メールで運び屋募集|覚せい剤密輸事件
覚せい剤密輸の運び屋の募集に、新たな手法が登場しているようです。
6月28日、愛知県の中部国際空港に到着した2人の旅行客の手荷物から、相次いで大量の覚せい剤が発見されました。
<ニュースから>*****
●覚せい剤密輸容疑、2人逮捕=メールに応じ、中国から運搬―愛知県警
メールで誘われて中国を訪れ、覚せい剤を隠した荷物を日本に運んだとして、愛知県警は16日までに、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)容疑などで札幌市南区・・・、自営業G容疑者(59)と熊本市西区・・・、無職S容疑者(54)を逮捕した。
G容疑者は「薬物が入っていると思わなかった」と容疑を否認し、S容疑者は認めているという。
県警薬物銃器対策課によると、2人は面識がなく、いずれも「資金提供するので中国に来て」などと英語で書かれたメールがパソコンに届いて渡航。それぞれ現地で会った人物から金を受け取る約束をした後、荷物を渡されたと説明している。
運ばれた覚せい剤は計約10キロ(末端価格約7億2400万円)で、税関職員が発見した。日本に到着後、渡す相手を指示される予定だったという。同課は同じ密輸組織が関与したとみている。
時事通信 7月16日(木)21時32分配信
*****
名古屋税関の発表によると、香港から帰国したG容疑者が持ち込んだ段ボール箱には、卓上スピーカー32個に小分けした覚せい剤約4.4キロ。いっぽう上海から帰国したS容疑者の黒色ソフトスーツケースからは、リュックサック3個の背当て部分に隠匿した覚せい剤約6キロが見つかったということです(下記参照)。
2人は互いに面識がなく、渡航先も、搭乗便も異なるのですが、捜査の過程で浮かび上がった、2人を結びつける意外な共通点は、パソコンに届いた英文メールでした。
実は、同じような話は以前からありました。外国の薬物密輸グループに利用されて、日本に覚せい剤を運搬させられた外国人の事件で、最初のきっかけが、見知らぬ人物からのメールだったという例が、いくつもあるのです。パソコンに送られてくるメールや、ツィッターなどのSNSを介した通信などで、「いい仕事がある」と誘われ、つい興味を覚えて返事を返した瞬間から、彼らは犯罪組織に次第に取り込まれていったのです。
見知らぬ相手からのメールで、いきなり密輸グループに取り込まれてしまうのか・・・。こうした事件に接して、私も最初はいささか信じがたい思いがしたものです。しかし、実際の事件を担当して、詳細に事情を追っていくうちに、少しずつわかってきたことがあります。
最初のメールに返信して以降、何度も同じ相手と通信をかわし、いろんな情報をやりとりするうちに、最初は荒唐無稽に思えた話が次第に真実味を帯びてきて、「ちょっと怪しいけど、おいしい話」に変わってしまうことがあるようです。
相手が持ちかけてくるシナリオは、実に多様です。外国の親せきが自分に遺産を残した、外国の知り合いに貸した金を取り立てる、なかには、秘密の財産があるが特殊な化学処理をされていて取り出せない、それを解除する特殊な薬剤を取ってきてくれたら、財産の半分を進呈するなどというものもありました。
いずれも、冷静な第三者がみれば、いかにも怪しい話です。でも、時にはこんな話に誘われて、つい、外国まで誘い出されてしまう人たちもあるのです。
密輸に誘い込まれた人たちの多くが、相手とやりとりする過程で、何度かは、心のアンテナに引っかかるものが生じたことでしょう。そのとき、だれか冷静な第三者に声をかけていれば、こんな事態になるまえに防止できたのに、と痛切に思います。
得体の知れない密輸組織に対する恐怖心があるかもしれませんが、実のところ、密輸組織にとってリクルート途中の運び屋候補は、いつでも切り捨て可能な、トカゲの尻尾にすぎません。やりとりを中断した相手の口を封じる必要もないのです。
怪しげなメールは、私のところにもたくさん舞い込みます。英文も、日本語のメールもあります。
もし、あなたの周囲に、こんな誘いに乗りかかったひとがいたら、どうか一言声をかけてあげてください。「その話、ちょっと怪しいよ。」
[参照]
名古屋税関の報道発表
覚醒剤密輸入事件(2件)を告発(平成27年7月16日発表)
http://www.customs.go.jp/nagoya/mituyu/tekihatu/tekihatu2015.html#270716
6月28日、愛知県の中部国際空港に到着した2人の旅行客の手荷物から、相次いで大量の覚せい剤が発見されました。
<ニュースから>*****
●覚せい剤密輸容疑、2人逮捕=メールに応じ、中国から運搬―愛知県警
メールで誘われて中国を訪れ、覚せい剤を隠した荷物を日本に運んだとして、愛知県警は16日までに、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)容疑などで札幌市南区・・・、自営業G容疑者(59)と熊本市西区・・・、無職S容疑者(54)を逮捕した。
G容疑者は「薬物が入っていると思わなかった」と容疑を否認し、S容疑者は認めているという。
県警薬物銃器対策課によると、2人は面識がなく、いずれも「資金提供するので中国に来て」などと英語で書かれたメールがパソコンに届いて渡航。それぞれ現地で会った人物から金を受け取る約束をした後、荷物を渡されたと説明している。
運ばれた覚せい剤は計約10キロ(末端価格約7億2400万円)で、税関職員が発見した。日本に到着後、渡す相手を指示される予定だったという。同課は同じ密輸組織が関与したとみている。
時事通信 7月16日(木)21時32分配信
