弁護士小森榮の薬物問題ノート

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help リーダーに追加 RSS 麻薬取締官とは

<<   作成日時 : 2008/10/29 23:57   >>

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NHKの夜のニュースで、港区内の住宅街で薬物の密売が行われている様子が公開されていました。関東信越厚生局麻薬取締部が、犯罪捜査の過程で撮影したフィルムを公開したものだそうです。
ところで、麻薬取締部とはどんな組織か、よく質問を受けます。私はちょうど、戦後の麻薬取締について調べているところで、今日の麻薬取締部が設置された経緯について、メモを作っていたので、私の学習ノートから紹介します。

日本に駐留したGHQは、国レベルで統一された麻薬取り締まりを遂行するために、厚生大臣の監督下に麻薬取締専任官を置くよう要求しており、昭和22年(1947年)9月、第1回国会で成立した「司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に關する勅令の一部を改正する法律」によって、麻薬取締員が選任されることになりました。
昭和22年8月25日の衆議院厚生委員会では、次のように説明されています。
「麻藥に關する犯罪の搜査は檢事、司法警察官によつて行われておるところでありますが、麻藥に關する搜査には、麻藥に關する高度の特殊知識を必要といたします關係上、取締強化の方法といたしまして、從來の搜査機關とは別個に、麻藥に關する取締りの專門家である都道府縣の麻藥統制主事のうち優秀なる者を選び、これに麻藥に關する犯罪について、司法警察官と同一の權限を有する獨立の搜査官を與えんとするのが、本法律案の趣旨であります。
搜査を行う麻藥統制主事は、知事が檢事正と協議いたした上、搜査を行うに摘當なる者を選んでこれを厚生大臣に推薦することとし、この者に對して厚生大臣が搜査を行う者として指命することといたし、その搜査指揮權は厚生大臣の所管に屬することとし、從つてこれらの者に對しましては、知事はもちろん檢察官においても、これが指揮權を有しないことにいたしました。」(昭和22年8月25日衆議院厚生委員会における一松國務大臣の趣旨説明より)

戦時中の日本の麻薬政策を批判的にみていたGHQは、従来の警察組織とは別に、麻薬に関する専門知識を有し、逮捕など司法警察員としての権限も持つ専門職員をおくことで、麻薬捜査のありかたを刷新しようと図ったものと思われます。
その後の麻薬取締体制の強化について、「GHQ日本占領史第22巻」から一部分を紹介します。
「1948年3月、東京に特別麻薬訓練校が開設され、SCAPと厚生省の麻薬取締官や法務庁の代表が実践的デモンストレーションを行い、最新の調査方法を紹介した。各地域で任命された麻薬行政官も麻薬取締法の実施に当たって訓練を受けた。海上保安官は麻薬の密輸を排除するための方法を教えられた。」(杉山章子「「麻薬」竹前栄治ほか監『GHQ日本占領史 第22巻 公衆衛生』209頁、1996年」

これが、今日の麻薬取締部です。設立当初から、麻薬の専門知識を有する職員を中核に構成されているため、現在でも、薬学や化学の専門知識や資格をもった職員が多いことが特徴です。
なお、麻薬取締部の活動については下記のホームページがあります。
「麻薬取締官」http://www.nco.go.jp/

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