脱法ドラッグのインターネット販売サイトに集中取締り

数日前のことですが、インターネット上の脱法ドラッグ販売サイトに対して、消費者庁が特定商取引法に基づく集中的な取締りに乗り出したと報じられました。同庁は、法の定める表示義務に違反しているおそれのあるサイトの運営業者に対し、表示の是正を要請し、また、インターネット接続業者に対し、当該接続サービスの提供停止等の措置を講ずるよう協力要請を行ったといいます。

<ニュースから>
●<脱法ドラッグ>ネット販売業者142に表示是正を指導
消費者庁の阿南久長官は20日の記者会見で、インターネット上で「脱法ドラッグ」を販売するサイトのうち、特定商取引法違反の可能性のある142のサイトの運営事業者に対し、同法で義務づけられている事業者名や電話番号などの表示がないとして、表示を是正するよう指導したと公表した。
同庁は1月、脱法ドラッグを販売している通販サイト181を選定。うち142のサイトで違反が見つかった。同庁はこれらのサイトの事業者に対し、今後1カ月間の間に是正しない場合は事業者名を公表する可能性もあると通知した。
会見で阿南長官は「違法なサイトを撲滅できるよう、断固として取り締まりたい」と述べた。
毎日新聞 2月20日(水)19時53分配信
*****

特定商取引法(正しくは「特定商取引に関する法律」)は、訪問販売、通信販売、連鎖販売取引等といった消費者トラブルを生じやすい特定の取引形態を対象として、取引を公正化し、消費者を保護するために設けられた法律です。インターネット販売サイト、つまり通信販売の広告については、この法律の第11条、及び特定商取引に関する法律施行規則第8条で、表示しなければならない内容が定められています。
インターネット通販サイトでよく問題になるのは、返品に関する表示や、物品代金以外の消費者負担金などの表示の問題ですが、今回の脱法ドラッグ販売サイトに関しては、最も多かったのが、販売事業者の氏名(名称)等、住所、電話番号の表示の欠落・不備など。消費者庁の公表資料によれば、
・代表者名の欠落(表示が全くない、姓のみである)・・・97件
・事業者名の欠落(表示が全くない)・・・・・・・・・・96件
・住所の欠落(表示が全くない、住所が途中である)・・・65件
・電話番号の欠落(表示が全くない、明らかに虚偽の表示)・・37件
なお、特定商取引に関する法律施行規則第8条は、通信販売についての広告には、販売事業者の氏名(名称)等、住所、電話番号を表示しなければならないと定められ、また法人がインターネットなどの電子メディアで販売広告をする場合には、代表者または当該事業の通信販売の業務責任者の氏名も表示しなければならないと定めています。

●問題は次の一手、実態調査などでフォローを
実際、インターネット上の脱法ドラッグ販売サイトには、社名も住所も表示していないようなものが多数ありましたが、この発表から数日で、すでに状況は変化し始めているようです。とりあえず、かなりの引き締め効果は発揮されたようです。
とはいえ、形式的な表示はあっても、記載された電話番号はたいてい携帯電話の番号、住所もほとんどが貸しビルや賃貸マンションの1室らしきもの、はたして表示された内容に実態がともなっているかどうかは、まったく不明です。さらに言うなら、閉鎖も開業もいたって簡単なインターネット上の販売サイト、問題を指摘されたら即日閉鎖して、あっという間に別な名前で新装開店なども、よくあること。
さて、問題はこの先です。とりあえず表示義務違反サイトに対する集中取締りによって第一段階がクリアされた後は、丹念な実態調査などのフォローで、次なる引き締め策にぜひとも取り組んでほしいところです。

主要な合成カンナビノイドに対する包括的な規制が近く施行されることで、脱法ドラッグ販売業者は大きな制約を受けることになります。警察による摘発も、頻繁に報じられています。この機に、関係機関が多面的な取締り策を集中的に投入することで、包囲網はいよいよ絞られてきました。目端の利く事業者は、そろそろこの商売からの撤退を模索し始めているのではないでしょうか。

数年前、栽培用の大麻種子販売が問題になった時のことを思い出します。インターネット上に、次から次へと登場した大麻種子の販売サイトには、やはり販売事業者を表示していないものが多く、なかには、外国のプロバイダーを使ったものや、事業者の実態が外国にあると思われるものも混在していました。
大麻の種子販売に社会の関心が向けられるとともに、インターネット上のサイトは急増しましたが、やがて種子の販売業者に対する大麻栽培ほう助などでの摘発が報じられ始めると、今度はサイトの閉鎖や移動が相次ぎました。ひとたび閉鎖の波が動き始めたら、あれよあれよ・・・という間に、インターネット上から大麻種子の販売サイトが消えていったものです。

[参照]
① 消費者庁の報道発表(2013年2月20日)
いわゆる「脱法ドラッグ」の通信販売サイトに対する特定商取引法に基づく集中的な取締りについて
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/130220kouhyou_1.pdf
② 通信販売広告の表示に関する説明(消費者庁・消費生活安心ガイド)
http://www.no-trouble.go.jp/#1232088015221

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック