エナジー食品|高カフェイン食品と副作用

このところ、アメリカでは「エナジー(活力)」をキーワードにした食品が、ちょっとしたブームになっています。炭酸飲料のエナジードリンクが人気を獲得したのに続いて、キャンディ、ミックスナッツ、ポテトチップスなど様々な食品が、「エナジー」をキーワードに販売されています。こうした飲料や食品には、「エナジー(活力)」を生み出す成分として大量のカフェインが添加されているのですが、エナジー食品の広まりとともに、多量のカフェインによる副作用や、急性中毒の問題も発生しているといいます。

そんななかで、3月には大手菓子メーカーがカフェイン入りガムを発売しました。いつでも、どこでも手軽に活力を補給できる携帯アイテムとして売り出されたこのガムは、1粒にコーヒー1/2杯分(約40ミリグラム)のカフェイン入り、その名も「アラート・エナジー」。
メーカー側は、25歳以上の成人向け商品として開発し、おとなの嗜好品らしく苦味や薬品の風味などを加え、子どもが手を出さないよう工夫した、と説明しています。とはいえ、子どもが大好きなチュウインガム、しかもあらゆる店に並ぶ大手メーカーの製品となると、副作用の害もケタ違いに大きくなるのではないかと、案ずる人も多いようです(下記参照①)。

米食品医薬品局(FDA)は、カフェイン中毒が疑われる事故の多発を受けて、昨年末からエナジードリンクなどの調査に乗り出していますが、カフェイン添加食品についても、調査をしていく意向だといいます。FDA幹部は米通信社の取材に対して、カフェイン添加食品の現況はFDAの想定を超えたものとなっており、懸念されると語っています(下記参照②)。

カフェインは様々な医薬品の成分として使われるほか、食品添加物としても活用されてきました。カフェインには中枢神経興奮作用があり、適度なカフェインは眠気をさまし、心身に活力をみなぎらせてくれますが、ときには興奮、不安、震え、不眠などの副作用に見舞われることもあります。
コーヒー1杯に含まれるカフェインは80~100ミリグラム、健康な成人では、1日数杯のコーヒーは健康への影響はないといわれますが、妊婦や授乳中の女性、子どもはカフェインの影響が大きいため、摂取量を控えるよう助言されています(下記参照③)。

日常生活に深く入り込んでいるために、私たちはカフェインの副作用を過小評価しがちですが、米国の精神医学書にはカフェイン中毒という項目があります。私の手もとにある『カプラン臨床精神医学テキスト』から、カフェイン中毒についての説明を引用します。
「カフェイン中毒に関する一般的症状には、不安、精神運動興奮、落ち着きのなさ、易刺激性などの精神症状、筋れん縮、顔面紅潮、吐き気、利尿、胃腸障害、頻脈、指やつま先の刺痛、不眠などの身体症状がある。1g以上のカフェイン摂取は、まとまりのない会話、混乱した思考、不整脈、疲労を感じないこと、顕著な焦燥感、耳鳴り、軽い幻視(光のフラッシュ)などを引き起こす。カフェインを10g以上とると、全般性強直間代発作、呼吸不全、そして死に至る可能性がある(下記④464ページ)。」

[参照]
① カフェイン入りガム発売に関する報道(CBSニュースMarch 12, 2013)
http://www.cbsnews.com/8301-204_162-57573804/wrigleys-new-alert-gum-packs-the-caffeine-of-half-a-cup-of-coffee/
② FDAカフェイン入り食品を調査(CBSニュースApril 29, 2013)
FDA probing caffeinated products, from gum to chips
http://www.cbsnews.com/8301-204_162-57582007/fda-probing-caffeinated-products-from-gum-to-chips/
③ カフェインに関するファクトシート
食品安全委員会編「ファクトシート・食品中のカフェイン」
http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf
④ ベンジャミン・J. サドック編井上令一ほか訳『カプラン臨床精神医学テキストDSM‐IV‐TR診断基準の臨床への展開』メディカル・サイエンス・インターナショナル(2004)
⑤ サイト内の関連記事
エナジードリンクとカフェインの副作用

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック