少年と大麻問題の現状|大麻について子どもと話す、その2

●落ち着いている少年の薬物問題
子どもと大麻の問題を考えるとき、まず踏まえておきたいのは、日本の子どもたちの薬物乱用は、決して憂慮すべき状況ではないという事実です。
かつては社会問題のひとつに挙げられていた少年の薬物乱用は、21世紀に入ったころから、シンナー乱用の急速な減少とともに改善に向かい、現在では、少年のシンナー問題はほぼ終息し、覚せい剤や大麻の乱用も低い水準に落ち着いています。薬物だけではありません。飲酒や喫煙で補導される少年も、急速に減少しているのです。

警察庁の統計によれば、2014年中の大麻取締法違反による検挙人員は、全国で1,761人、そのうち少年(14歳以上20歳未満)はわずか80人で、中学生は3人、高校生は18人でした。近年の改善ぶりには、めざましいものがあります。
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↑薬物事犯少年の送致人員の推移
警察庁の少年非行データ(下記参照①)に基づいて筆者がグラフ化したもの

この現状を踏まえれば、大麻について大騒ぎする必要はないという見方もあるでしょう。でも私はそれほど楽観的になれないのです。

●それでも今後を危惧する理由
日本では、薬物乱用を「違法行為・犯罪」として、厳しい取り締まりを行ってきました。末端乱用者にまで及ぶ厳しい取り締まりは、薬物乱用を抑え込む強力な手段になったのですが、そのいっぽうで、なぜ薬物を使ってはいけないのか、掘り下げて考える機会を奪ってしまった側面もあります。

そこへ、大麻合法化といった世界の動きが、一気に流れ込んできました。
「大麻はなぜ禁止されているの?」
「外国では合法で、日本ではダメなの?」
「ほんとうのことを教えて!」
混乱している子どもたちと一緒に、私たちも大いに悩み、答えを見つけていかなくてはなりません。
幸い、日本では、まだ大麻使用がそれほど広まっていないからこそ、いま、備えをしておかなければならないのです。

大麻は、世界で最も使用者の多い薬物で、世界の大麻使用者は約1億8200万人と推計されています(国連薬物犯罪事務所「世界薬物報告書2015」)。
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↑主要な国の薬物別生涯経験率
厚生労働省サイト内資料「主要な国の薬物別生涯経験率」

先の危険ドラッグ禍を通じて、私たちは、世界の先進国圏で同時に進行する薬物乱用の大きな渦を実体験したところです。いまや、欧米諸国で広がっているものは、たちまち日本に伝わり、同じように広まると考えなくてはなりません。日本だけは安心という状態が、いつまでも続くとは、とても思えないのです。

[参照]
①少年の薬物事犯のデータ
警察庁生活安全局少年課「少年非行情勢(平成26年1~12月)」2015年2月
https://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/hikoujousei/H26.pdf
②厚生労働省サイト内資料「主要な国の薬物別生涯経験率」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/torikumi/dl/index-05.pdf

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この記事へのコメント

猫次
2015年12月17日 10:15
日本の薬物政策は
押してはいけないボタンを出来るだけ意識させない方針と
認識していますけど、
ネットを通じた情報によりどうしても意識するようになるでしょう。
それにより、安易に売人と接触し大麻を購入乱用する人間が増えてもおかしくはない。
私も危惧するところです
日鷲
2015年12月17日 19:19
大麻の有害性の低さが周知の事実となり、国レベルで合法化されるようにもなり、むしろ良い効果(医療など)も見直されている現在において、大麻の乱用を危惧??
もっともらしく心配してみせて、結局以前のままんぽやり方しかできないのなら、結果は見えてます。

どうして現実を見据えないで、古い考え方に拘泥するようにしがみつくのでしょうか。失敗から学習するということをなぜしないのですか?

だいたいそもそも、なぜ大麻の話が、薬物全般の話になるのですか?そういう十把一絡げで考えるからダメなんです。

大人がそんなのじゃ、子供は大人より知恵を付けて、大麻使用の低年齢化は増えますよ。現実に対応できないのなら、ただ能書き垂れるだけです。憂慮している振りだけして、なんの解決も考えていないのと同じです。

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