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名古屋税関の発表によると、香港から帰国したG容疑者が持ち込んだ段ボール箱には、卓上スピーカー32個に小分けした覚せい剤約4.4キロ。いっぽう上海から帰国したS容疑者の黒色ソフトスーツケースからは、リュックサック3個の背当て部分に隠匿した覚せい剤約6キロが見つかったということです(下記参照)。
2人は互いに面識がなく、渡航先も、搭乗便も異なるのですが、捜査の過程で浮かび上がった、2人を結びつける意外な共通点は、パソコンに届いた英文メールでした。
実は、同じような話は以前からありました。外国の薬物密輸グループに利用されて、日本に覚せい剤を運搬させられた外国人の事件で、最初のきっかけが、見知らぬ人物からのメールだったという例が、いくつもあるのです。パソコンに送られてくるメールや、ツィッターなどのSNSを介した通信などで、「いい仕事がある」と誘われ、つい興味を覚えて返事を返した瞬間から、彼らは犯罪組織に次第に取り込まれていったのです。
見知らぬ相手からのメールで、いきなり密輸グループに取り込まれてしまうのか・・・。こうした事件に接して、私も最初はいささか信じがたい思いがしたものです。しかし、実際の事件を担当して、詳細に事情を追っていくうちに、少しずつわかってきたことがあります。
最初のメールに返信して以降、何度も同じ相手と通信をかわし、いろんな情報をやりとりするうちに、最初は荒唐無稽に思えた話が次第に真実味を帯びてきて、「ちょっと怪しいけど、おいしい話」に変わってしまうことがあるようです。
相手が持ちかけてくるシナリオは、実に多様です。外国の親せきが自分に遺産を残した、外国の知り合いに貸した金を取り立てる、なかには、秘密の財産があるが特殊な化学処理をされていて取り出せない、それを解除する特殊な薬剤を取ってきてくれたら、財産の半分を進呈するなどというものもありました。
いずれも、冷静な第三者がみれば、いかにも怪しい話です。でも、時にはこんな話に誘われて、つい、外国まで誘い出されてしまう人たちもあるのです。
密輸に誘い込まれた人たちの多くが、相手とやりとりする過程で、何度かは、心のアンテナに引っかかるものが生じたことでしょう。そのとき、だれか冷静な第三者に声をかけていれば、こんな事態になるまえに防止できたのに、と痛切に思います。
得体の知れない密輸組織に対する恐怖心があるかもしれませんが、実のところ、密輸組織にとってリクルート途中の運び屋候補は、いつでも切り捨て可能な、トカゲの尻尾にすぎません。やりとりを中断した相手の口を封じる必要もないのです。
怪しげなメールは、私のところにもたくさん舞い込みます。英文も、日本語のメールもあります。
もし、あなたの周囲に、こんな誘いに乗りかかったひとがいたら、どうか一言声をかけてあげてください。「その話、ちょっと怪しいよ。」
[参照]
名古屋税関の報道発表
覚醒剤密輸入事件(2件)を告発(平成27年7月16日発表)
http://www.customs.go.jp/nagoya/mituyu/tekihatu/tekihatu2015.html#270716
この記事へのコメント
まさに国家によるアホ量産ですね。
国家の都合のいいように人を育てるということはそういうことです。
表の企業、裏の企業、違いは法律に守られているかどうか。
法律は表の企業によって作られた。
裏の企業は法律という縛りの中で一攫千金を狙える。
国民を守るための憲法も、金儲けのために壊された。
発見された、これ等のスーツケースは、現地空港受付カウンタで、チェクイン時にドロップした『預け入れ手荷物』が多いのではと想像します。
ハンドキャリ『機内持ち込み』手荷物の場合は、発見される機会が少なくなり、持ち込まれる可能性がより高いと思われます。
ハンドキャリの場合、荷物容積、重量、寸法に厳しい制限が有りサイズオーバすると、特に欧州系のエアラインでは、ボーディングブリッジ付近で、高額な持ち込み料金を要求されます。
文字通り手荷物サイズです。
人気の菓子類土産物は、アジアの主要空港では通関時に開封を要求されます。
しかし国内空港の通関時には、菓子類土産物の開封要求は殆ど有りません。
通関時には渡航先の『モラルの差分』が、存分に現れと思います。
追記
過去に未遂も含め、テロ脅威に遭遇した欧米先進国の空港では通関時、特に液体物に関し厳しく扱われます。
例えばシャンプー等を規定量の容器へ移しても、規定サイズのビニール袋へ入ってない場合には、手荷物開封と容器がピッキングさら時間をかけて中身を調べられます。
トランジット時に通す手荷物検査時も同様で、度々開封要求があります。
手荷物開封検査を徹底的に行わない先進国は、日本だけかもしれません。
税関職員増強のニュースを見ますが、違法薬物持ち込み、テロ等の危機管理という観点では、対応に欧米先進国と解離している様に思います。
国内便はさらに手荷物検査が簡略化されています。
そろそろ高感度センサ等を検査に用いる、手荷物検査高度化対策が必要ではと実感します。
黒幕は誰なのかわかっていても、実行犯がいなくなれば証拠がでないから知らん顔してさあ。
嫁ブサイク娘ブサイクどんな取り柄があるんだか!って思える奴もいるぜ。家族仲良くして利用されないようにしようぜ。
庶民は分断されて真実を隠蔽されているよ。
ケンカの強いジャイアンの言うとおりに情報を捻じ曲げて
いるだけなんだよな。嫁ブサイク娘ブサイクなうえに千に三つくらいしか真実を言わない。それが富裕層だ!
本当に偉いのは真っ当な庶民さ!
デモに参加して捕えられてはいけませんのでこの場をお借りして抗議活動をしております。まつした せいこ