危険ドラッグの国際規制、国連条約に10物質を新たに追加

ヘロインやコカインといった麻薬が、国際的に広く規制されているのに比べ、近年危険ドラッグとして出回っている新しい合成薬物に対しては、国際的なコントロールが大きく立ち遅れてきました。
大麻規制をめぐる論争、そして新たな薬物への対応の遅れなど、停滞、混乱などといった批判も寄せられていた国連麻薬委員会ですが、ようやく、危険ドラッグ規制に一歩踏み出しました。

今年春、ウィーンで開かれた国連麻薬員会(Commission on Narcotic Drugs)の58回会議では、いま国際社会を悩ませている危険ドラッグへの対応が検討され、下記の10物質が、国連条約の規制対象に追加されることが決定され、このたび、規定の経過措置を満了し、下記の10物質に対する規制が発効しました。

今回追加された10物質のほとんどは、近年、危険ドラッグ成分として世界に出回ったものです。今回の追加は10物質にとどまりましたが、世界保健機関(WHO)では、すでに多数の危険ドラッグ成分に対する評価作業が進行しているので、今後も追加が行われることになりそうです。

なお、日本では、今回追加指定された10物質は、すでに麻薬に指定されています。今年10月にAH-7921など4物質を麻薬に格上げ指定したことで、条約発効への準備は完了しています。

■1961年の麻薬単一条約・スケジュールⅠに追加
①AH-7921
危険ドラッグとして出回ったオピオイド系の合成麻薬AH-7921が、単一条約のスケジュールⅠに追加され、ヘロインやコカインと同じレベルで規制されることになりました。
日本では流通品からの検出例はそれほど多くないのですが、2013年6月に指定薬物に指定された後、麻薬に格上げ指定(2015年10月2日)され、現在は麻薬として法規制の対象となっています。

■1971年の向精神薬条約・スケジュールⅠに追加
②25B-NBOMe 
③25C-NBOMe
④25I-NBOMe
ごく少量で強い幻覚作用をもたらすNBOMe系の3物質が、向精神薬条約のスケジュールⅠに追加されました。
日本では、いずれも指定薬物に指定された後、麻薬に格上げ指定(2015年10月2日)され、現在は麻薬として法規制の対象となっています。

■1971年の向精神薬条約・スケジュールⅡに追加
⑤ Mephedrone(メフェドロン)
⑥ BZP(ベンジルピペラジン)
⑦ JWH-018 
⑧ AM-2201 
⑨ MDPV 
⑩ Methylone(メチロン) 
合成カンナビノイドのJWH-018やAM-2201、バスソルトの代表的な成分として出回ったメフェドロン、MDPV、メチロンなど、今次の危険ドラッグ流行期に世界中に広く流通した物質が、追加されました。合わせて、これまで国際コントロールの対象になっていなかったBZPも規制対象になっています。
いずれも日本では、すでに麻薬として規制されています。

[参照]
国際麻薬統制委員会International Narcotics Control Boardの規制物質リスト
■いわゆるイエローリスト・・・1961年の単一条約による規制物質・2014年改定版
List of Narcotic Drugs Under International Control
http://www.incb.org/documents/Narcotic-Drugs/Yellow_List/53rd_Edition/YL-53rd_edition_EN.pdf
■いわゆるグリーンリスト・・・1971年の向精神薬条約による規制物質・2015年改訂版
List of Psychotropic Substances under International Control(26版)
http://www.incb.org/documents/Psychotropics/green_lists/green_list_2015/Green_list_ENG_2015_new.pdf

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