止まらない危険ドラッグの個人輸入

今年4月1日、関税法の改正によって、指定薬物が輸入禁制品となって以来、横浜税関では、指定薬物輸入の違反摘発が続いています。昨日の読売新聞夕刊によると、改正法施行から6か月で、指定薬物の摘発が650件になったそうです。
今年6月の同税関発表では、改正法施行後、最初の2か月間の違反摘発が255件と伝えられました。法改正が周知されるにつれて、違反も減るだろうと思っていたのですが、予想に反して、その後も摘発件数はあまり落ちていません。
単純に計算すれば、1か月当たり108件、1日当たり3.5件というペースで摘発されていることになります。

<ニュースから>*****
●国際郵便、危険ドラッグ温床に…中国からが最多
海外から届く国際郵便物の8割を扱う川崎東郵便局(川崎市川崎区)内の横浜税関川崎外郵出張所が今年4~9月で、昨年1年の約10倍となる違法薬物約800件を摘発したことがわかった。
4月施行の改正関税法で危険ドラッグが摘発対象となり、件数を押し上げた。手紙や小物を装い、危険ドラッグが大量密輸されている実態が浮かび上がる。
・・・関係者によると、同出張所が改正法施行後の半年で摘発した違法薬物約800件のうち約650件が危険ドラッグ。中国からの密輸が最も多く、欧州経由で届くケースも目立つ。国際郵便は個人利用が多く、大量密輸は少ないが、受取人は全国各地に広がっている。
読売新聞2015年12月01日 17時40分
*****

指定薬物の摘発が続いているのは、横浜税関だけではありません。
昨年、全国の税関での不正薬物摘発は、覚せい剤、大麻、麻薬、向精神薬等すべてを合せて390件でした。ところが、今年は6月の時点で、すでに昨年1年分を上回る479件が摘発されました。2015年の実績がとりまとめられると、おそらく記録的な摘発件数になることでしょう。

この増加をもたらしたのが、指定薬物、つまり危険ドラッグの輸入違反です。
ユーザーが外国のインターネット販売サイトに注文した危険ドラッグは、郵便物、国際宅配便、貨物便と様々な形で発送され、日本に到着しますが、危険ドラッグ販売サイトを利用した場合、郵便扱いで送られてくることが多いようです。
小型の商品が多い危険ドラッグは郵便扱いで送りやすく、またEMSなどでは追跡サービスを利用して配送状況が把握できるため、こうした商品の配送には好都合なのです。

ところで、税関で摘発された指定ドラッグ輸入事犯のなかで、とくに目立っているのが、いわゆる「ラッシュ」です。
「ラッシュ」が指定薬物として規制されたのは2007年のこと(2007年2月28日指定、同年4月1日施行)、規制によって日本国内での「ラッシュ」販売は姿を消し、問題は片付いたかに見えました。しかし、規制後もインターネットを通じた個人輸入は止まらず、それを密売するケースも現れ、散発的に摘発が報じられてきました。

ラッシュが規制されてから、間もなく9年になろうとしています。この間に、いったいどれほどの量がひそかに輸入され、日本国内に出回ったのでしょうか。いま、相次ぐ「ラッシュ」の摘発報道に接して、あらためてその実態に驚いているのは、私だけではないでしょう。

危険ドラッグは、大きな国際市場のなかで動いています。日本国内での販売を規制しても、インターネットを通じて世界中の販売サイトにアクセスすることができるのです。この春の関税法改正で、個人輸入というぬけ穴はかなり塞がれました。でも、税関検査で摘発されるのは、氷山の一角かもしれません。まだ、気を抜くことはできませんね。

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この記事へのコメント

神流美 王井門
2015年12月06日 02:03

今でも米国や他国で普通に販売されるRUSH類。
特に米国では雑貨店を中心に、10ドル程度の安価で売られています。
レジ脇の棚に並んでいるコンビニ(ファミリーマート)も在りました。


そもそも日本で流行した経緯は、まだインターネットの無かった、30年以上前の新宿2丁目カルチャに遡ると思います。

新宿2丁目のランドマークでもあった、トランスジェンダ向け雑貨店が、多品種のRUSHを2千円前後で積極的に販売。

その頃、今では想像出来ない位に大盛況だった新宿2丁目。
週末には道路が人で埋まるほどでした。

この街の盛り上がりとリンクする形で、新たなユーザ層を取り込み、次第に市場拡大したと推察します。

当時の新宿歌舞伎町や、ヨドバシカメラ前のロータリ等は、怖い顔したお兄さんが昼夜集い、一般人が気楽に近づけない独特の雰囲気が有りました。

しかし店舗にソフトな店員を登用した新宿2丁目の雑貨店は、内装のファンシィさも手伝い、敷居が低くて安心安全な、ゲートウェイだったと想像します。

現在の密輸入を断ち切るには、他国での販売も規制して貰う必要が有ると思います。



少年A
2015年12月10日 20:34
なぜ、アメリカで「良い」のに日本では「ダメ」なの?

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