弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS 脱法ドラッグ分析します|英ウェールズの新サービス

<<   作成日時 : 2014/02/01 23:48   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

英ウェールズでは、公的機関による、一般人を対象にした、脱法ドラッグ分析サービスが始まりました。WEDINOS (Welsh Emerging Drugs and Identification of Novel Substances)と名付けられたこのプロジェクトは、公衆保健省が資金を提供し、地元大学が協力して運営されるもの。
WEDINOSは、ユーザーなどから匿名で郵送されたサンプルを分析し、含有成分をつきとめ、その結果をウェブサイトで公表します。
画像

↑WEDINOSのサイト(テスト結果のページ)より
http://www.wedinos.org/index.html

さっそく、WEDINOSのサイトを開いてみましょう(下記参照@)。
サンプルを提出する手続きは、とても簡単です。まず、サイト内の提出票をプリントして、項目にチェックマークを記入します。質問の内容は、サンプルの状態、使用状況、使用して感じた作用などに関するものが中心です。
サンプルの提出にあたって、ユーザーは名前や連絡先を書く必要はありません。記入するのは、性別、年齢、郵便番号だけ。
あとは、密封したサンプルと提出票を郵送すれば、提出は完了です。

提出されたサンプルの分析結果は、同じサイトの分析結果のページで発表されます。たとえば、1月30日に受け付けたサンプル番号000022011は、最近英国で出回っている脱法ハーブの一種ですが、5F-AKB48と5F-PB-22が検出されたとあります。また、同じ日に受け付けたサンプル番号000040976は、脱法ハーブ風の乾燥植物片ですが、作用成分は一切含まれていなかったとあります。

こうしたユニークなサービスを始めた背景には、脱法ドラッグが蔓延するなかで、成分や作用について正確な情報がないまま、ユーザーが健康被害にさらされている現状への危機感があるといいます。
公衆保健省のサイトには、1月30日付で、脱法ドラッグ対策の新たなプロジェクトが動き始めたことを知らせる記事が掲載されましたが、そこには、このプロジェクトの目的として、次の点があげられています(下記参照A)。
・脱法ドラッグの成分を知らせ、その成分がもたらす作用と副作用を知らせることによって、ユーザーを被害から守る
・新たな早期警戒情報として、収集した情報を関係機関が共有する

しかし、公的機関がこうしたサービスをすることには賛否両論あるようで、1月31日付のBBCの記事は、賛成派、反対派それぞれの声を載せています(下記参照B)。
税金の無駄遣いだと批判するのは、保守党の議員で、脱法ドラッグ業者がこのサービスを利用して、品質確認済みの製品を高く売りつけるだけだといいます。いっぽう、薬物依存者の支援団体で働く男性は、こうした薬物分析サービスが現場の役に立つと語っています。脱法ドラッグで体調不良を訴える人に対処するには、その成分や作用を正確に把握することが欠かせないというのです。

そういえば、オランダでは、ユーザーが持ち込むエクスタシー錠剤の分析サービスが行われています。混ぜ物の多いエクスタシー錠剤による健康被害が多発したころ、公的機関によってはじめられたサービスで、おそらく現在も続いているだろうと思います。
日本の感覚からすれば、薬物使用を容認するともみえますが、こうしたサービスはハームリダクションという考え方から生み出されるもので、薬物によって社会がこうむる被害を具体的に減らしていこうとする対策なのです。

[参照]
@WEDINOSのサイト
http://www.wedinos.org/index.html
Aウェールズ公衆保健局の発表
Project launched on new psychoactive substances(30 January 2014)
http://www.wales.nhs.uk/news/31116
BBBCニュースの記事
Welsh government funds drug testing service for public(31 January 2014)
http://www.bbc.co.uk/newsbeat/25951290

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
脱法ドラッグ分析します|英ウェールズの新サービス 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる