地域の問題としての脱法ドラッグ

池袋駅前の暴走事件を受けて、地元豊島区は脱法ドラッグの撲滅を宣言し、今後対策を強化することにしたといいます。
4日のニュースは、「今回は国や都の規制の網をかいくぐって事件が起きた。二度と繰り返さないように、区としても何ができるのか、新たな条例の制定なども視野にあらゆる手立てを検討していきたい」という区長の発言を伝えています。
(NHK News Web 7月4日 22時17分)

脱法ドラッグ問題になかなか出口が見えない中で、対策は、国から都府県へ、そして市や区レベルへと、少しずつ身近な地域社会へと動いてきました。
そう、脱法ドラッグ問題を地域社会の問題として見直し、自分たちの手の届くところから動き出す時期なのかもしれません。

●脱法ハーブ店ゼロ地域も出現
2013年4月、広島県から、県警と県が把握する県内の販売店がゼロになったというニュースが伝えられました。
県と県警によると2012年末時点で、県内で脱法ハーブを扱う店は、広島市などに4店あったが、2013年初め、県警が経営者らを薬事法違反容疑などで逮捕したことをきっかけに3店が閉鎖し、残る1店も4月末には閉店したといいます。
(中国新聞「脱法ハーブ店ゼロに 広島」2013年4月28日)

2014年春には、浜松市からも、市内の販売店がなくなりそうだという報道が伝えられました。こちらも警察による摘発をきっかけに、市内にあった2店舗が相次いで閉店したものです。
(静岡新聞「覚せい剤所持容疑 ハーブ店経営の男逮捕 浜松」2014年4月24日)

しかし、店舗を閉鎖した経営者が間もなく別な場所で店を開いたり、閉店の張り紙をした店舗が、店名を変えただけで再び営業を開始したりといった実態もあるといわれます。また、店舗販売をやめた業者がインターネット販売やデリバリー販売などに転向するといったケースも指摘されています。
ひとたびゼロ店舗に追い込んだとはいえ、広島県ではデリバリー販売やネット通販で脱法ドラッグを入手する人が後を絶たず、また浜松市内には今年6月末時点で1店舗が営業しているといいます(下記のニュース)。

脱法ドラッグ販売店には届け出の必要がないため、警察や都道府県の薬務担当が地道な実態調査を行って店舗の把握に努めているとはいえ、その実態を完全に掌握しきれていないところもあります。
変幻自在な脱法ドラッグ販売店、その実態を把握するためには、警察や県の担当者の力だけでなく、地域住民と一体となった取り組みが欠かせません。

●賃貸契約の解除という取り組みも
7月初め、静岡県からは、賃借店舗で営業する脱法ドラッグ店の賃貸借契約解除へ向けて、県警が、地域の不動産業者と連携して新たな取り組みに着手した、というニュースが届きました。

<ニュースから>*****
●脱法ハーブ店、合同調査 静岡県と県警が根絶へ協力
・・・社会問題化している脱法ハーブ根絶のため、県警は県薬事課などと協力して対策に乗り出す。県警の島根悟本部長は30日、県内に脱法ハーブ販売店が6店舗あり、県薬事課と合同立ち入り調査を行っていることや、脱法ハーブの販売が判明した顧客との賃貸契約が解除できる条項を盛り込んでもらうように不動産業者に依頼していることを明らかにした。県議会6月定例会で佐地茂人県議の一般質問に答えた。
島根本部長の答弁によると、県内には沼津市に2店舗、静岡市に3店舗、浜松市に1店舗の計6店舗が脱法ハーブを販売しているという。島根本部長は「対策は急務で、地域住民も強い不安を抱いている」とし、店舗周辺のパトロールや合同立ち入り、不動産業者に規約変更の申し入れを行っていると述べた。(以下略)
MSN産経ニュース 2014年7月1日(火)7時55分配信
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140701/szk14070102170001-n1.htm
****

こうした取り組みが最初に伝えられたのは、今から2年ほど前でした。私のメモを繰ってみると、2012年9月に、福岡市の天神地区のビル内で営業していた販売店に対して、警察の捜索が行われたことを契機に、管理組合が退去を申し入れ、店舗の閉鎖に成功したという古いニュース記事が残っていました。
インターネットを検索してみたら、詳しい経緯が載っている記事がありました。ご参照ください。
[参照]
朝日新聞デジタル 福岡・北九州「迷惑ハーブ店、入居者撃退」2013年01月21日
http://www.asahi.com/area/fukuoka/articles/MTW20130121410740001.html

ほんの数年前、急速に増え始めた脱法ドラッグ販売店は、地域の商店街や子供たちの通学路にまで進出し、地域社会を脅かしました。でも、そのころはまだ、脱法ドラッグのもたらす危害があまり知られていなかったためか、地域社会から強い反対の声が上がることは、あまりなかったようです。
でも、その後、問題が拡大するとともに、地域の環境も少しずつ変化し始め、販売店は表通りや商店街から、風俗店の並ぶ一画や、ビルの上層階へと追いやられてきました。

それでも、今もなお、「合法」「ハーブ」の看板を掲げて危険な薬物を売る店が、私たちの地域社会の片隅で営業を続けています。そして、脱法ハーブを買い求めた人たちが、周囲を巻き込んで、思いがけない事件や事故を起こしてしまうという惨事が、ときに発生してしまうのです。
地域社会の安心・安全を守るために、脱法ドラッグ販売店に対して何ができるのか、今こそ住民の目線で考えたいものです。

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