止まらない、脱法ハーブでの自動車事故

東北では初の脱法ドラッグによる自動車事故が発生しました。幸い、負傷者はいなかったといいますが、脱法ハーブを吸引したという運転者は、警察に逮捕されたと伝えられています。
脱法ハーブを使用しての自動車事故に対しては、社会の非難も強く、警察の対応もひときわ厳格なのですが、なかなかストップがかかりません。

<ニュースから>*****
●脱法ハーブ吸い交通事故=意識失い対向車線に、男を逮捕―福島県警
脱法ハーブを吸って交通事故を起こしたとして、福島県警白河署は9日、道交法違反の疑いで、土木作業員O容疑者(20)=同県浅川町=を逮捕した。同署によると、容疑を認めているという。
逮捕容疑は、4月15日午後4時20分ごろ、同県白河市東釜子の県道で、脱法ハーブを吸引して軽自動車を運転。意識を失って対向車線にはみ出し、会社員男性(49)が運転するライトバンに正面衝突した疑い。負傷者はいなかった(当事者の氏名を略記)。 
時事通信 7月9日(火)13時8分配信
*****

●薬物運転に対する処罰はますます厳しくなる
先の国会において衆議院で審査されていた「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案」、通称「自動車運転致死傷処罰法案」は、議決されないまま会期が終了し、法務委員会で閉会中審査となりました。つまり、次期国会で本格的な論議が展開されることになりそうです。
近年、悪質運転による重大な死傷事故が相次ぐ中で、事故の被害者や遺族などの要望を踏まえて検討されてきたもので、悪質運転により死傷事故を起こした運転者に対する厳罰化を盛り込んで、この法案が検討されてきたといいます。なお、新法は、特定の疾病の影響による事故を処罰の対象とするなど、なにかと論点が多いのですが、ここでは、アルコール・薬物運転に限定して話を進めることにします。

悪質運転の代表的なものとされるアルコール・薬物運転による人身事故に対して、新法は、危険運転致死傷罪の適用を広げるために法定刑上限15年の新たな規定を設け、また逃走によってアルコール・薬物使用の発覚を免れる行為(いわゆる逃げ得)を防ぐ規定を設けるなど、これまで以上に厳しい処罰を科すものであるといえます。

<新法の想定するアルコール・薬物運転による人身事故に対する処罰の体系>
■アルコール・薬物の影響により正常な運転が困難な状態での人身事故
・・・現行の危険運転致死傷罪(刑法208条の2)と同じ
・・・死亡事故は1年以上の有期懲役(最高刑は懲役20年)
   傷害事故は15年以下の懲役
■アルコール・薬物の影響により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態での人身事故
・・・新設
・・・死亡事故は15年以下の懲役
   傷害事故は12年以下の懲役
■アルコール・薬物の影響により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で人身事故を起こし、アルコール・薬物使用の発覚を免れる目的で逃走などした場合
・・・新設
・・・12年以下の懲役

脱法ハーブを使用しての自動車事故が続くなかで、薬物運転に対する社会的な非難はますます強くなっています。新法は、一面では、こうした世論に応えるものであるといえるかもしれません。
しかし、ここでいう「薬物の影響」とは何か、法制審議会の過程でもほとんど明らかにされないまま、言葉だけが独り歩きしている気がしてなりません。そういえば、刑法に危険運転罪が導入された際にも、「薬物の影響」について突っ込んだ議論がされないまま、あたかもアルコールの付帯物であるかのように、薬物も盛り込まれてきました。

アルコール・薬物運転による人身事故に対して、厳罰をもって対処しようとする新法案を前に、薬物運転について、もう一度しっかり考えてみようかと思います。途切れ途切れになるかもしれませんが、このテーマで何回か書くつもりです。

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この記事へのコメント

「止まらない、脱法ハーブでの自動車事故」について
2013年08月14日 21:10
飲酒運転での事故とどう違いがあるのでしょうか?
お酒も禁止すればいいのでは!!

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