危険ドラッグ対策を問い直す・シリーズ2

<危険ドラッグ条例・最近の動き>
■鳥取県
 条例改正案可決、製品名等による規制対象への指定も可能に(2014.10.14)
 「鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例」
■愛媛県
 県条例の骨子案を公表、意見募集を開始(2014.10.10)
・骨子案:愛媛県薬物の濫用の防止に関する条例(案)の概要
 http://www.pref.ehime.jp/comment/26-10-09yakumueisei/summary.html
■宮城県
 議員提案へ向け検討との報道(河北新報 2014.10.10)
■福岡県
 条例案、超党派で議員提案との報道(読売新聞福岡版2014.10.8)
■石川県
 条例可決(2014.10.2)、条例公布、一部施行(2014.10.6)
 「石川県薬物の濫用の防止に関する条例(石川県条例第38号)」
 広報:石川県広報・平成26年10月6日
 http://www.pref.ishikawa.lg.jp/soumu/koho/1410/documents/261006g-83.pdf
■兵庫県
 条例案可決、12月1日施行予定、知事監視店舗に誓約書などを義務づけ(2014.10.6)
 「兵庫県薬物の濫用の防止に関する条例」
■静岡県
 知事が条例制定の方針との報道(静岡新聞2014.10.4等)
■東京都
 条例改正案可決、警察官単独での立入調査、知事指定薬物への緊急指定など(2014.10.3)

画像

↑危険ドラッグ条例の導入状況(2014年10月15日現在)
小森榮まとめ

●成分を特定しない規制はどこまで可能か
いま相次いで成立している条例では、規制を開始する時点で化学的に成分を特定しなくても、外形的な特徴に基づいて規制対象を指定する方式をとる例が目立っています。
たとえば、石川県は独自の規制対象カテゴリーとして「知事監視製品」を定め、その指定に当たって「当該製品に関する次に掲げる情報を総合的に勘案して、吸入、摂取その他の方法により身体に使用されるおそれがあるものを指定することができる(9条)。」としていますが、同条には、勘案すべき情報として、①名称、②容器又は被包における表示、③販売場所及び販売方法、④広告(インターネットによるものを含む。)、⑤吸入等の方法により身体に使用したことを原因とする保健衛生上の危害の発生に関する情報であって、医療機関等から得たもの、などが具体的に列記されています。
「鳥取県(2013年に条例導入)が最近の改正案に盛り込んだ「知事指定候補薬物」の場合も、同じように「名称、形状、表示内容、販売方法その他の情報から、知事指定薬物の指定を検討する物を知事指定候補薬物に指定することができる(9条3項)。」とされています。
また、兵庫県が導入準備中の「知事監視店舗」も、規制対象物質を特定しないという考え方を共有していると考えてよいでしょう。

この流れは、2012年に和歌山県が条例を制定する際に採用した「知事監視製品」が原型で、独自性が感じられるだけでなく、未規制物質を特定し、その有害性を評価する機能が必ずしも十分でない自治体の実情にも適合していることから、その後、2014年になって新たな条例制定の波が動き始めた際に、注目されているものです。

このタイプの規制手法は、一般に「成分を特定しなくても規制できる仕組み」と受け取られています。
たしかに、規制を導入する時点では、化学的な方法で物質を特定し、その有害性を評価する必要がないように見えます。
しかし、いずれの場合も規制対象の前提として、「濫用されることによって、興奮、幻覚、陶酔その他これらに類する作用を人の精神に及ぼす、又は及ぼすおそれがある物(和歌山県2条1項7号)」「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。以下同じ。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(石川県2条1項7号」といった規定があることに留意しなければなりません。
興奮、幻覚、陶酔などの特異な精神作用が特定の製品に由来するものだと認めるためには、やはり成分を特定し、その薬理作用や毒性などを検討しなければならないのではないでしょうか。

こうした規制方法の妥当性、あるいは問題点について、次回以降でさらに続けます。

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