弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻の健康への影響|EU薬物報告書2010年版その3

<<   作成日時 : 2010/11/15 23:39   >>

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大麻の害について語るとき、私たちはとかく混乱しがちです。ヘロインや覚せい剤などは過量摂取によって死亡することも少なくないのに比べて、大麻の過量摂取で死ぬことはまずありません。その意味では、大麻はヘロインや覚せい剤などより有害性の低い薬物といえるかもしれません。だからといって、「大麻は無害」と考えるのは明らかに間違いです。
大麻使用がもたらす健康への悪影響に関して、いま、世界中で多くの研究が行われており、大麻の文献には必ず最新の研究結果が引用されています。しかも、研究の進化に応じて、その評価も時々刻々と変化しているので、ついていくだけでも苦労します。
さて、このブログで読み進めているEU薬物報告書2010年版にも、大麻の章で、最近の研究成果をコンパクトにまとめたコラムが掲載されているので、その部分を紹介します。学術的な記載なので、私の私的な翻訳(下手な訳文ですが)で、そのまま掲載します。
[出典]
EMCDDA ANNUAL REPORT 2010
第3章47ページに掲載のAdverse health effects of cannabis useより
http://www.emcdda.europa.eu/publications/annual-report/2010

●大麻使用による健康への悪影響
近年、大麻使用による健康への悪影響に触れた論評が、いくつか発表されている[1]。そこで取り上げられているなかには、不安やパニック反応、精神病症状(初めて使う人がしばしば見舞われる)といった急性作用も含まれている。こうした急性症状が、医療機関の救急診療のかなりの割合を占めていることが、救急診療モニター制度のある国ではわかっている。また、大麻使用は、交通事故に巻き込まれるリスクを2〜3倍に増加させているように思われる[2]。
また、大麻使用による慢性的な影響も認められ、これは使用頻度や使用量といった使用のパターンと直接的な関係をもっている。慢性的な影響としては大麻依存とともに、慢性気管支炎や他の呼吸器疾患をあげることができる。妊娠中の大麻使用は新生児の低体重をもたらすが、奇形を引き起こすようには思われない。大麻使用とうつ病、自殺との関連はまだはっきりしていない。
認知機能に対する影響及びその反転可能性については、まだ確かな結論に至っていない。大麻の使用頻度に対応して精神面での病的症状や障害のリスクが高まるという根拠があるところから、成長期での日常的な大麻使用は、青年期になってからの精神面での健康状態に悪影響を及ぼすかもしれない[3]。
大麻使用が個人に及ぼすリスクはヘロインやコカインより低いと思われるが、リスクはたしかに存在しており、大麻使用が広まっていることから、公衆衛生に及ぼす大麻の悪影響は重要であるといえる。とりわけ、成長期の若年層や、メンタルヘルスの問題を抱えている人の大麻使用については、注意を向けなければならない。頻繁な大麻使用、長期にわたる使用、運転中や危険が伴う行動中の大麻使用も、注意しなければならない。
[1]EMCDDA, 2008a; Hall and Degenhardt, 2009
[2]EMCDDA, 2008b
[3]Hall and Degenhardt, 2009; Moore et al., 2007

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
正しいと思いますね。本当に海外のデータはしっかりしていますね。日本は何をしとるんかなぁ。
太郎
2010/11/17 00:42

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