弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その7

<<   作成日時 : 2008/05/08 22:19   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えています。

今日からは第3節を読んでいきます。
2.3 The emergence of ‘new cannabis’and the reassessment of health risks
●「新大麻」の台頭と健康影響の再評価

冒頭の部分を引用します。
「大麻の健康影響は長年にわたり議論されてきた。多くの国家委員会がこのテーマを検討し、大麻に向けられた多くの非難を晴らして。しかし、この10年間で、多くの主要な市場で、シンセミア大麻はその効力を倍増し、近年の研究はこの薬物が精神保健に与える否定的な影響をとくに強調している。」

この報告書に出会ったころ、従来の大麻と比べて、およそ倍の精神作用成分を含有しているという、この「新大麻」に対して、私は興味と疑問をもっていました。
同じころ、私が読んだ大麻乱用防止の小冊子、合衆国国家薬物統制政策事務所編“Marijuana Myths & Facts:The Truth Behind 10 Popular Misperceptions”の中に、同じような情報があったのです。インターネット上で公開されているこの小冊子のIntroduction には、次の文章があります。私の私的な翻訳です。
「いっぽう、化学成分の濃度という点でマリファナの効果は、デルタ−9−テトラハイドロカンナビノール(THC)が増えています。平均的なTHC濃度は、1970年代半ばには1%以下だったものが、2002年には6%以上になっています。シンセミヤの濃度は、この20年の間に6パーセントから13パーセントに上がり、試料によっては最高33パーセントのTHCを含んでいました。」
なお、シンセミアとは、乾燥大麻のなかで最もTHC成分が多いといわれるもので、受粉していない雌株の花穂部分を集めた物です。
この小冊子については、当ブログ2月13日で紹介しました。
http://33765910.at.webry.info/200802/article_12.html

この小冊子の文章は、ミシシッピ大学のMarijuana Potency Monitoring Project, report No.83(2003年)に基づいています。いっぽう『世界薬物報告書2006』は、大麻のTHC濃度に関して2つの研究報告を取り上げています。1つは、上記のミシシッピ大学のもの。2番目はEMCDDA An Overview of Cannnabis Potency in Europe,(2004)で、欧州薬物及び薬物乱用監視センター(EMCDDA)による調査報告です(インターネットに報告書が掲載されています)。
http://www.emcdda.europa.eu/attachements.cfm/att_2950_EN_insights6web.pdf
いずれの調査も、近年、合衆国やヨーロッパで流通している大麻の一部に、従来のものよりTHC濃度の高いものが存在することを示しています。とくに、品種改良され、屋内栽培される大麻の中には、THC濃度がきわめて高いものが確認されるといいます。

これが、『世界薬物報告書2006』のいう「新大麻」です。
次回は、新大麻の歴史と誕生の部分を読んでみましょう。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
EMCDDAの結論
評論の結論1:大麻は無害な物質ではない。
評論の結論2:危険性は誇張されている。
評論の結論3:個人的な使用罪は、刑事制裁を必要としない。
EMCDDA, Lisbon, June 2008
Monographs8:A cannabis reader: global issues and local experiences
Chapter 7:Cannabis control in Europe;A constant quest for evidence P104〜より抜粋
http://www.emcdda.europa.eu/publications/monographs/cannabis
野中
2008/08/11 03:06
野中さん、ありがとうございます。
さっそく読んでみます。
小森榮
2008/08/12 08:45
こちらこそ、いつも勉強させて頂いております。

他にも、大麻とアルコールやタバコ、その他の精神賦活性物質の有害性を多面的に比較・検証し、’タバコとアルコールは非常に規制が低い一方で、大麻に関する規制はあまりにも厳しすぎるということは明白である。’と結論付ける論評も掲載されています。
Volume 2 Chapter 7: The public health significance of cannabis in the spectrum of psychoactive substances
Robin Room
http://www.emcdda.europa.eu/attachements.cfm/att_53397_EN_emcdda-cannabis-mon-vol2-ch7-web.pdf
野中
2008/08/14 13:52

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