弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その18

<<   作成日時 : 2008/05/27 23:07   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えています。

●負の精神作用
この部分では、2003年までに行われた、いくつかの大規模な調査研究に基づいて、大麻のネガティブな作用について語っています。

まず、大麻使用によって起きる、急性の精神作用。大麻は、高用量では、パニック、混迷および大麻精神病などの異常を引き起こす作用を有するが、近年の研究では、極めて高用量の大麻が単純な精神障害を引き起こすのであって、こうしたケースはごく稀だとしています。しかし、別な報告では、大量使用後の精神病状態など、負の影響を短期間受けたと報告しているのは、大麻ユーザーのかなりの割合にのぼるともいいます。

より危惧されるのは、精神の障害に対して何らかの脆弱性を持っている人たちに対する影響です。極めてサンプル数の多い調査研究の結果が、いくつか引用されています。
●ニュージーランドでの1,265人の出生コホート研究では、若年層(18歳と21歳)において、先天的な兆候や他の背景要因を考慮しても、精神疾患症状の増加が大麻依存の発生と関連していることが認められた。
●スウェーデン人の徴集兵の追跡調査では、青年期の大麻の使用とその後の統合失調症の危険性との結びつきが報告されている。報告者は、後に追跡の期間を延長して、さらにいくつかのケースを認定している。この2つの研究では、合わせて5万87人が対象とされた。
●ダニディン(ニュージーランド)で行われた青年期の大麻使用に関する長期的研究によって、青年期に大麻を使用すると、心理的に脆弱な人では、成人後に統合失調症の症状を経験する可能性が大きくなることが認められた。さらに、報告者は、低い年齢(15歳まで)での大麻使用が、その後(18歳まで)の使用に比べ、統合失調症のより高い危険性を与えると付け加えている。
●米国での6,792人の若年成人の疫学的研究では、大麻と大うつ病との関係が認められた。大うつ病の危険性と、大麻使用機会の回数や大麻使用のより進んだ段階との間にはゆるやかな関連性がある。

ここでいうコホート研究とは、ある期間に同じ経験を持っているグループを対象とした研究のことで、出生コホート(birth cohort )は、ある一定期間内に生まれた人口集団を対象とした追跡研究のことです。
ここで取り上げられた研究の報告書には、インターネットで読めるものもあります。私は、この報告書の注釈を頼りに検索し、報告書を読もうとしましたが、精神障害に関する用語と統計学に関する用語に不慣れな私には、あまりに手ごわく、今回は断念してしまいました。とりあえず、今は『世界薬物報告書2006』の記載を紹介することにとどめます。

なお、この報告書では、1997年の世界保健機構による研究報告Cannabis : a health perspective and research agendaをたびたび引用しています。私も大麻の健康影響を考える際にはよく参照する資料ですが、その全文の日本語訳がインターネットに掲載されているのに気づきました。
http://www.asayake.jp/thc2/

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