弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 香川県の死亡事故、危険運転致死罪に切り替え

<<   作成日時 : 2014/06/03 02:05   >>

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香川県善通寺市で今年1月下旬、県道脇を歩いていた小学5年生の女の子(11)が対向車線をはみ出してきた軽自動車にはねられ、死亡するという痛ましい事故が起きました。運転していた男性は自動車運転過失致死の罪で起訴されていましたが、その後の捜査で男性が運転開始前に吸った「脱法ハーブ」の影響で正常な運転が困難な状態だったと判断。検察官は、起訴内容をより罰則が重い「危険運転致死」の罪に変更するよう裁判所に請求しました。訴因の変更という手続きです。
危険運転致死事件は裁判員裁判の対象事件ですから、今後、裁判員裁判に向けての準備が開始されることになります。

<ニュースから>*****
●脱法ハーブ疑いの事故相次ぐ/まん延か、県警警戒
・・・・・・善通寺市の女子児童死亡事故は、県内で初めて脱法ハーブによる危険運転致死罪が適用された。
県警は当初から事故を起こした善通寺市木徳町の男(29)の運転に、脱法ハーブの影響があったとみて捜査したが、覚せい剤などとは捜査手法が異なるため難航。2月に男は前方不注視による自動車運転過失致死罪で起訴された。
それでも、関西の専門家による鑑定や車内から脱法ハーブの成分を検出するなど証拠を積み重ね、発生から4カ月後の5月23日、既に2回公判が行われていたが、高松地検が起訴内容を危険運転致死罪に変更請求、執念の捜査が実を結んだ(記事の一部を抜粋)。
四国新聞2014年6月1日 10:32
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140601000216
*****

香川県では、2月下旬にも脱法ハーブの影響によると思われる事故が起きています。高松市の国道で計8台を巻き込む衝突事故が発生し、7人が負傷したというもので、運転していた男性は、5月26日に危険運転致傷罪で再逮捕されました。
上記の記事は、脱法ハーブがらみの事故が相次ぐ状況に、警鐘を鳴らしています。

たしかに、脱法ドラッグの影響による危険運転致死傷事件が増えています。2012年5月、大阪市福島区で起きた商店街暴走事件以来、脱法ハーブを吸引して自動車を運転して引き起こした事故は多くの被害者に重軽傷を負わせ、尊い生命を奪ってきました。
警察庁の集計によると、2013年中に全国の警察が検挙した、脱法ドラッグに関係する危険運転致傷罪等交通関係法令違反は38件 (40人)にのぼっています。

最初は、手探り状態での捜査が続きました。脱法ドラッグを吸って運転することの危険さはわかっていますが、しかし、個々の薬物成分が使用者の認知機能や身体機能、行動などにどのような影響を及ぼすかについては、ほとんど解明されていません。
いえ、それ以前に、運転者が使った脱法ドラッグにどんな成分が含まれているか、それがどんな性質の薬物か、といった基本的なことを把握するにも、かなりの日数を要するのが現実なのです。
上記の報道によれば、香川県でおきた死亡事故に関して、危険運転致死事件としての証拠を整えるのに、捜査陣は4か月の時間をかけたといいます。他の事案でも、こうした話をよく耳にしてきました。危険な脱法ドラッグ運転の横行を許さないという、警察、検察の強い意志と粘り強い捜査には、敬意を覚えます。

しかし、何かとハードルの高い危険運転致死事件です。脱法ドラッグの影響によって正常な運転が困難な状態であったかどうか、また、そのことを被告人が認識していたかどうか・・・裁判員が迷いなく判断できるように、明解な論証を期待することにしましょう。

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