中毒事故の集中発生にどう手を打つ?|危険ドラッグ対策

「ハートショット」という危険ドラッグ製品によると疑われる死亡事故が、9月中旬からの2週間ほどの間に、各地で連続発生していたことがわかりました。中毒事故の多発を警戒した警察庁が、全国の警察に報告を求めたところ、この製品によると思われる死亡事故の集中発生が浮かび上がったということです。
この製品がまだ市場で流通していたり、ユーザーの手元に残っているかもしれません。皆様、ぜひ、下記のニュースをご覧ください。

<ニュースから>*****
●2週間余りで9人死亡、強力な危険ドラッグ出回る
危険ドラッグが原因で死亡したとみられる人が全国で相次いでいますが、先月中旬からの2週間余りで、9人が死亡したとみられる強力な危険ドラッグが出回っていることがわかりました。警察庁は、吸引すると死亡する可能性があるとして、警戒を強めています。
危険ドラッグの中でも特に危ないとみられるのが、この「ハートショット」です。警察庁は、危険ドラッグによる事件や事故が相次いだことから、全国の警察に危険ドラッグを吸引したことが原因で死亡したとみられるケースを報告するよう求めていました。
その結果、今年1月から先月末までに全国で74人が死亡したとみられることがわかりました。死亡した74人は、様々な種類の危険ドラッグを吸引したとみられますが、中でも際だって多かったのが、問題の危険ドラッグ「ハートショット」です。
先月15日に埼玉県で死亡した男性をはじめ、今月1日までの17日間に、1都4県で9人が「ハートショット」を吸引して死亡したとみられることがわかりました。2日に1人が死亡している計算です(以下省略)。
TBS系(JNN) 10月17日(金)12時5分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20141017-00000032-jnn-soci
*****

●事態の把握に1か月以上を要する現実を何とかしなくては
それにしても、たまたま警察庁が調査するという機会がなかったならば、この重大な被害状況が、把握すらされないまま放置されたかもしれないと考えると、気が重くなってしまいます。「危険ドラッグ」と呼んでその危害をアピールしながらも、実際に目の前で発生している重大な危害にも気付かない、この現状に苛立ちさえ感じます。

中毒事故に関連して「ハートショット」の製品名が出たのは、9月中旬のこと。札幌市内の販売店で危険ドラッグを購入した客に中毒事故が相次ぎ、9月11日から17日の6日間に、購入客12人が、吸引後に、交通事故を起こしたり、救急搬送され、中には一時心肺停止になった客もいたと伝えられました。9月19日付の毎日新聞記事は、販売店名とともに「ハートショット」の製品名を報じていました(下記参照①)。
このころまでには、少なくとも札幌中央署の内部では、この製品の危険性が把握されていたはずです。

しかし緊急の対策は取られなかったようです。今回報告された9件の死亡事故のほとんどは、札幌の事件が報じられた後で発生しています。おそらく、その背後には、多数の救急搬送や警察官による保護事案などもあったことでしょう。札幌での集中的な中毒発生に対応して、事態を素早く把握し、早急な対応がとられていたなら、このように死亡事故の集中的な発生を防ぐことができたかもしれないと思うと、残念でなりません。

何が欠けていたのか、具体的に挙げておきます。
何よりも、薬物関連の中毒事故を監視し、情報を集約して関係機関に発信するシステムが全くない、いまの日本の状況が問題なのです。薬務当局、警察、救急医療など、多様な機関に分散している情報をとりまとめ、動向を監視する体制がなければ、緊急対策を講じることなどできません。
もしも、札幌で起きた中毒の集中発生の情報が、各地の関係機関で共有されていたなら、各地で発生した個々の死亡事故や救急搬送例が、一連の関連事案として早期に把握、対策が講じられていたはずです。

特定製品に関連すると疑われる中毒事故が多発した時には、まず大急ぎで、新たな被害の発生を食い止める措置を講じなければなりません。今回のように、広い地域で販売されていた製品の場合は、できるだけ早く、ユーザーに直接届く危険情報を発信する必要があるのです。
当ブログでは、札幌事件に関して、こうした緊急事態の発生時に望まれる危険情報のあり方について、私なりの考えをまとめました。過去記事をぜひご参照ください(下記参照②)。

とにかく、状況を把握するだけで1カ月以上かかってしまう、この現状を何とかしなければなりません。
いま、街で販売される危険ドラッグは、ますます危険度を高めているように思われます。製造業者は、送り出している製品の安全性に注意を払うことなく、法規制をかわすことに汲々としています。また、薬物の刺激に慣れるとともに、より強い刺激を求めがちなユーザーの嗜好も、危険ドラッグをさらに危険な方向へ導いているようです。
このように、とくに危険な製品が流通し、中毒事故が集中発生するおそれは、いまの危険ドラッグ市場に充満しています。対応策がないまま、みすみす被害の拡大を許してしまう事態だけは、なんとか食い止めなくてはなりません。

[参照]
①札幌の事故集中発生を報じた新聞記事
毎日新聞「危険ドラッグ:札幌のハーブ販売店 購入客1人が心肺停止」2014年9月19日
http://mainichi.jp/select/news/20140919k0000m040159000c.html
②ブログ内過去記事
「危険情報の発信を|札幌で危険ドラッグによる中毒続発」2014/09/23
http://33765910.at.webry.info/201409/article_10.html

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