弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 次の標的は広告掲載メディアか|米国の大麻政策2

<<   作成日時 : 2011/10/17 23:32   >>

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先週、米カリフォルニア州では、医療用大麻産業に対して連邦政府の思い切った取り締まりが開始されたというニュースが報じられました。連邦検察官が記者会見で、カリフォルニア州内の医療用大麻供給所に対し、閉鎖命令の通知書をすでに送付したと発表したのです。(下記の過去記事を参照)。
それから1週間後にあたる先週末、こんどは医療用大麻の広告を掲載しているメディアが、連邦側の次の標的になるという話題が盛んに報じられています。
ABCニュースが10月14日付で掲載したAP発の記事を参照しながら、この動きを追ってみましょう。
[関連の過去記事]
■医療用大麻供給所に連邦が閉鎖命令|米国の大麻政策(2011/10/09)
http://33765910.at.webry.info/201110/article_8.html

<ニュースの概要>*****
サンディエゴ地区担当の連邦検察官の事務所によると、連邦政府の医療用大麻産業に対する取り締まりは、カリフォルニアの大麻産業の広告を取り扱うメディアを対象にすることを検討しているという。
これは、公式に発表された情報ではなく、ジャーナリスト団体の会合で、連邦検察官が語ったもの。検察官は「私も現にラジオやテレビでこうした広告を見聞きしている。」「(こうした広告は)単に不適切というだけでなく、法律に反している。われわれが子どもたちにどんなメッセージを送っているのか、考えなくてはいけない。」と発言したという。
先週発表された一連の閉鎖命令などの成果をみたうえで、連邦政府としては、広告を掲載するメディアを対象とするかどうかを決定することになる。
検察官のこの発言が、メディア業界を騒がせていると語るのは、カリフォルニア新聞社協会の理事。掲載する広告の内容が、偽りだったり、法に触れるものだとすれば、メディアには責任があるが、掲載するすべての広告を詳細に検討するだけの時間も労力もかけられない、と理事はいう。同氏は「こうした取り締まりが本当に必要なのか、そして連邦検察官が取り組むべき問題なのか、皆でこの問題についてじっくり考えなくてはならない。」と語っている(記事の大意・私訳)。
[ソース]
ABCニュース(AP)> US Attorney Eyes Going After Media Running Pot Ads(October 14, 2011 )
http://abcnews.go.com/US/wireStory/us-attorney-eyes-media-running-pot-ads-14733524
*****

●医療用大麻というにわか景気に潤った地域経済
1年ほど前のニューヨーク・タイムズに、医療用大麻関連の広告が、コミュニティー紙の広告収入を潤している現状についてのレポートがありました。記事は、不動産やレンタル市場が低迷し、広告減に悩むコミュニティー紙にとって、医療用大麻関連の広告が貴重な活力源となっている状況を伝えています。
たとえば、コロラド州のある地方紙は、広告収入の10%を医療用大麻関連が占め、この増収によって記者やスタッフを増員できたといいます。また、あるカリフォルニアの週刊紙では広告収入の8%を医療用大麻関連が占めています。
さらに、医療用大麻に関する記事や特集を売り物に読者をひきつけているコミュニティ紙もあります。カリフォルニアのある地方紙の編集者は、州議会の大麻関連立法の審議過程で公聴会に出席し、その経過を同紙のウェブサイト上でライブ・ブログとして公開し、人気記事となりました。
NYタイムズの記事は、最後に、コミュニティー紙に掲載された医療用大麻広告の現状に触れています。「ある医療用大麻供給所は、新規顧客にジョイント5本を無料進呈し、また別の業者は大麻とパイプの無料セットにヨガの1週間無料体験サービス。そしてその数ページ後には、‘規律の引き締め、市場の過密化で危険な日々’という不穏な前触れを告げる大見出しの記事が掲載されていた。」
[ソース]
New York Times>New Fuel for Local Papers: Medical Marijuana Ads(Oct.4 2010)
http://www.nytimes.com/2010/10/05/business/media/05pot.html?pagewanted=all

大麻政策はきわめて政治的なテーマだけに、ものの見方もイデオロギーに傾きがちですが、NYタイムズのこの記事は、もっと現実的な視点を提供してくれています。タブロイド版のフリー・ペーパーを飾る大麻関連広告の数々。医療用大麻供給所、アメリカのメディアは直裁に「大麻ショップ」などと呼んでいますが、こうした店が無料プレゼントや値引き広告で競い合っているのです。
医療用大麻によって、空白だったマーケットがにわかに活気付いて、特需を生み出している現実。たしかに経済効果はあるでしょう。でもこの活気の向かっている方向は、「医療用大麻」が本来目指していたものとずれているのかもしれません。

上記の記事と同じころ、カリフォルニアで初めてTV放映された医療用大麻の広告を思い出します。連邦法の規制を強く意識し、地域住民の反発を招かないよう、慎重に計画されたフィルムだと感じたものですが、その一方で、大衆向けメディアやインターネット上の広告には、なりふりかまわぬ一面もあるようです。
いよいよ俎上に挙がった広告規制、はたしてどんなメディアのどんな広告が議論の的になるのでしょうか。
[参照過去記事]
医療用大麻のTV-CM|2010カリフォルニア大麻論争5(2010/09/06)
http://33765910.at.webry.info/201009/article_4.html

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