弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS もう一歩掘り下げたい、生活保護と覚せい剤の問題

<<   作成日時 : 2011/09/17 16:05   >>

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<ニュースから>*****
●覚醒剤逮捕 2割は生活保護受給
神奈川県内で、ことし6月までの半年間に覚醒剤の使用や所持の疑いで逮捕された容疑者のうち、およそ20%が生活保護費の受給者だったことが分かり、警察は、暴力団などが定期的に支給される生活保護費を狙って受給者に近づき、資金源にしているとみて実態を調べています。
神奈川県警察本部は、ことし1月から6月までの半年間に神奈川県内で覚醒剤の使用や所持の疑いで逮捕した426人について、実態を調査しました。その結果、逮捕された容疑者のおよそ20%に当たる85人が生活保護費の受給者だったことが分かりました。逮捕された受給者の年齢別では、40代が33人、50代以上が27人などと、40代以上が全体の70%を占めています。覚醒剤の使用では再犯者も多く、支給される生活保護費が覚醒剤の購入代金に回っている実態があるということです。神奈川県警察本部は、暴力団などが定期的に支給される生活保護費に目を付け、受給者に近づいて覚醒剤を売りつけることで安定的な資金源の1つにしているとみて、実態の解明を進めています。
NHK 9月16日 9時46分
*****

●薬物乱用者の社会復帰の問題
先ごろ、今年5月時点の集計で、生活保護受給者が200万人を超えたという報道がありました。震災関連の受給者増によって、近く、過去最高を記録することになりそうだといわれています。生活保護費の見直しが進むなかで、覚せい剤事犯者など、生活保護を受給しながら犯罪に関わる人たちの問題に、スポットが当てられたわけですが、しかしこの問題は、もう一歩掘り下げて検討してみる必要があると思います。

私がこれまでに担当してきた覚せい剤事件の被告人にも、生活保護を受けていた例は多数ありますが、思い出してみると、その多くが、覚せい剤で受刑した経歴のある再犯者であることに気づきます。前に刑務所を出所した際に、更生保護施設に身を寄せながら社会復帰した人たちの多くは、生活保護などの福祉サービスを受けながら、一歩ずつ自立生活を再開しているのです。
逮捕・受刑によって社会生活が中断された受刑者は、出所してもすぐに自立生活に復帰できるとは限りません。出所した人たちが再犯することなく再び社会の一員となる支援策として、生活保護はとても重要です。

多くの薬物依存者が、生活保護などの福祉サービスを受けながら社会復帰の道を歩いていますが、薬物離脱の途上で、再び薬物乱用に戻ってしまう人もいます。でも、この人たちに必要なのは福祉サービスを制限することではなく、離脱を後押しするための支援を続けることではないでしょうか。
近年、覚せい剤受刑者に対して、受刑中や仮釈放期間を通じて、覚せい剤離脱指導が行われるようになってきました。また出所後、ダルクなどに身を寄せながら、薬物のない生活をめざす人たちもいます。でも、こうした施策の対象者はまだ限られているのが現状です。
覚せい剤事犯として受刑した人たちが、出所後も薬物のない生活を維持していけるよう、支援し、監督する体制がなければ、薬物事犯の再犯を防ぐことはできません。

いま、世界中で、福祉予算の見直しが進行しているなかで、薬物依存者への福祉給付がやり玉にあがっています。貴重な生活保護費を覚せい剤の入手に費やすなど、とんでもない。こうした批判があるのは当然でしょうが、薬物依存者の社会復帰を支える重要な支援策をむやみに削減して、彼らの更生の道をますます閉ざしてしまうことのないよう、見守っていきたいものです。

[関連の過去記事]
■生活保護者に薬物テスト|フロリダ州
http://33765910.at.webry.info/201106/article_6.html

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