラインが示され、2月から、販売店はこのガイドラインに沿って大麻食品を販売し始めています。
画像

↑CBSニュースの記事から(下記参照)
新ガイドラインに沿った大麻食品の包装―1食当たりのTHC含有量、作用があらわれるまでの時間が表示されている

新ガイドラインのポイントは、
■大麻食品のTHC含有量は、1食あたり10ミリグラム以下とする
■大麻食品は、1食単位で小分けして販売する
■大麻食品の包装には、1食当たりのTHC含有量と、作用があらわれるまでの時間の目安を表示する
■1パックに、最大10食まで
■内容が見えない不透明な包装とする
■子どもが開封しにくい包装形態とする
といった内容です。

販売店は、大麻食品の一斉切り替えを迫られました。製品のTHC含有量を調整し、1食当たりの量を正確に計量して小分けしなければなりません。大麻食品の製造工程を一から見直したといいます。
包装も、大きく変わりました。これまで、おいしそう、かわいい、ファンシーなどの要素を重視してきた大麻食品が、無機的なパッケージに包まれて並べられているのです。

それでも、事故防止がなにより大切と、業界は新ガイドラインに沿って、新しい大麻食品づくりにとりかかっています。大手販売店のなかには、店頭に「大麻食品講座」と銘打って、大麻食品を安全に楽しむためのアドバイスを掲示している店もあるといいます。安全な消費のキーワードは、「まず少量から、そしてゆっくり待つ」こと。初めて食べる人はTHC含有量にして5ミリグラム程度から試すこと。作用はゆっくりあらわれることも多いので2時間くらいは様子をみること、だそうです。
インターネットで「Marijuana edible education」で検索すると、販売店による消費者向けの安全講座の例がみつかります。

[参照]
大麻食品の新ガイドラインを報じたCBSニュース記事(February 2, 2015, 6:57 AM)
Colorado moves to curb dangers of edible pot products
http://www.cbsnews.com/news/colorado-moves-to-curb-dangers-of-edible-pot-products/

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数えたら数百店舗は在りそうな、アムステルダム中央駅周辺のコーヒーショップ。

大麻が規制緩和された欧州各国は、どの様なガイドラインが策定されているのでしょうか。

アムステルダムの売り場を観察した限り、特にガイドラインを目にしません。
掲示されているのは、産地や銘柄の特徴、カップ入賞ランキングの表示程度です。


また、バルセロナで印象的だったのは、育て方の説明書が添付され、ビニール鉢へ植えた種苗が、大人気の盆栽と隣り合わせで、花屋で普通に売られています。

そしてコンビニでは、種子がフックに掛かり並んでいます。

規制緩和により市民生活の一部に昇華した欧州の大麻文化は、いわゆるガイドラインをも超越した存在なのかもしれません。

神流美 王井門
2015/03/02 20:11

アムステルダム中央駅周辺の小物店には、洒落たパッケージに個装された、大麻クッキー、大麻チョコレートが土産物として、多品種販売されております。

いずれも成分表示は、カロリ、脂質、糖質程度で、大麻成分の詳細は不明です。


これらの菓子類は、スキポール空港免税店にも、隣国ベルギー製品と併せて販売されています。


欧州のハブ空港機能を持った、広大なスキポール空港は、両端の搭乗ゲート間乗り継ぎだと、上り降り約30分近く歩かないとたどり着けません。


広大な空港なので当然利用者数も多く、免税店での菓子類購入者も大勢居ます。


これらの洒落たパッケージに入った大麻菓子類を、大麻成分入りとは知らずに、土産用として、沢山購入する日本人旅行客を度々目にします。


神流美 王井門
2015/03/06 17:06

オランダ製大麻成分入りクッキー、チョコレート菓子類は、エルプラット空港免税店でも、スイス製品、ベルギー製品と併せ山積みでした。


カタルーニャ州政府により大麻が規制緩和されたバルセロナでは、こうした菓子類は『特産品』扱いでしょう。
エルプラット空港免税店でも、高級高額なベルギー製品より、質量が多く値段が安いという理由で人気です。


今後、欧州はもとより、合法化或いは規制緩和された、全米の空港免税店でも大麻成分入り菓子類が『特産品』として販売、そして人気が出そうです。

既にこうした菓子類土産物が、手荷物扱いで国内へ持ち込まれており、通関時での摘発も困難だと思います。

直近の対応策としては、クッキー、チョコレート製品全てを、国内持ち込み禁止にすれば解決するでしょう。
しかし海外旅行客の土産物では、特にチョコレートが大人気です。
仮にチョコレート類を全面的持ち込み禁止にすれば、欧米の圧力で国際問題化が予想されます。

特に米国からは、スーパー301条が適用される可能性があります。

神流美 王井門
2015/03/08 17:51

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