弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS オランダで大型コーヒーショップに1000万ユーロの罰金

<<   作成日時 : 2010/03/26 23:15   >>

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当ブログですでに取り上げたように、オランダでは、国境地域で営業する大型コーヒーショップがドラッグ・ツアーを誘発するとして問題になり、昨年秋に発表された新しい政府の方針では、コーヒーショップを地域住民のための施設として小規模化するなど、薬物政策の一部方向転換が打ち出されています。
さて、今週、オランダで、政府の新方針を象徴するような判決が下されたと新聞が報じています。この記事を掲載したのは、アメリカのニューヨークタイムズ紙。3月25日付のワールド・ニュースとして、取り上げた記事の概要をお伝えします。

<ニューヨークタイムズ紙より・記事の概要>
●オランダの法律に違反したとしてカンナビス・カフェ有罪
オランダの裁判所は、チェックポイントというコーヒーショップに対して、許容された店内在庫の制限を越えて在庫を保管したとして、1000万ユーロ(約12億4000万円)の罰金を言い渡した。
ベルギー国境に近いオランダ南部テルヌーゼンで営業する同店は、1日に3000人に大麻を販売しており、その多くは国境を越えてマリファナやハシシを買いに来る客である。この店は、オランダが近隣住民のために少量の大麻販売を容認してきた政策が、巨大ビジネスを生み出している現実の象徴といわれてきた。
オランダの規制では、コーヒーショップはその施設内に500グラムまでの大麻を在庫することを認められているが、警察が2度にわたりチェックポイント店内を捜索した際には、200キログラムが発見された。
この大量の在庫を保有することで、この店は、コーヒーショップではなく犯罪組織に変貌したと判決は指摘している。
チェックポイントのオーナーと15人のスタッフは有罪判決を受け、オーナーは16週間の拘禁刑を言い渡されたが、審理期間中にすでに刑期を満了したとして釈放された。スタッフは公共奉仕活動を科せられた。
テルヌーゼンの自治体や警察、検察がチェックポイントの拡大を看過してきたことを反映して、この判決では量刑は低めになっているという。チェックポイントは自ら「合法」であるとうたってきただけでなく、社会的にも「合法」ビジネスとして受け入れられてきていた。法務省のスポークスマンはこのケースについてコメントをしていないが、昨年、政府はコーヒーショップの縮小を約束したと述べている。
[出典]
The New York Times> World> Cannabis Cafe Convicted of Breaking Dutch Drug Law(2010年3月25日)
http://www.nytimes.com/aponline/2010/03/25/world/AP-EU-Netherlands-Drugs.html

国境を接するドイツやベルギー、あるいはフランスやイギリスでは、少なからぬ大麻が流通しているとはいえ、その販売や所持は違法です。ところが、国境をまたいだオランダでは、規則の範囲内であれば、コーヒーショップで大麻を買うことができるのです。大麻を目当てに国境を越えてやってくる顧客たちのドラッグ・ツアーが、各国の薬物規制に少なからぬ影響を及ぼしていることが、問題になってきました。とくに国境地帯では、外国からのツアー客目当ての、大規模なコーヒーショップが立ち並び、内外の批判が寄せられていました。
昨年秋に発表された、「オランダの薬物政策の新たな強調点―薬物政策諮問委員会報告書」に基づく、オランダ政府のコーヒーショップ縮小政策、そして、今回の判決。一連のニュースは、ヨーロッパでいま起きている、大麻政策の新しい動きを示しているようです。
この動きは、巨大コーヒーショップとドラッグ・ツアーという行き過ぎを是正するものなのか、寛容政策の方向を少し変えるものなのか、まだ行方はわかりません。

[当ブログ内の関連記事]
●コーヒー・ショップはなぜ削減されるのか|大麻供給店の問題
 http://33765910.at.webry.info/201002/article_11.html
●コーヒーショップはなぜ削減されるのか2|大麻供給店の問題
 http://33765910.at.webry.info/201002/article_12.html
[参考]
●Q&A薬物2003―オランダの政策へのガイド・日本語私訳
私のホームページ「ドラッグについてきちんと話そう」内に、2003年版ですが、オランダ外務省が発表している小冊子の私訳版を掲載しています。コーヒーショップに対する基本的な内容もあります。
ホーム > 薬物規制を考える> オランダの薬物対策を観る>Q&A薬物2003
http://www2u.biglobe.ne.jp/~skomori/kisei/kisei1/kisei1-1.html

ところで、上記の新聞報道はニューヨークタイムズのもので、なぜか、アメリカでは、複数のメディアがこのニュースを取り上げています。カリフォルニアで大麻合法化問題が浮上して以来、アメリカでは大麻政策に関する関心が強まっているようです。今年後半の第2ラウンドへ向かって、どんな論戦が展開されるのでしょうか。

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