エナジードリンクとカフェインの副作用

若い人たちのライフスタイルに疎くなっている私が、エナジードリンクの広告を見て、今さらながら驚かされています。そういえば、近所の食品スーパーでも、この製品を見かけました。アメリカで急速に売り上げを伸ばしているという、この飲料が、すでに日本でも広まっていることに、ようやく気づいたところです。
エナジードリンク・・・カフェインやビタミンなどを含み、眠気覚まし、活力増強、あるいは体脂肪の燃焼などの効果で人気を呼んでいる飲み物ですが、米国では、多量のカフェインによる副作用が問題視され、昨年末から、なにかと話題になっていました。そんななかで、日本ではいよいよ本格的に市場展開が始まったようです。
若者の人気を集めそうな製品ですが、意外に多量のカフェインが含まれています。多量のカフェイン摂取による副作用への注意も、どうかお忘れなく。

●エナジードリンク関連の救急搬送が急増
私が最初にエナジードリンクの問題を知ったのは、昨年末のことです。エナジードリンクを飲んだ後で死亡したティーンエイジャーの遺族が、飲料メーカーを相手に訴訟を起こしたことがきっかけで、米国ではカフェインの副作用に注目が集まり、メディアは頻繁にエナジードリンクを取り上げていました。
この種製品の特長は、多量のカフェインを含んでいること。米国で販売されている製品には、1缶当たりのカフェイン含有が500ミリグラムというものもあるといいます。ちなみに、コーヒー1杯に含まれるカフェインは80~100ミリグラム。カフェインには中枢神経興奮作用があり、大量に摂取すると重大な副作用に見舞われることもあります。よくある症状は、気分不良、顔面紅潮、心悸亢進など。また不整脈や血圧不安定、心不全といった重大な症状も報告されています。

11月、米食品医薬品局(FDA)は、副作用に関する実態調査を行い、代表的な製品についての副作用報告を公表しました。FDAは、これらの症状と製品の関係は明らかではないとしていますが、そこでは、複数の死亡例を含む多くの症例が取り上げられています(下記参照①)。

さらに、FDA発表をはるかに上回る数の患者が、救急搬送されている実態が明らかになり始めました。保健省のDrug Abuse Warning Network (DAWN)は、2011年中のエナジードリンク関連の救急搬送は20,783件、2007年と比較して2倍に増加したと発表しました。しかも、18-25歳の青少年層が最も多いとはいえ、40歳以上の年齢層でも少なからぬ患者が発生しており、この飲料の消費が幅広い年齢層に及んでいることも明らかになりました(下記参照②)。
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↑エナジードリンク関連の救急搬送件数(2005-2011年)
下記参照②資料より転載

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↑患者の年齢層別・2007年と2011年の対比
下記参照②資料より転載

なお、このDAWN Reportは米保健省の薬物関連機関Substance Abuse & Mental Health Services Administrationが、薬物関連の救急搬送に関する最新情報を提供しているもので、私にとって貴重な情報ソースのひとつです。ここで紹介した2013年1月10日号では、エナジードリンク問題の現況について、わかりやすくまとめてあるので、どうぞご参照ください。

[参照]
① FDA・エナジードリンクによるといわれる副作用報告書
Voluntary and Mandatory Reports on 5-Hour Energy, Monster Energy, and Rockstar
Energy Drink(January 1, 2004, through October 23, 2012)
http://www.fda.gov/downloads/AboutFDA/CentersOffices/OfficeofFoods/CFSAN/CFSANFOIAElectronicReadingRoom/UCM328270.pdf
Voluntary Reports on Red Bull Energy Drink(January 1, 2004, through October 23, 2012)
http://www.fda.gov/downloads/AboutFDA/CentersOffices/OfficeofFoods/CFSAN/CFSANFOIAElectronicReadingRoom/UCM328525.pdf
② 米保健省のThe DAWN Report
Update on Emergency Department Visits Involving Energy Drinks(January 10, 2013)
http://www.samhsa.gov/data/2k13/DAWN126/sr126-energy-drinks-use.htm

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この記事へのコメント

滅智蓮寺 熾
2015年02月04日 07:44
手元のモンスターエナジー(緑色の「m」の文字のデザインの缶です)の表示を見てみたら、100mlあたりカフェインは40mgで、355ml入りですから、1缶当たり150mg以下ですね。
濃いブラックコーヒー並なので、そんなに特筆するほどでもないと思います。
ちなみにコカコーラは1リットルで100mg程度(エナジードリンクの数分の1)ですが、コーラはエナジードリンクより一度に飲む量が多いので、やはり結果的にはそんなに変わらないかと思います。

以下は蛇足ですが、実は最近出た脱法製品の中に、このモンスターエナジーという飲料のデザインを完全に模倣した商品がありました。
http://vamos69.gr/shop.cgi?id=2076
本当になんと言っていいか、ここまで露骨にパクっているとある意味あっぱれというべきか・・・・・・
滅智蓮寺 熾
2015年02月04日 07:50
あとこれは日本市場で売られている物かどうかはわかりませんが、スターバックスのグランデというコーヒー(おそらくグランデというサイズのカップに濃いコーヒーを入れた場合だと思います)は、12オンス(約350ml)当たり、なんと520mgのカフェインが含まれている、と『精神薬理学エセンシャルズ第3版』という洋書翻訳版の831ページに書かれています。

実は、エナジードリンクよりも警戒すべきは、スターバックスのコーヒーだったりするのではないでしょうか。

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