天神暴走事件、ようやく進展

今年2月、福岡市の繁華街で発生した、いわゆる天神暴走事件をご記憶の方も多いでしょう。混雑する交差点付近で、突然割り込んできた1台の車が、次々に周辺の車10台に衝突しながら暴走し、12人にけがを負わせたという、いかにも異様な事態でした。
たまたま通行人が録画した動画がニュースで流れたことから、一時は話題を呼んだ事件ですが、警察による捜査がなかなか進展しないまま、いつの間にか忘れられようとしていました。

<ニュースから>*****
●危険ドラッグ吸引で運転=福岡・天神の事故、男逮捕-県警
福岡市中央区天神で2月、普通乗用車が車10台に衝突するなどして12人が重軽傷を負った事故で、福岡県警交通捜査課などは9日、危険ドラッグを吸って運転していたとして、危険運転致傷容疑で、会社経営のA容疑者(37)=福岡市南区多賀=を逮捕した。「事故を起こしたのは間違いないが、故意に吸ったのではない」と容疑を一部否認している。
時事通信(2014/10/09-12:06)
*****

産経ニュースによると、同乗者が所持していた植物片から4種類の成分が検出され、被疑者の血液からはこのうち2種類が検出されたということです。被疑者から検出された2種は、事故後の7月に規制されたものだといいますから、池袋暴走事件で検出された後、緊急指定された2種の合成カンナビノイドなのでしょう。

事故当時は、これらは未指定の薬物であり、分析・同定に手間取った事情は推測できますが、それにしても検挙に踏み切るまでに時間がかかりました。
危険ドラッグ関連事件では、未知の成分が関係していることが多く、化学分析、薬理作用の解明などに、通常の薬物事件とは比較にならない困難がつきまといます。全国の捜査機関や厚生労働省などの間でデータの共有をさらに進めることができれば、もう少し早い進展も可能だったのではないかと、残念な思いが残ります。

実は、天神暴走事件の前後には危険ドラッグ関連の交通事件が続発しており、今年1月には香川県で、5月には長野県で悲惨な死亡事故も発生していたのですが、世間の関心が大きく盛り上がることなく過ぎていました。今振り返れば、天神暴走事件は、危険ドラッグによる交通事件を象徴するものだったのですが、その教訓が存分に生かされないままになっていました。
不幸にして事故が起きてしまったうえは、適切な時期に適切な捜査が行われなくてはなりません。一罰百戒、個々の事件を適切に処理することは、必ずや多くの事件の未然防止につながります。
ようやくレールに乗ったこの事件の捜査の成り行きに、注目しておきたいと思います。

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この記事へのコメント

滅智蓮寺 熾
2014年10月11日 13:37
あのー、今回逮捕された人って、本人の主張では、「同乗者が吸っていたのが、自分に影響を及ぼした」ということだったと思うのですが、今回のブログ記事でそれに触れられていないということは、100%この言い訳は嘘であるとご判断されてるということなのでしょうか?

確かに副流煙によってここまでの事故が起きるという可能性は少ないでしょうが、同乗者の薬物耐性を考えると、ありえない話でもないかなと思います。
たとえばモルヒネは薬用量が5~10mgですが、乱用者はその1000倍の5gに達する場合があります(ちなみに一般人の致死量は300~400mgです)。

>池袋暴走事件で検出された後、緊急指定された2種の合成カンナビノイドなのでしょう。

カンナビノイドがモルヒネなどの麻薬類のようにこれほどまでに耐性が付きやすいのかどうかはわかりませんが、車内という狭い空間である以上、同乗者の吐いた煙が原因でこうなった可能性を、警察は十分に吟味しているのだろうかと気になりました。

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