薬物・アルコール・タバコすべて減少|米中高生調査

米国では、少年の薬物使用をめぐって、大麻、処方薬、そして危険ドラッグの乱用が懸念されていましたが、最新の中高生調査では、そのいずれもが好転の兆しを示したようです。これで、長期的に減少し続けているアルコール、タバコ、そして薬物とすべての分野で減少トレンドとなりました。ただし、電子タバコの意外な増加が気になりますが・・・。
この明るいニュースを伝えているのは、全米の中高生を対象にしたアルコール・薬物に関する実態調査、モニタリング・ザ・フューチャー調査(MTF調査)の2014年版速報です。米国の薬物問題研究機関NIDAのサイトに載った、速報記事に沿って、その概要を紹介します。

●大麻使用の増加がとまった
娯楽用大麻の販売をめぐって議論が続いているなかで、ここ数年来、MTF調査でも大麻の使用率がじわじわと増加し続けていましたが、その傾向もようやく峠を越し、減少に転じたのかもしれません。過去1か月以内の使用率が、中2(第8学年)で6.2%、高1(第10学年)で16.5%、高3(第12学年)では21.2%と、依然として高水準ではありますが、ここ数年続いていた増加傾向に歯止めがかかったことは、大きな一歩です。
しかし、不安材料がないわけではありません。大麻の入手がとても簡単だと答える少年の割合はどんどん増え、高3では81%に達しました。いっぽう大麻使用の有害性を深刻に受け止める割合は、次第に減っています。少年たちの大麻に対する警戒感が次第に薄れてきているようで、近い将来、大麻使用は再び増加し始めるかもしれないのです。
そういえば、少年の喫煙率が一貫して減少し続けているいっぽうで、大麻使用が高水準を維持していることで、少年の間では、タバコより大麻の使用者の方が多いという現象が、ここ数年、定着しています。
画像

↑過去1カ月間のタバコ、大麻の使用率1975-2014年・高3
NIDAの下記サイトから転載
グラフ中の ・オレンジ色の線はタバコ ・青色の線は大麻 の使用率です

●処方薬乱用も改善
米国では、青少年を中心とした処方薬乱用の広がりが深刻な様相を呈しています。本来は重篤な病状を緩和するために医師の処方で使われるはずの処方薬が、患者以外の人の手に渡り、乱用薬物として使われているのです。処方薬の過量摂取(オーバードーズ)による年間の死亡者数は、コカインとヘロインによる死亡者数の合計を上回っています。
さて、MTF調査で処方薬乱用がピークに達したのは2004年のことで、麻薬系鎮痛剤(ヘロインを除く)の使用率が高3で9.5%を記録しましたが、それからおよそ10年、乱用状況は少しずつ改善してきました。2013年に急増したアデラール(中枢興奮薬)の濫用も2014年では減少に転じました。
しかし、下のグラフでもわかるように、MTF調査では処方薬の項目を細かく区分しているため、これらを1項目にまとめて考えるとすると、処方薬トータルでは驚くほど高い使用率になり、問題は依然として深刻な状況にあるといえます。
画像

↑高3の処方薬使用 過去5年の推移
NIDAの下記サイトから転載
 折れ線グラフの上から ・ヘロイン以外の麻薬 ・vicodin(鎮痛薬) ・アデラール(興奮薬) ・トランキライザー ・oxicontin(鎮痛薬) ・アンフェタミン剤 ・鎮静薬

●危険ドラッグの状況
米国で「合成大麻」と呼ばれる危険ドラッグが、初めてMTF調査の項目に加わったのは2011年のこと。最初は高3だけの調査でしたが、過去1年の使用率が10%を超えるという結果に、関係者は衝撃を覚えたことでしょう。しかし、その後連邦政府や各州での対策が進むとともに使用率は低下し、今回は高3で5.8%となりました。決して低い値ではありませんが、とりあえず前回調査よりはやや減少しました。

モニタリング・ザ・フューチャー調査は、1975年から続けられ、中3、高1、高3生徒を対象に薬物、アルコール、タバコ使用について調査するもので、2014年では全米の337校で41,551人の生徒が対象になりました。
使用実態については、●過去1ヶ月間、●過去1年間、●これまでに1回以上、特定の薬物などを使用したかどうかなどが質問され、集計されています。

[出典]
The National Institute on Drug Abuse(NIDA)のサイトから
①Teen prescription opioid abuse, cigarette, and alcohol use trends down(December 16, 2014)
http://www.drugabuse.gov/news-events/news-releases/2014/12/teen-prescription-opioid-abuse-cigarette-alcohol-use-trends-down
②Overview of Findings 2014
http://www.drugabuse.gov/related-topics/trends-statistics/monitoring-future/monitoring-future-survey-overview-findings-2014

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック