次期指定予定の8物質が公表されました

厚生労働省は、3月25日、次期に指定薬物として規制予定の8物質を発表しました。同日開催された審議会で決定されたものです。
■公布は6月中を予定
■施行は、公布後30日後から(7月中に施行の予定)
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↑次期指定予定の8物質
厚労省の発表資料(下記参照②)に基づいて私が分類・例示したもの。番号は、厚労省の発表とは異なっています。

●どこまで続くイタチごっこ
次期指定予定のなかには、合成カンナビノイドが5種含まれていますが、上で図示したように、いずれも最近流通し、現在は指定薬物または麻薬として規制されているものの類似物質(アナログ)です。
たとえば、4番の通称XLR-12は、その名から連想されるとおり、麻薬のXLR-11の化学構造と比べると、細部がほんの少し違うだけです。脱法ハーブの成分として広く出回ったXLR-11が規制された後、その後継品として使われてきたものでしょう。
脱法ドラッグでは、こうしたアナログが、次々と出回っています。ところが、化学構造を見比べると、実にそっくりな物質でも、その薬理作用に大きな差が生じることがあり、細部の小さな変化によって、使用者にもたらす作用が強くなったり、逆に弱まったりすることは珍しくないと聞きます。こうした違いに気づかないまま使用した人に、思いがけない中毒症状が発生することになりかねません。
次々に出現するアナログは、合成薬物の宿命ともいえますが、この果てしない連鎖は、いったいどこまで続くのでしょう。脱法ドラッグとのイタチごっこにまだ終点は見えません。

●幻覚性やオピオイド類似薬物など新たな傾向も
上表で[その他]に分類したグループは、わずか3種ですが、その性格は多様です。
まず、番号6番は、以前よく出回った2Cグループの仲間で、特有の幻覚作用が特徴の薬物です。これまで、日本では、幻覚系の薬物はあまり出回らなかったのですが、欧米では、近年、幻覚系の脱法ドラッグが増えていることから、わが国への波及が危惧されます。
また番号7番は、医療用に使われる麻薬のフェンタニルのアナログです。フェンタニルは、モルヒネに代わる麻酔・鎮痛薬として使われる合成薬で、モルヒネよりはるかに強力な作用をもっているため、欧米では乱用も広まり、フェンタニルに関係する急性中毒事故(死亡事故も含む)が多発しています。
番号8番は、ピペラジン系の薬物で、麻薬のBZPのアナログです。ピペラジン系の薬物は、MDMAに代わる脱法ドラッグとして広まったもので、わが国では代表的なものを麻薬に指定しています。
なお、上表に載せた化学構造の一部は、表記の仕方が異なるため、類似性が分かりにくいものもありますが、私の乏しい知識では化学構造を書き起こすことができないため、そのまま掲載しています。

[参照]
①厚生労働省の報道発表(2014年3月25日)
「本日開催した指定薬物部会の審議結果をお知らせします~新たに8物質を指定薬物にします~」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041486.html
②指定予定の物質について
「別紙」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11126000-Iyakushokuhinkyoku-Kanshishidoumayakutaisakuka/0000041485.pdf

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