脱法ドラッグ対策、地方にできること2

● 愛知県「薬物の濫用の防止に関する条例」を制定
国の規制に上乗せして、独自の条例で脱法ハーブを規制する、愛知県の条例が制定され、明日10月16日に施行される運びとなりました。折から、愛知県議会で「薬物の濫用の防止に関する条例」の制定が上程されるなか、春日井市で脱法ハーブを吸って運転していたといわれる交通事故が発生、通学中の女子高生が犠牲になるという悲痛なニュースが報じられたのは、同法案の採決前日のことでした。

<ニュースから>*****
●脱法ハーブ条例成立 全国2例目…愛知、規制対象、法に上乗せ
愛知県の9月議会は12日、若者の間で広がる脱法ハーブ対策を巡り、知事指定薬物として製造・販売などを規制する条例案を全会一致で可決した。条例制定は東京都に次いで全国2例目で、今月16日に施行する。
条例では、薬事法で指定された73種類の薬物以外でも、興奮や幻覚などの作用があり、健康被害や乱用の恐れがあるものを知事指定薬物とし、製造、販売を禁止した。違反した場合、2年以下の懲役や100万円以下の罰金とすることが盛りこまれた。
県によると、愛知県内では今年4月から9月までに、脱法ハーブの吸引、摂取が原因とみられる体調不良で76人が医療機関に搬送された。
(2012年10月13日 読売新聞)
*****

●知事指定薬物の運用を支えるのは、検査・分析能力の拡充
愛知県の条例は、国が規制する指定薬物に上乗せして知事指定薬物を指定し、その製造や販売などを罰則付きで禁止するものだといいます。残念なことに、愛知県の条例案はインターネット上で公開されていないようで、私はこの条例案の内容をまだ見ていませんが、大筋では、東京都の条例と同様の内容になるようです

自治体単位で規制対象薬物を規制できるとすれば、国全体で運用するよりもはるかに地域の濫用(流通)実態に即応した、迅速で適切な対応が可能になります。
ただし、独自に規制対象に指定し、それを執行していくために欠かせないのは、薬物を迅速に検査・分析する機能です。市場に流通している脱法ドラッグをきめ細かく検査して新規薬物を特定し、迅速に規制を開始することも、条例に基づいて指導・取り締まりを実施することも、その背後に充実した分析ラボの機能があってこそ実現できることなのです。
画像

いま、わが国の脱法ドラッグ対策で、いちばん立ち遅れている点は、この分析ラボの整備かもしれません。脱法ドラッグに関係した事件や事故が発生しても、多様な新規薬物を的確に分析して特定できる分析ラボが限られているため、問題の薬物が特定されるまでに数ヶ月かかってしまうというのが、これまでの現実でした。脱法ドラッグ市場の規模が大きい大都市圏ごとに、中核となる分析ラボを整備することが、ぜひとも必要なのです。自治体が、条例制定をきっかけに各自の分析ラボを拡充するなら、今後の対策は大きく前進することでしょう。

愛知県では、条例案の提案と合わせて、検査機器の整備を重点事項として計画してきたといいますから、やがて、この地に中部日本の中核となる薬物分析機関が育っていくことでしょう。愛知県の今後に期待できそうです。
<知事提案説明>
近年、法律で規制された薬物の化学構造の一部を変え規制を逃れた、いわゆる脱法ドラッグによる健康被害などが深刻な社会問題となっております。
このため、薬物の濫用の防止を図り、県民の健康と安全を守るため、県及び県民の責務を明らかにするとともに、施策に関する基本的な事項及び必要な規制などを定めた条例を提案することといたしました。あわせて、指定薬物の検出に必要な検査機器の整備や薬物濫用防止の啓発活動を実施することとしております。
[平成24年9月定例県議会 知事提案説明要旨]より

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