顧客が密売人に変身|インターネットで覚せい剤密売

ネットゲームで知り合ったグループが、2ちゃんねるの掲示板を利用して広告し、覚せい剤を密売したとして、今年5月に検挙された事件の続報です。報道によると、先に逮捕された男女5人のグループから覚せい剤を購入した顧客が、やがて密売グループと親しくなり、自らも掲示板に書き込みをするようになったと報じられています。

インターネット掲示板などを使って売り買いの相手をみつける方法は、薬物密売の入門編です。自分で使うために薬物を手に入れてきた乱用者が、特定の地盤や顧客を持たないまま、見よう見まねで密売に手を染める場合に、掲示板やソーシャルネットワークのつながりがよく利用されています。
今回の逮捕は、まさしくそのパターンのようです。一介の顧客を、簡単に密売人に変身できそうな気にさせてしまうのも、インターネット上の仮想空間の怖さのひとつでしょうか。

<ニュースから>*****
●覚醒剤の密売広告、ネット掲示板に掲載した女
ネットゲームを通じて知り合った男女5人のグループがネットを通じて覚醒剤を密売していた事件で、新たに、密売に関する広告をネット掲示板に掲載したとして、九州厚生局麻薬取締部は2日、岡山市北区・・・O被告(25)=覚醒剤取締法違反(所持)で起訴済み=を同法違反(広告制限)の疑いで再逮捕した。
O被告自身もネットを通じて覚醒剤に手を染めていた。
関係者によると、O被告は2月、覚醒剤を「アイス」という隠語に言い換え、ネット掲示板に、「全国各地にゲストをもつ安心安全迅速なアイス宅急便です!」「お気軽にお問い合わせ下さい」などと携帯電話で書き込み、覚醒剤密売の広告を掲載した疑い。
同局は9月中旬、自宅で覚醒剤を所持したとして、O被告を現行犯逮捕し、調べを進めていた。ネットを通じて覚醒剤を購入したのを機に、メールでのやり取りなどを通じて密売グループメンバーと親しくなり、広告を掲げるようになったらしい。覚醒剤の調達や発送はグループが行っており、同局は岡被告には何らかの見返りがあったとみて追及する。
(読売新聞 10月2日)
*****

ところで、上記の事件では、覚せい剤取締法の広告制限違反で逮捕と伝えられています。覚せい剤取締法や麻薬及び向精神薬取締法には、いずれも広告を禁じる規定があり、違反者には3年以下の懲役(50万円以下の罰金・併科あり)が科されることになっていますが、この法定刑は、密売した場合(営利目的の譲渡)と比べて軽く規定されています。
でも勘違いしないでください。一般に、密売グループと共謀して書き込み広告をした場合は、密売の共犯者として取り扱われ、営利目的の譲渡犯として裁判を受けることになるのです。たとえ薬物の受け渡しに直接タッチぜず、インターネットへの書き込みだけを担当した場合でも、グループ全体として薬物を密売していることを知って加担したのであれば、共犯です。
上記の事件では、逮捕の時点で密売への具体的な関与が確認できない、あるいは具体的な密売にまで至らなかったなど事情があって、広告違反としての逮捕となったものでしょう。

インターネットという公開性の高いメディアを利用した薬物密売は、密売手段としてそれほど大きな比重を占めているわけではありませんが、一般人や子どもたちの目にも触れ、その影響力には計り知れないものがあるため、警察や麻薬取締部は、その取り締まりに力を注いでいます。
密売事犯と比べると、とかく軽く見られがちな広告違反、こうした違反に対しても決して手綱を緩めずに検挙していく姿勢にも、インターネット上での薬物密売を許さないという、強いメッセージが込められているのです。

[関連の過去記事]
■インターネットで覚せい剤密売|2ちゃんねる(2012/06/02)
http://33765910.at.webry.info/201206/article_1.html

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