弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 政府VS諮問委員会|英国の大麻規制2009年の変更10

<<   作成日時 : 2009/11/03 19:07   >>

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前記事でお伝えしたように、大麻の規制分類に関する発言をめぐって引き起こされた、英国(UK)の薬物乱用諮問協議会(ACMD)と内務省との対立は、ますます混迷の度合いを深め、メディアの報道も激化しています。
11月2日には、この問題について、内務大臣が議会下院で答弁を行い、その内容がBBCニュースに掲載されています。BBCの最新記事に基づいて、もう少し、この話題を読んでおきます。

下院での答弁で、ジョンソン内務大臣は、ナット教授を解任した理由は、「委員会の業務に関することではなく、彼の役割は助言であって、批評ではないという点を・・・彼は認めなかったという過ちがあったことによる。」と説明しました。さらに大臣は「薬物政策に関する私の主要なアドバイザーとして、ナット教授の能力への信頼を失った。」「ナット教授の言動は、政府を支持するというより、むしろ政府を害するものである。」と付け加えています。

ナット教授の解任に抗議してACMD委員を辞任したキング博士は、BBCのインタヴューで、彼の辞任理由を語っています。大臣は、薬物の規制分類に関して、政府がすでに決定済みの課題について諮問協議会に諮問し、協議会を「ゴム印を押す機関」として利用したと批判し、このままでは協議を続けることはできないとしています。

薬物乱用諮問協議会(ACMD)は、ナット教授の解任と、これに抗議して2人の委員が辞任し、現在は28人の委員が残っています。ACMDは、内務大臣に書簡を送り、「委員のほとんどはナット教授の解任と、他の委員の今後について深刻な懸念を持っている。」と伝えました。また「このような状況下で、内務大臣が協議会の答申をどのように受け止めており、また将来においてどのように受け止めるのかを明らかにし、保証するよう、委員は望んでいる。」という内容も添えられているということです。
以上は、次の記事を参照した内容です。
BBC NEWS>Drug experts' warning to Johnson
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/8337185.stm

重要な政策決定に当たって、専門家による審議会に対して政府が諮問を行い、その答申に基づいて政府案をまとめるという流れは、日本でも行われています。薬物規制の分野でも、従来からこの方式が行われており、最近では今年8月に開催された、薬事・食品衛生審議会の指定薬物部会の議事録が公開されたところです。
政府の審議会委員としての活動と、専門家としての活動が、必ずしも同じ路線をとるとは限りません。いま英国で起きている問題に、他人事ではないという思いで注目して折られる方もあるでしょう。
とはいえ、わが国では、諮問委員会の審議がごく形式的なものに終わってしまう例も多く、また、その答申が政策に反映されないことも珍しくないため、深刻な対立もあまり起きないという、馴れ合いの土壌がしっかり形成されてしまっているのかもしれませんが・・・。

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