米国医師会が声を上げるか|エナジードリンク問題
アメリカではいま、エナジードリンクなど高濃度のカフェインを添加した飲料や食品に、社会の関心が集まっています。きわめて多量のカフェインを急激に摂取したことによって中毒症状を起こしたり、睡眠障害などで診療を受ける人が急増しているのです。
フォーブス誌のインターネット版ニュースは、6月14日付の記事で、米国医師会が、エナジードリンク規制に向けての働きかけをすることになりそうだと報じています。この週末から開催される米国医師会(AMA)の代議員会で、この問題が議案として挙げられているのです(下記参照①)。
すでにエナジードリンク対策に動き出した州や地方自治体では、18歳以下への販売制限や広告規制、あるいは製品への警告表示などの対策が検討されているといいますが、ここで米国医師会が何らかの規制を求める姿勢を打ち出すなら、世論を動かすことになるでしょう。
↑フォーブス誌のニュース・サイトより
http://www.forbes.com/sites/brucejapsen/2013/06/14/ama-may-endorse-ban-of-high-energy-drinks/#
成人にとっては、適度のカフェインは生活のリズムを生み出してくれるものでもありますが、驚くほど高濃度のカフェインを添加した飲料やスナック菓子などが身近に供給されることで、思いがけない中毒症状や体調不良を起こしてしまう事故が多発しています。
中毒事故の多発を受けて、米中毒管理センター(American Association of Poison Control Centers:AAPCC)は、エナジードリンクに関する警戒情報を出し、高濃度のカフェインを添加した飲料や食品の消費にあたって、良識を働かせて注意するよう呼びかけています。同センターが受け付けたエナジードリンク関連の通報は、今年1月から5月末までで、すでに1,333件になっています(下記参照②)。
米国でエナジードリンクに関する通報が急増したのは、2011年から。もしもこのペースが続くとすれば、2011年以来3年連続で、年間の通報件数が3000件を超える状態が続くことになります。
↑米中毒管理センターへのエナジードリンク通報件数(下記参照②より転載)
とくに問題なのは、中毒管理センターへの通報の半数以上(63%)を占めているのが、18歳以下の子どもの事故だという点です。
最近、米小児学会誌Pediatricsに「エナジードリンク:ティーンエイジャー(及び医師)が知っておくべきこと」という論文が発表されましたが(下記参照③)、子どもの事故をどう防ぐかが、目下のところ最大の課題です。口当たりのいい炭酸飲料やスナック菓子など、子どもの好む食品が多いことから、子どもたちを守る対策が急がれているようです。
[参照]
①フォーブス誌のニュース記事
Forbs>AMA May Endorse Ban Of High-Energy Drinks(6/14/2013)
http://www.forbes.com/sites/brucejapsen/2013/06/14/ama-may-endorse-ban-of-high-energy-drinks/#
②米中毒管理センターの警戒情報
American Association of Poison Control Centers>Energy Drinks
http://www.aapcc.org/alerts/energy-drinks/
③「エナジードリンク:ティーンエイジャー(及び医師)が知っておくべきこと」
L Blankson K, et al., Energy drinks: what teenagers (and their doctors) should know, Pediatr Rev. 2013 Feb;34(2):55-62
http://pedsinreview.aappublications.org/content/34/2/55.extract
フォーブス誌のインターネット版ニュースは、6月14日付の記事で、米国医師会が、エナジードリンク規制に向けての働きかけをすることになりそうだと報じています。この週末から開催される米国医師会(AMA)の代議員会で、この問題が議案として挙げられているのです(下記参照①)。
すでにエナジードリンク対策に動き出した州や地方自治体では、18歳以下への販売制限や広告規制、あるいは製品への警告表示などの対策が検討されているといいますが、ここで米国医師会が何らかの規制を求める姿勢を打ち出すなら、世論を動かすことになるでしょう。
↑フォーブス誌のニュース・サイトより
http://www.forbes.com/sites/brucejapsen/2013/06/14/ama-may-endorse-ban-of-high-energy-drinks/#
成人にとっては、適度のカフェインは生活のリズムを生み出してくれるものでもありますが、驚くほど高濃度のカフェインを添加した飲料やスナック菓子などが身近に供給されることで、思いがけない中毒症状や体調不良を起こしてしまう事故が多発しています。
中毒事故の多発を受けて、米中毒管理センター(American Association of Poison Control Centers:AAPCC)は、エナジードリンクに関する警戒情報を出し、高濃度のカフェインを添加した飲料や食品の消費にあたって、良識を働かせて注意するよう呼びかけています。同センターが受け付けたエナジードリンク関連の通報は、今年1月から5月末までで、すでに1,333件になっています(下記参照②)。
米国でエナジードリンクに関する通報が急増したのは、2011年から。もしもこのペースが続くとすれば、2011年以来3年連続で、年間の通報件数が3000件を超える状態が続くことになります。
↑米中毒管理センターへのエナジードリンク通報件数(下記参照②より転載)
とくに問題なのは、中毒管理センターへの通報の半数以上(63%)を占めているのが、18歳以下の子どもの事故だという点です。
最近、米小児学会誌Pediatricsに「エナジードリンク:ティーンエイジャー(及び医師)が知っておくべきこと」という論文が発表されましたが(下記参照③)、子どもの事故をどう防ぐかが、目下のところ最大の課題です。口当たりのいい炭酸飲料やスナック菓子など、子どもの好む食品が多いことから、子どもたちを守る対策が急がれているようです。
[参照]
①フォーブス誌のニュース記事
Forbs>AMA May Endorse Ban Of High-Energy Drinks(6/14/2013)
http://www.forbes.com/sites/brucejapsen/2013/06/14/ama-may-endorse-ban-of-high-energy-drinks/#
②米中毒管理センターの警戒情報
American Association of Poison Control Centers>Energy Drinks
http://www.aapcc.org/alerts/energy-drinks/
③「エナジードリンク:ティーンエイジャー(及び医師)が知っておくべきこと」
L Blankson K, et al., Energy drinks: what teenagers (and their doctors) should know, Pediatr Rev. 2013 Feb;34(2):55-62
http://pedsinreview.aappublications.org/content/34/2/55.extract
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