EUで危険ドラッグ使用が増加|最新の青少年調査から

危険ドラッグに対する若者の意識と態度に焦点を当てた、青少年と薬物に関する最新世論調査の結果が、EUから発表されています。今回紹介するのは、EU加盟28か国を通じて行われるEurobarometer調査の「青少年と薬物YOUNG PEOPLE AND DRUGS」で、EU28か国の15歳から24歳までの合計13,128人を対象に、今年6月に面接調査が行われたものです(下記参照①)。
なお、EUでは、2011年にも「YOUTH ATTITUDES ON DRUGS」として、ほぼ同じ内容の調査が行われており、時系列による比較ができる内容もあるので、関心をおもちの方はこちらもご参照ください(下記参照②)。

ところで、英国ではリーガルハイなどと呼ばれている新薬物は、この調査では「大麻、エクスタシー、コカインなどの規制薬物と同様の作用をもたらす新物質」と説明されていますが、ここでは日本流に「危険ドラッグ」として紹介します。

●危険ドラッグ使用経験者が増加
今回の調査では、EU28か国の若者のうち、危険ドラッグを使ったことがあると答えた青少年は全体の8%で、2011年に行われた前回調査時の5%より若干増えました。
最も使用経験者が多かったのはアイルランド(22%)。スペイン(13%)、フランス(12%)、英国UK(10%)などは、EU平均を上回っています。
画像

↑YOUNG PEOPLE AND DRUGS 7ページより
原文の英文表記を私が日本語に改めたもの

ヨーロッパの若者にとって身近な薬物の第一位はなんといっても大麻で、同調査でも、これまでに大麻を使ったことがある割合は31%に及んでいます。これと比べると、危険ドラッグの使用率はそれほど高いとはいえませんが、ヨーロッパでは、近年、青少年の薬物使用が全体に減少しているなかで、危険ドラッグの使用者が増加している実情に、関係者は警戒感を強くしています。

<入手経路>
上記の質問に対して、「最近1年以内に使ったことがある」と回答した人に対して、その入手経路を質問した結果は、圧倒的に多かったのは「友人からもらった・買った」でした。
なお、この設問は、対象者数が限られるため、国別の比較はできなかったということです。
・友人からもらった(買った)・・・ 68%
・密売人から買った・・・・・・・・ 27%
・専門店で買った ・・・・・・・・ 10%
・インターネットで買った・・・・・ 3%
・その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6%
・わからない・・・・・・・・・・・・・・ 1%

<使用時の状況>
同じく「最近1年以内に使ったことがある」と回答した人に対して、使用時の状況を尋ねたところ、「パーティーやイベントで」が最多でした。
・パーティーやイベントで・・・65%
・友達と一緒に・・・・・・・・・・・60%
・自分一人で・・・・・・・・・・・・15%
・日常生活の中で・・・・・・・・ 9%
・その他・・・・・・・・・・・・・・・・ 2%
・わからない・・・・・・・・・・・・ 0%

●若者が考える危険ドラッグ対策
興味深いのは、この調査では、若者の薬物使用実態だけでなく、薬物対策のあり方についても、若者の考えを聞き出そうとしている点です。
質問10は、危険ドラッグ対策として望ましい方向を聞いていますが、呈示された選択肢は、■規制策の導入、■健康に有害であれば禁止、■全てを一律に禁止、■何もしない、の4項目。
ここでいう「禁止策」とは、麻薬などに対して行われている罰則をもって流通を禁止する政策のことであり、また「規制策」とは、タバコやアルコールに対して行われている制限や条件を設けて流通を認める政策をさすようです。つまり、危険ドラッグをアルコールのように管理していくのか、麻薬のように禁止していくのか、若者の意見を聞いているわけです。
画像

↑YOUNG PEOPLE AND DRUGS 46ページより
原文の英文表記を私が日本語に改めたもの

その結果は、回答者の半数近くが「健康に有害であれば禁止」を支持し、3分の1強が「全てを一律に禁止」を支持と、調査に回答した青少年の大多数が、麻薬のような禁止策が望ましいと考えていることが示されました。
なお、前回の2011年調査でも同じ質問がされましたが、EU28か国平均では、結果はほぼ同じ傾向です。

また、この報告書には、大麻やエクスタシー、ヘロインなど薬物のタイプ別に「禁止策」、「規制策」について質問している項目もあるので(下記参照①、35-47ページ)、機会があれば、改めて紹介したいと思います。

[参照]
①Flash Eurobarometer 2014年調査の報告書
YOUNG PEOPLE AND DRUGS
http://ec.europa.eu/public_opinion/flash/fl_401_en.pdf

②Flash Eurobarometer 2011年調査の報告書
YOUTH ATTITUDES ON DRUGS
http://ec.europa.eu/public_opinion/flash/fl_330_en.pdf

③2011年調査の概要説明(当サイト内)
脱法ドラッグと青少年|欧米の実態調査から(2012/02/22)
http://33765910.at.webry.info/201202/article_11.html

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック