次の目標はインターネット販売 | 危険ドラッグ対策

危険ドラッグ販売店に対して、この夏以来、集中的な取り締まりが行われた結果、各地で店舗数の減少が報告されています。でも、ひとたびは廃業した販売業者が、間もなく、新たな店を開いたようだという噂も、ちらほら聞こえてきます。
さらに、店舗を閉めた業者が、デリバリー販売やインターネット販売へ衣替えして、相変わらず危険ドラッグ販売をしている例も少なくないようです。
店舗販売業者が減少に向かい始めたこの時期、次の重点目標は、インターネット上の危険ドラッグ販売サイトということになるでしょう。

店舗と比べて取り締まりの手が及びにくいため、これまで、インターネット上の販売サイトはとかく放置されがちでした。買上げ調査などによって、ときおり指定薬物を含む製品の販売が明らかになるのですが、買上げ品の成分分析に時間がかかるため、違反が明らかになる頃には問題の製品はすでに販売を終了していることが多く、違反業者に対する取締まりに直結させることが困難だったのです。
そのせいか、指定薬物への新規指定が行われ、店舗業者のほとんどが販売商品を入れ替えた後も、旧商品を販売しているサイトも目につきました。

でも、この状況も変わり始めたようです。この夏以来、警視庁と厚生労働省は、指定薬物への新規指定が行われたタイミングで、新たに指定された成分を含む疑いのある製品を販売しているサイトを特定し、接続業者などに対して削除要請する作戦を展開しています。

<ニュースから>*****
●警視庁、13サイトの削除要請 危険ドラッグ販売で
厚生労働省が指定薬物を追加したことを受け、警視庁サイバー犯罪対策課は危険ドラッグを販売していた13サイトについて、東京などのレンタルサーバー運営の十業者に削除要請した。
削除要請は9月29日。厚労省が7~9月、薬事法に基づき、販売などを禁じる指定薬物に追加した37物質を売る13サイトが対象になった。
2サイトは全体が削除、1サイトは該当製品が削除された。
同課はこれまでにも、37サイトについて削除要請。このうち33サイトは全体が削除、3サイトは指定薬物を含む製品が削除された。
1サイトは指定薬物を含む製品を削除したものの、海外のサーバーに移転して継続している。
東京新聞2014年10月4日
*****

いっぽう厚生労働省は、10月3日付の報道発表で、9月19日指定の14物質を含む疑いがある製品を販売する83サイトについて削除要請を行い、うち65サイトが閉鎖または危険ドラッグの購入不可になったと報告しています(下記参照①)。
・疑い製品の販売サイトに対して削除要請・・・・・・・・83サイト
・閉鎖または商品の購入ができなくなった・・・・・・・・65サイト
(警視庁発表分とのダブりあり)

従来は、製品を分析して違反を確認してから取り締まりを行っていたのですが、新方式では、新たに指定された成分の含有が確認された製品と名称やパッケージが同一のものを「指定薬物である疑いがある物品」ととらえ、これを販売する業者について削除要請を出しているようです。
これは、店舗販売業者に対して、「指定薬物である疑いがある物品」について検査命令を発し、検査がすむまでその製品の販売を禁止するのと、よく似たやり方です。
たしかに、新方式で動き始めてから、従来はなかなか手が及ばなかったインターネット販売サイトに対して、次々に削除要請が行われるようになりました。

しかし、この新方式にも、万全とは言い切れないところもあります。
薬事法は、「指定薬物である疑いがある物品」を発見した場合に、検査を命令し検査結果が出るまでその製品の販売を禁止することができると定めていますが、その業者の販売活動を差し止める措置については定めていません。つまり、これらサイトの削除要請は、これまで店舗販売業者に対して行われてきた「販売自粛要請」と同じ性格のものであって、強制力を伴うものではなく、あくまでも「お願い」の域を出ないものなのです。

ところで、疑い製品を分析し、指定薬物が検出された場合は、当然ながら薬事法違反での強制捜査の対象となります。とりあえずサイトの削除要請を行いながら、引き続き製品を分析し、すぐさま違反行為の取締まりへ移行するのが、本来のやり方だろうと思うのですが、そこまで手が回るのはまだ先のことなのでしょうか。
インターネット上の販売サイトは、一度閉鎖しても、プロバイダーを変えてよく似た名前やイメージで再開するのは実に簡単です。在庫品を抱え、有望な顧客リストを抱えた業者がそう簡単にこのビジネスから離脱するとは思えません。せっかく動き始めたインターネット販売業者への対策をもう一歩先へ進めて、さらに実効性のあるものにしてほしいものです。

ちなみに、厚生労働省は、7月の緊急指定以降、新規指定を公布する際に、新たに規制対象となる成分を含有する製品例を写真付きで発表していますが、これは、製品の名称やパッケージの同一性(類似性?)に基づいてアクションを起こすことに備えた、新たな広報作戦と見受けました(下記参照②)。
販売業者に自粛を促す意味でも、また、購入者に対して注意を促す意味でも、こうした情報はとても重要ですから、もっと目につく形で広報してほしいと思います。

[参照]
①厚生労働省の報道発表(2014年10月3日)
指定薬物14物質(9月19日指定)を含む物品の販売が疑われるインターネットサイトへの対応結果をお知らせいたします。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000060182.html

②過去の報道発表(2014年9月3日)
指定薬物21物質(8月15日指定)を含む物品の販売が疑われるインターネットサイトへの対応結果をお知らせいたします。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000056398.html

③厚労省サイト内「薬物乱用防止に関する情報」
・新たに指定薬物となる物質を含む危険ドラッグ製品例 (9月19日指定分)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/140919_01.pdf
・新たに指定薬物となる物質を含む危険ドラッグ製品例 (8月15日指定分)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/140821_01.pdf
・別紙(7月15日緊急指定分)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/140715_02.pdf

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