弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS もしかして、うちの子も大麻?|親のための大麻講座4の続き

<<   作成日時 : 2009/02/21 20:52   >>

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Q4について続けます。
WHO(世界保健機関)が1997年に発表した「大麻:健康上の観点と研究課題Cannabis:a health perspective and research agenda」という報告書は、大麻使用による健康への影響を急性の影響と慢性的な影響に分けて、概略次のように説明しています。サマリーの部分の概略を私の私訳で紹介します。

大麻使用の急性作用は多年にわたって認識されてきたが、最近の研究により、旧来の見解が立証され、拡張された。その内容は次の通り要約できる:
‐‐大麻は、連想過程を含む認識の形成(学習能力)を害する;学習の時点と想起の時点の間で大麻を使うと、しばしば、以前に学習したことの自由な想起が害される;
‐‐ 大麻は、多様な仕事において、精神回路の働きを害し、注意を向けたり、多様な種類を操縦するといった機能を害する。人体という複雑なメカニズムの性能は、最少20ミリグラムのTHCを含む大麻を吸引した後、最長24時間は低下する。大麻の影響下にある時には、人は、交通事故のリスクが増大する。

大麻の慢性の使用により、急性の影響に加えて、以下の健康被害が生まれる。
‐‐注意の喚起や記憶プロセスの様々なメカニズムに関係する複雑な情報の組織化や統合を含む認識機能に損傷を及ぼす。
‐‐長期的な使用は、より大きい損傷を及ぼす危険性があり、これは一時的な使用休止によっても復旧できないものであり、日常生活の機能に影響を及ぼし得るものである。
‐‐大麻の常用者には、大麻使用をコントロールできなくなる大麻依存症の進行が発現しやすい。
‐‐大麻使用は、統合失調症を悪化させ得る。
‐‐長期の大麻喫煙により、気管および主要な気管支の上皮の損傷、肺の感染症に対する免疫力の低下を引き起こす。大麻消費量は、慢性の気管支炎、および急性気管支炎の発生率と関連がある。
‐‐妊娠中の大麻使用は、胎児の発育と関係が有り、新生児の低体重を引き起こす。
‐‐妊娠中の大麻使用は、まれに、出生後の癌のリスクを引き起こす可能性があるが、この分野についてはさらに研究が必要である。
http://whqlibdoc.who.int/hq/1997/WHO_MSA_PSA_97.4.pdf

ここには、恐怖をあおるような言葉は見当たりませんが、とても重要なことが書いてあります。
たとえば、大麻による急性の作用は「最少20ミリグラムのTHCを含む大麻を吸引した後、最長24時間は」身体のメカニズムに影響を与えるとされています。一般的な乾燥大麻が含むTHCは5%程度だといわれ、紙巻(ジョイント)で使う乾燥大麻の量は0.5〜1グラム程度です。ごく一般的な乾燥大麻の紙巻1本に25〜50ミリグラムのTHCが含まれていることになります。この程度の使用でも、認知や学習、集中といった精神の働きに影響を与え、それが最長24時間続くということなのです。車の運転や複雑な機器の操作だけでなく、さまざまな場面での集中力や成果に影響がでるかもしれません。

私たちは、薬物の害というと、とかく錯乱や異常行動といったものを想像しがちですが、薬物によって起きる問題は錯乱に限らないのだと、認識する必要があります。そして、薬物使用が若者の生活に及ぼす影響を具体的に解釈しながら、ていねいに教えていかなくてはならないのです。

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