昨日11月25日、およそ1年前に公布されていた薬事法の改正法が施行され、法律の題名が「薬事法」から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変わりました。 ***** 薬事法等の一部を改正する法律(平成25年11月27日法律第84号) 第1条 薬事法(昭和35年法律第145号)の一部を次のように改正する。 題名を次のように改める。 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 ***** ところで、この長い名称の略称は、「医薬品医療機器法」ということになりそうです。でも、先日受け取った解説図書のDMには「薬事法」から「薬機法」へと記載されていました。なるほど、これなら覚えやすい。 法律の題名が変わることは、べつに珍しいことではありません。 最近では、2013年春に旧「障害者自立支援法」が「障害者総合支援法」と名を改め、内容も拡充されました。また、今国会で改正が見送られた労働者派遣法は、2012年に旧「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改正されました。 法律の題名が変わる場合、たいていは、旧題名の一部が変更されるだけなので、それほど戸惑うこともないのですが、今回の薬事法改正では、題名がまったく変わってしまいました。 そういえば、今春刊行された当年度版の六法全書を開いたとき、「薬事法」の項目が見当たらずに、しばし戸惑ったことを思い出しました。法改正で題名が変わるのだと、何とか思い当ったものの、さて、新しい題名は何だったか・・・と資料をあれこれ探しまわったものです。 「薬事法」の名が生まれたのは、太平洋戦争中の1943(昭和18)年のこと、厳しさを増していく戦時体制下で、医薬品統制のための臨戦法として「薬事法」が制定されました。その後、終戦後の1948(昭和23)年、戦後の薬事制度の基本法が制定されましたが、「薬事法」の題名はそのまま引き継がれました。 現行法が制定されたのは1960(昭和35)年です。このころの日本は、国民皆保険制度の導入(1961年)を控え、また製薬業界が急成長し始めるなど、本格的な復興期を迎えていましたが、その反面では、医薬品の乱売騒動、サリドマイド禍、スモン禍などの社会問題にも見舞われていました。 復興日本の国民生活を健康面から支えるために、新たな法律が制定されたのですが、ここでも、「薬事法」の題名はそのまま引き継がれました。 戦時下から戦後にかけて、わが国の医薬品行政は大きく変貌し、法律も何度も改廃されましたが、いかにも国の医薬品行政の基本法にふさわしい「薬事法」という題名だけは、70年余にわたって変わることなく受け継がれてきたわけです。 しかし、技術革新がめざましい勢いで進展している医療や医薬品の分野では、法律も、環境変化に合わせて急速に変わっていかなければなりません。今回の題名改正は、まさに、変化の大きさを象徴したものなのでしょう。 とはいえ、新しくなった「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、この長い名前が、私の脳にしっかり定着するのに、いったいどのくらいの時間がかかることでしょうか。しばらくは、頭痛の種になりそうです。 ちなみに、私は、個人的には「医薬品等安全法」という略称がよいと思うのですが、妻からは顰蹙をかっています。 |
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>そういえば、今春刊行された当年度版の六法全書を開いたとき、「薬事法」の項目が見当たらずに、しばし戸惑ったことを思い出しました。 |
滅智蓮寺 熾 2014/11/27 11:38 |
今更の感はありますが糖尿病患者のほとんどの方が使っていない注射器をインシュリン用として販売してた大手医療機器メーカはそれを最近では中国へ輸出していると聞きさすが医療関係の大手は日本だけではなく諸外国にもそういった非常に便利でつきやすい機器を輸出して人間の健康のため何でもやっていいのだなあとつくづく感心しておりました |
なるみん 2014/11/30 09:30 |
>糖尿病患者のほとんどの方が使っていない注射器をインシュリン用として販売してた |
滅智蓮寺 熾 2014/12/01 07:18 |
日本初!集団ストーカー周知のための看板が出来ています。大阪 芦屋で街宣活動していますね。 |
集団ストーカー撲滅 周知活動 2014/12/08 16:58 |
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」については、14年当初、既に「医薬品医療機器等法」という公式略称名がありますが、行政内(厚労省内)ではより簡略した「薬機法」と呼ばれています。 |
piyoko 2015/02/13 17:23 |
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