弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS カナダの産業用大麻政策を考える―予習の1

<<   作成日時 : 2008/12/17 01:06   >>

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2008年は大麻に徹底してこだわってきました。
なぜなら、大麻の規制に関しては、私にもよくわからないことが山ほどあるからです。国によって政策が違い、規制の方針にも差があります。1961年の麻薬に関する単一条約で規制対象とされている他の薬物、たとえばヘロインやコカインなどに関しては、実際に取られる措置に差はあっても、どの国でも規制の方向はほぼ同じです。ところが、大麻に関しては大きな差があります。
大麻に関する国際的な問題に関しては、当ブログの改めて大麻を考える・その1 (http://33765910.at.webry.info/200805/article_2.html)、その22 (http://33765910.at.webry.info/200806/article_1.html)で触れています。

こうした多様性が、私たちの理解を妨げ、発言を不透明にさせたり、あるいは混乱を誘ったりしている原因のひとつであると、私はずっと考えてきました。だったら、わかるまで努力するしかない、これが、私が現在取り組んでいることです。
数年前に、オランダの薬物政策の全体像を理解するのに、苦労したことがあります。オランダ大使館の方のご協力で、貴重な資料に出会い、これを手がかりに何とか私なりに理解しました。その一部は私のホームページ「ドラッグについてきちんと話そう」に掲載しています。
HP「ドラッグについてきちんと話そう」http://www2u.biglobe.ne.jp/~skomori/
「オランダの薬物対策を観る」http://www2u.biglobe.ne.jp/~skomori/sov/top2.html

さて、次はカナダに取り組もうと考えています。カナダは、産業用大麻の栽培を許容しています。この政策の背景や評価なども含めて、カナダという国家の大麻規制政策をなんとか理解してみようと考えているわけです。
手がかりを与えてくださったのは、カナダ大使館E・H・ノーマン図書館の小松 博氏です。私の依頼に応えて、信頼できる公的情報の所在を教えてくださったことに感謝いたします。

入り口として、小松氏に教えていただいた、カナダ保健省(Health Canada) のホームページにあるRegulatory Impact Analysis Statementという記事を選びました。PDFで22ページの資料です。このブログで、少しずつ読み進めていきたいと思います。

Health Canada > Drug and Health Products> Regulatory Impact Analysis Statement
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/pubs/precurs/rias1089/international-eng.php

本題に入る前に、まず、予習として、次の資料によって、カナダの薬物規制の概要を簡単にまとめてみます。
小澤政治「カナダ」法務総合研究所編『薬物乱用の動向と効果的な薬物乱用者の処遇に関する研究―オーストラリア、カナダ、連合王国、アメリカ合衆国―』研究部報告34、(2006)

●カナダの薬物乱用状況
2004年に行われた保健省参加の大規模調査によると、大麻を過去に1回でも使用したことがある割合(生涯使用率)は44.5%、過去1年間に使用したことがある割合は14.1%。同書は次のように指摘しています。「カナダでは最も乱用が広範に見られる薬物は大麻であり、特にその浸透が著しいのが男子の若年層である(91頁)。」「若年層に薬物乱用が増加しつつある背景要因について、オンタリオ州における学生(高校生以下)の薬物使用に関する長期的な調査研究は、1990年代初頭から、学生の間で、@薬物使用に伴うリスクの認知が低下していること、A薬物使用に対する非難の程度が低下していること、B薬物の入手機会が増大していることを挙げている(92頁)。」

●薬物に関する法的規制
カナダの薬物取締法規は連邦法であり、1997年に施行された「規制薬物・物質法(Controlled Drugs and Substances Act:CDSA)」が、現在の薬物取締りの基本法となっています。同法が施行される以前は、「麻薬取締法(Narcotic Control Act)」と「食品・薬物法(Food and Drugs Act)」の二本立てだったものが、各法の薬物及び規制物質に関する部分が統合されたものです。
規制薬物・物質法が定める違反行為と罰則の概要は次回に。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
小森榮の意見と言うのは、乱用ばかりにとらわれていて、片寄っていると思います。
大麻には「医療大麻」として、HIV/AIDSの人の食欲不振回復やガン患者の抗がん剤の副作用緩和などの医療面もあるにも関わらずに・・・。

小森榮はそう言った面では、何も触れていません。

大麻を規制している国でも、医療用薬剤として生産された物に関しては使用を可能としている国も多いです。
日本の様に、医療用薬剤として生産や使用すらも逮捕するのは少なくなってます。

逆に日本で処方されている精神薬剤リタリンを覚せい剤として所持・使用・処方を禁止している国は多いです。

日本の処方箋や薬剤を国外に持ち込んだりしてはイケませんなどの注意などはしていない、小森榮の知識は偏り過ぎてると思えます。
マリー
2008/12/17 09:18
上記で、「さん」をつけるのを忘れてました。
すみません。
MDMAの認識として、小森榮さんは間違った認識を一部している様なので再度お詫びも兼ねて書き込ませてもらいます。
MDMAは本来、精神病治療薬として開発され使用されてました。
ただし、精神病を患ってもいない人までもが精神を過度向上(ハイと呼ばれる)状態する為に使用し。
その為に、日本でも使用が認められない薬物指定されました。
ただし、今でも日本で使用されているリタリンなどもMDMAとほぼあまり変わらない効果がえられます。
「MDMA」「リタリン」などには、致死量が存在します。呼吸不全になったりなど。
ですが、大麻には致死量はありません。
医療用としてもちいた場合、「大麻」の方が精神薬や痛み止めの適量を守らずに使用する人が死ぬ事もなくなります。
マリー
2008/12/17 19:45

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