弁護士小森榮の薬物問題ノート

アクセスカウンタ

zoom RSS 少年期の飲酒、大麻が及ぼす影響とは|オランダの薬物政策転換の背景

<<   作成日時 : 2010/02/24 22:58   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 1

中高生の喫煙、飲酒と薬物乱用の関係について、いろいろな角度から考えています。中高生の喫煙、飲酒、薬物乱用は、少年期の心身の発達、能力や社会性の成長を脅かす深刻な問題です。
さて、2009年は大麻規制政策をめぐる議論が世界中で沸き起こりましたが、そのなかで、繰り返し、少年層への影響について語られてきたことが、私にとっては印象的でした。英国では大麻の規制レベルが引き上げられ、米国ではカリフォルニア州で大麻合法化及び課税法案が検討され、秋にはオランダでコーヒーショップを中心として大麻政策の一部見直しが発表されるなかで、議論の底流にいつも、薬物の影響から少年を守るためにどうするか、という視点があったのです。

そのなかから、オランダ政府の考え方を紹介しておきましょう。取り上げるのは、薬物政策の見直しに当たって、行政府の基本的な考え方を示した文書で、保健・福祉・体育大臣、司法大臣、内務王国大臣、青少年・家庭大臣から国会議長に宛てられた書簡です。その「3、若年者の問題」という部分では、いま政策見直しを必要としている背景として、青少年のアルコールや大麻使用が問題になっていることをあげています。

この文書は、オランダの政策が育んだ、大麻やアルコールに寛容な文化的風土のなかで、少年のアルコール摂取と大麻使用がEU諸国より高いという状況が生まれていることを指摘しています。少年たちとその親たちは、アルコールや大麻がもたらすリスクを過小評価していると、文書はいいます。
ただし、ここでいう「リスク」とは、アルコールや大麻を摂取するとたちまち精神が錯乱したり、回復不能なダメージを受けたり、といったものではありません。集中力を弱らせ、認識能力を損ない、少年たちの知的、社会的成長に悪影響を与える要因のひとつだというのです。
しかし、この長期的なリスクは、少年たちの人生の可能性を縮小させ、彼らを社会の底辺に追いやる結果につながる危険性をはらんでいます。しかも、アルコールや薬物を使用し始める時期が早ければ早いほど、その影響は大きいといいます。

わかりきったことのようですが、公的な文書で、直截にこうした考えを述べたものは少ないので、ぜひ、皆さんに読んでいただきたくて、ここで紹介しました。
該当部分を私の個人的な翻訳で下に載せます。

●若年者の問題
少年層の薬物使用や過度な飲酒は珍しくないという社会環境ができてしまっている。ヨーロッパ諸国と比べて、オランダの少年とその親たちは、大麻使用のリスクを低くとらえている。オランダの少年の大麻使用は、EUの平均を上回っている。アルコールについてもおなじことがいえる。オランダの少年は多量のアルコールを飲みながら、彼らも親たちもそのリスクを過小評価している。アルコールは飲酒許容年齢に達しない少年にとっても入手しやすいのだが、アルコールや薬物は少年の健康に深刻な影響を及ぼすことがあるので、われわれはこの傾向をきわめて危惧している。
●本人の成長へのダメージ
現在では、思春期のアルコールや薬物使用が、認識能力を損ない、集中力の障害を引き起こすことがあると知られている。また、最近の研究では、薬物使用やアルコール摂取が、脳の発達に有害な影響を及ぼしうることを示している。若年でのアルコールや大麻の使用は、青年期になって依存症を発する危険性を増加させ、個人の幸福度を減衰させ、社会的な立場を低くすることにつながるという指摘もある。これら物質を使用し始める年齢が低いほど、また使用頻度が高いほど、長期的なリスクは増大する。
●より広い意味での害
薬物やアルコールの影響を受けやすい若年者が、これらを過度に使用することは、不登校や少年非行、心理社会的障害、あるいは行動障害など多くの問題の一部であるといえよう。薬物やアルコールの過度の摂取は、社会的に取り残される理由のひとつとなる。
[出典] 
薬物政策の概要を示す書簡2009年9月11日 Letter outlining drugs policy September 11 2009
オランダ政府保健・福祉・体育省のサイトより
http://www.minvws.nl/en/kamerstukken/vgp/2009/letter-outlining-drugs-policy.asp

なお、オランダ政府の薬物政策見直しの主要部分、コーヒーショップ縮小に関しては、当ブログに下記の関連記事があります。
[関連記事]
●コーヒー・ショップはなぜ削減されるのか|大麻供給店の問題
 http://33765910.at.webry.info/201002/article_11.html
●コーヒーショップはなぜ削減されるのか2|大麻供給店の問題
 http://33765910.at.webry.info/201002/article_12.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
いつも見ていて思う事があります。
薬物の害についての記述が抽象すぎで報道ベースにすぎません。どの研究機関の情報であるか、研究機関の信用度はどのぐらいなのか、詳しい研究の詳細等のURLを記載してほしいです。
報道はプロパガンダであるため真実ではありません。勿論、研究機関の情報も同じですが、検証する事が可能です。
ひろき
2010/02/25 21:58

コメントする help

ニックネーム
本 文
少年期の飲酒、大麻が及ぼす影響とは|オランダの薬物政策転換の背景 弁護士小森榮の薬物問題ノート/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる