弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 簡易尿検査キット|芸能人覚せい剤事件

<<   作成日時 : 2014/05/18 23:50   >>

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逮捕された芸能人の事件捜査に関して、細切れな情報が少しずつ伝えられていますが、今日は、被疑者の自宅から、覚せい剤やMDMA錠剤といった薬物とともに、簡易尿検査用のキットが見つかったことが話題になっています。

<ニュースから>*****
●自宅から覚せい剤検査キット=合成麻薬か90錠押収−ASKA容疑者ら送検・警視庁
人気男性デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA容疑者(56)=本名・・・=らが覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された事件で、ASKA容疑者宅(東京都目黒区)から尿の覚せい剤成分を検出する簡易検査キットが押収されたことが18日、警視庁への取材で分かった。
警視庁組織犯罪対策5課は、ASKA容疑者が覚せい剤の使用発覚を免れる目的で持っていたとみて調べている。同庁は18日、ASKA容疑者と知人の会社員T容疑者(37)=同容疑で逮捕=を送検した。東京地裁は同日、両容疑者について10日間の勾留を認める決定をした。
同課によると、簡易検査キットは警察や病院で使われているもので、5個以上あった。一般の人には入手が困難で、同課は押収したスマートフォンや携帯電話を分析するなどして、薬物や検査キットの入手先の特定を進める。(以下略)
時事通信(時事ドットコム)2014/05/18-19:21
*****

尿を数滴たらして5分ほど待つだけで、尿中に含まれる薬物成分の有無が、ある程度の精度で判定できるのが、簡易尿検査キットです。
警察では、覚せい剤の使用が疑われる被疑者に尿を任意提出してもらい(令状で強制される場合もあります)、尿中に覚せい剤が含まれているかどうかを調べます。採取した尿は科学捜査研究所に送られ、高度な分析機器を使って鑑定されるのですが、それとは別に、採尿の直後に被疑者の目の前で、捜査担当の警察官の手で、こうした検査キットを使って尿の簡易検査も行われます。ただし、簡易検査は鑑定ではないので、結果が陽性(尿から覚せい剤成分がでたこと)であっても、使用を立証する証拠として使われるわけではなく、あくまでも捜査上の参考情報として扱われます。

覚せい剤を使用すると、その成分が血液中に溶け込んで体内をめぐり、脳に達して精神作用を現すことになります。使用者が覚せい剤の効果を感じるのは数時間程度ですが、その後も覚せい剤は体内にとどまり、数日かかって尿や汗などに少しずつ排泄され、やがて体内から消失します。
使用した覚せい剤が尿中に排泄される日数は、使用量、使用者の体質などによって大きく違い、同じ人でも体調によって異なります。裁判上では、使用から14日程度は尿中に排泄される可能性があると理解されていますが、科学的な実験によると4、5日後には排泄される量は急激に少なくなるといいます。しかし、これはあくまでも一般論であって、個別の状況には差があります。
そこで、警察の動きが気になる人のなかには、自分でも簡易検査キットを入手してテストしてみようという人が、出て来るわけです。

しかし、一般人が正規ルートで簡易尿検査キットを入手するのは困難で、販売元の輸入代理店は、研究機関や医療機関など特定の顧客に向けて製品を販売していて、一般企業や個人客にはそう簡単に販売しません。私の手元には、数種類の簡易検査キットがありますが、これらは、薬物事件に関する書籍や論文を執筆する際に、見本としていただいたものです。

ところが、正規ルートでは入手しにくい製品が、一部では販売されているのも事実です。インターネット上に、個人輸入業者による販売広告があったり、小規模な業者の販売サイトがあったりします。外国の販売サイトに注文して、個人輸入する人もあります。そういえば、覚せい剤の密売人が、顧客サービスのために尿検査キットを取り扱っていた例もありました。

いっぽうアメリカでは、こうした薬物簡易検査キットが薬局やインターネット上でも販売されていて、実に簡単に手に入ります。職場や学校では、抜き打ちの薬物検査が頻繁に行われているので、自分で尿検査をしようという需要も大きく、厳しい規格基準に適合した正規の製品が、ごく普通に販売されているのです。
欧米などの先進国では、一般的に薬物の使用自体は犯罪とされていないため、薬物検査にも比較的オープンな雰囲気があるのでしょう。
なお、我が国では、大麻を除き、薬物使用が犯罪とされていますが、使用は国際条約(麻薬新条約)上犯罪とされていないので、使用罪は国外犯処罰(刑法2条)の対象とはなっていません(例えば、麻薬につき、麻薬等取締法69条の6、覚せい剤につき、覚せい剤取締法41条の12)。ですから、日本人が外国で覚せい剤を使用しても、我が国では犯罪にはなりません。


日本では、薬物の尿検査といえば逮捕手続きと直結したものとみられるため、こうした製品は特殊なものと受け取られていますが、考えてみれば、簡易尿検査キットを使った自己テストには、有効な使い方もありそうです。一般人が簡易尿検査キットを使うことも、それほど特殊なことではないのかもしれません。

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