脱法ドラッグ対策、ニュージーランド方式に突然の終焉

低リスクな製品に限定して販売を認可し、登録販売店での販売を認める・・・、脱法ドラッグの新たな管理政策として注目されてきたニュージーランドの「精神作用物質政策」が、5月に突然の終焉を迎えました。

5月6日、ニュージーランド国会は精神作用物質法の改正法案を緊急承認しました。改正法は、保健省が進めてきた製品の仮承認や、販売店の免許をすべて取り消すというもので、これによって、ニュージーランドでは事実上あらゆる脱法ドラッグの販売や所持が禁止されたことになります。
改正法は、5月8日からさっそく施行され、脱法ドラッグ製品の販売、所持は不法行為として取り締まりの対象となり、違反者に対しては、少量の所持違反に対しては500NZドルの罰金、供給目的で大量に所持した場合は最高2年の拘禁刑もしくは50万NZドルの罰金という厳しい罰則が科されることになりました。

ニュージーランド保健省が、新たな政策を導入したのはわずか9か月前のことでした。仮免許を受けたていた販売業者は148人、低リスクであるとして仮承認を受けていた製品は41種。そのすべてが取り消され、販売店の店先から商品が撤去されました。NZヘラルドの記事によると、ニュージーランドでの脱法ドラッグビジネスの規模は、年商約1億4000万NZドル(約124億円)と推定されていたそうですが、廃業を強いられる製造・販売業者に対する損失補償はありません。

しかし、この政策転換はあまりにも唐突に見えます。
昨年、新政策が導入された後、国内では、脱法ドラッグ販売が「公認」されたことに戸惑い、反対する声も強かったといいます。新政策に反対するメディア・キャンペーンも展開されていました。
政策転換の背景にあったのは、どうやら、加熱する世論と、迫った選挙戦をにらんでの政治的判断だったようです。

とにかく、始めも終わりも唐突ですが、薬物管理政策としては極めて興味深いケースです。ニュージーランドの脱法ドラッグ対策と、この9か月の経緯について、できれば、もう少しまとめてから紹介したいと考えていましたが、ニュージーランドの情報がほとんど届かない日本にいると、細かな情報を集めることはかなり困難です。あまり時間が経ってしまわないうちに、とりあえず、速報しておきます。

[参照]
①ニュージーランド政府サイト内の発表
Psychoactive Substances Amendment Act passed(6 MAY, 2014)
http://www.beehive.govt.nz/release/psychoactive-substances-amendment-act-passed
②NZヘラルドのニュース
Warning as legal highs become illegal(May 7, 2014)
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11250745

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