世界に広がる脱法ドラッグ|世界薬物報告書

国連薬物犯罪事務所(UNODC)は、昨日、「2013年版世界薬物報告書World Drug Report 2013」を発表しました。今年の特集テーマは新精神作用物質:NPS(New psychoactive substances)、報告書の半分近いページがこの特集に当てられ、問題の大きさを示しています。
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↑[参照]①「2013年版世界薬物報告書」
UNODC>World Drug Report 2013
http://www.unodc.org/wdr/

ところで、この報告書でいうNPSという用語は、私たちが脱法ドラッグと呼ぶものと少し概念が違い、国連条約で規制対象に定めていない新規薬物をさしています。現在、国連条約が規制対象として定め、国際的な統制下に置かれている薬物は234種ですが、2012年半ばの時点で国連薬物犯罪事務所に加盟国から報告されたNPSの数は250種を超え、依然として増え続けています。
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↑2009年から2012年半ばまでに世界で確認された新精神作用物質の数(累積グラフ)
・青は当該年度に新たに確認された物質
・赤は当該年度以前に確認された物質
World Drug Report 2013、70ページより

私は、大急ぎでこの特集にざっと目を通したところですが、現時点では、とりたてて新しい動きは見当たりません。国際社会は急速に蔓延するNPSの脅威に直面し、その問題の大きさを改めて確認しているといったところでしょうか。もちろん、興味深いポイントもいくつかあるので、今後、数回に分けて内容のあらましを紹介したいと思います。

そういえば、この報告書の発表にタイミングを合わせて、関連のニュースも伝えられています。

●G8はNPSに関する情報の収集と共有で連携
6月25日、 G8諸国がNPS対策で連携するという趣意書が発表されました。急速に世界中に蔓延するNPSに対抗する国際的な取り組みとして、各国で確認された新規物質に関する情報を共有し、効果的な対策を探るとしています。
[参照]
②G8の発表(英国内務省の発表より)
Home Office UK>G8 statement of intent: collection and sharing of data on NPS(25 June 2013)
https://www.gov.uk/government/publications/new-psychoactive-substances-g8-statement-on-collection-and-sharing-of-data

●米麻薬取締局は脱法ドラッグ集中取締りを実施
6月26日、米麻薬取締局(DEA)は脱法ドラッグ業者に対する集中取締りを実施し、150人を逮捕したと発表しました。取り締まりにはDEAのほか、FBIや税関、国土安全局などの国家機関と、オーストラリア、バルバドス、パナマ、およびカナダといった諸国の法執行機関も参加し、米国内35州と5か国で一斉に取り締まりが行われました。
2012年12月に開始されたプロジェクト・シナジーでは、すでに1000キロを超える合成薬物を押収してきましたが、集中取締り前の3日間で550キログラムが押収され、さらに集中取締りでは375件の捜索が行われました。
[参照]
③DEAの報道発表
DEA Announces Largest-Ever Synthetic Drug Takedown(June 26, 2013)
http://www.justice.gov/dea/divisions/hq/2013/hq062613.shtml

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