池袋で死傷事故、またしても脱法ハーブ

昨夜8時前、帰宅する人たちが行き交う池袋駅前で、暴走した車が歩道に乗り上げ、歩行者を次々とはねるという事故が発生しました。
8人がこの事故に巻き込まれ、20歳代の女性が死亡、ほかに男女7人が重軽傷を負うという惨事になりました。
運転していた男性は、運転前に脱法ハーブを吸い、運転を始めて途中から記憶がないと話しているといいます。

<ニュースから>*****
●「途中から記憶ない」=運転前に脱法ハーブ吸う-池袋暴走のN容疑者
JR池袋駅近くで車が暴走し歩行者が死傷した事件で、逮捕されたN容疑者(37)は運転する前に脱法ハーブを吸い、運転後は途中から記憶がないと供述していることが25日、警視庁への取材で分かった。同容疑者は脱法ハーブを「池袋周辺で買った」とも話しているという。
調べに対し、N容疑者は「運転する前にハーブを吸った。途中まで覚えているが、警察官に声を掛けられるまでの記憶がない」と話している。
時事ドットコム【時事通信】(2014/06/25-10:21)
*****

●脱法ハーブの危険情報もうひと工夫
これまでも、事故を起こした後運転席から引き下ろされた運転者が、ろれつがまわらない、立っていられない、ときには気を失っているなど見るからに異様な状態だった例は、しばしば報告されています。
こんな状態で運転していたのですから、まさにその自動車は「走る凶器」と化し、周囲の人たちを巻き込む交通事故が起きてしまうのも、当然でしょう。

たとえば今回の事件のように歩道に乗り上げて暴走したり、蛇行運転や無理な車線変更を繰り返したり、歩行者専用道を暴走したり、といった事故の対応の異様さもさることながら、重大な事故を起こし、取り押さえられた当時の運転者の言動は、どんな説明より雄弁に、脱法ハーブの影響を私たちに伝えてくれます。
顔つき、ふるまい、動作、そしていかにも不適切な反応・・・。こうした異様さをありありと伝えることができれば、事故防止の啓発に役立つのではないでしょうか。

脱法ドラッグに関係する人身事故が世間の注目を集め始めた20112年初夏、大阪ミナミの商店街を乗用車で暴走、2人に重軽傷を負わせた事件がありました。運転していた男性は逮捕され、危険運転致傷罪で起訴されましたが、このケースでも、事故当時の運転者の異様な状態が話題になったものです。
大阪地裁の判決文は、当時の運転者の状態を次のように認定しています。
「被告人は、説法ハーブを吸引し、自動車を運転していたもので、その後、歩道に操り上げ、被害者2名に衝突させ、ポールに衝突して停止するもその後もアクセルをふかし続け、運転席を自発的におりず、第三者から運転席を降ろされたものである。」
*大阪地裁判決 平成24年12月14日 覚せい剤取締法違反、危険運転致傷被告事件 より

また、同年10月に愛知県で起きた女子高生死亡事故でも、事故後、横転した車両から脱出した運転者は、まもなく現場から全速力で逃走したものの追跡されて現場に連れ戻されたのですが、名古屋地裁の判決文は、当時の被告人の状況を次のように記載しています。
「被告人は、本件事故の目撃者らに追跡され、本件事故現場付近まで連れ戻された上、警察官に現行犯人逮捕されて、警察署へ連行されたが、その間、被告人は、過呼吸のように呼吸が荒く、視線の焦点が全く定まらず、言葉を発しても呂律が回らず、目は血走り、顔色は耳まで赤く、一人では動けないような状態であった。」
*名古屋地裁判決 平成25年6月10日 危険運転致死、道路交通法違反被告事件 より

もうひとつ、重大な事件や事故が発生した際に、関係したとみられる脱法ハーブ製品について、警告情報を公開することも、ぜひ検討してほしいと思います。試買調査で違反品が発見された時と同じように、製品名やパッケージを公開し、ユーザーに対しては「使わないように」、また販売業者に対しては「販売を自粛するように」注意を促すわけです。
こうした警告を無視する人もあるでしょうが、それでも、度々発せられる警告に触れるうちに、脱法ドラッグに対する警戒意識が育っていくこともあるでしょう。

事件や事故が起きるたびに、「何とか取り締まることはできないのか」と問いかけが行われます。しかし、どんなに法改正し、罰則を厳しく定めてみても、相変わらず、法規制の及ばない脱法ドラッグが次々と生み出され、販売されているのが現実です。
もっといろんな形で脱法ドラッグの危険性を訴えることに、真剣に取り組まなければなりません。

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この記事へのコメント

aa
2014年06月26日 15:59
>20112年初夏

typo

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