弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS PMMAでの死亡が続発|北アイルランド

<<   作成日時 : 2013/07/04 16:39   >>

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前記事(7月1日)でお伝えしたように、北アイルランドのベルファスト周辺で、錠剤型ドラッグを使った若者の突然死が相次いで発生し、警察が薬物警戒情報を出していますが、問題の薬物の分析結果が発表されました。
警察の発表によれば、エクスタシー風の緑色錠剤はPMA、PMMAとMDMAを成分とする混合錠剤だということです(下記参照@)。

PMA、PMMAは覚せい剤によく似た化学構造を持つ薬物で、MDMA類似の脱法ドラッグとして出回り、また錠剤に加工されてエクスタシーとして販売されています。PMA、PMMAが混合で使われることもよくあります。

PMAが最初に薬物市場に出回ったのは1970年代だといいますが、欧米で使用者の死亡事故が相次いだため、1986年に国連単一条約の規制対象に加えられて国際的な統制が導入され、わが国でも1989年に麻薬に指定されています。
画像

↑PMA(麻薬)
4−メトキシ−α−メチルフェネチルアミン
画像

↑PMMA(麻薬)
1−(4−メトキシフェニル)−N−メチルプロパン−2−アミン

PMMAはPMAによく似た化学構造を持つ類似薬物で、エクスタシー風の錠剤やカプセル入り粉末の成分として、1990年代末ころから欧米の薬物市場に出回わり、こちらも多数の死亡事故を引き起こしてきました。2002年にEU全域での規制が導入され、ヨーロッパの薬物市場から一時は退場したのですが、2011年ころから再び市場に現れ始め、それと同時に中毒事故が多発しています。そういえば2011年にも英国で、PMMA含有錠剤が出回り警告情報がでたことがありました(下記参照A)。
わが国では、2005年ころから「試薬」と称する粉末状製品や、液体状製品の原料としてPMMAが脱法ドラッグ市場に出回っていましたが、2007年2月に指定薬物の第1期として規制対象になりました。しかし、欧米での復活の影響を受けたのか、近年では再び市販品からの検出例が増えたため、2013年1月に麻薬に指定されました。近年わが国では、液体状製品からPMMAが検出されたほか、乾燥植物片に添加されて「ハーブ」として販売されていた例もあります(下記参照B)。

急性中毒事故が多発している原因は、PMMA特有の薬理作用のメカニズムにあるようです。PMMAにはMDMAによく似た精神作用がありますが、使用者が感じる作用感がやや弱いといわれ、また、作用の発現までに時間がかかるため、使用者は「効かない」と思い込んでもう1錠使ってしまい、気づいた時には過量窃取になっているというパターンが多いといいます。
過量窃取では、体温の上昇や心悸の亢進、筋肉の硬直といった身体症状や、精神錯乱や極度の興奮や不安といった精神症状が報告されています。
[参照]
@最新のBBCニュース
BBC>Police renew dangerous drugs warning(4 July 2013)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-23170298
A2011年6月のBBCニュース
Police chiefs issue warning over PMMA drug(22 July 2011)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-14258153
BPMMA検出製品(厚生労働省の公表資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002tl4q-att/2r9852000002tlgb.pdf
CPMMAのリスク評価資料(EMCDDA)
EMCDDA | Report on the risk assessment of PMMA in the framework of the joint action on new synthetic drugs,2012
http://www.emcdda.europa.eu/html.cfm/index33349EN.html

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コメント(1件)

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MDMAの取り締まりによって、もっと危ない薬物が出回って、死者もでています。
大麻と合成カンナビノイドについて同じことが言えるではないでしょうか。
そろそろ、ポルトガルやチェコのように、規制緩和・啓蒙活動・被害軽減を日本でも検討してはいかがですか?
アメリカはきっと黙っていませんがね。
tanaka
2013/07/06 02:17

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