脱法ドラッグ対策、地方にできること4

大阪府議会で審議されていた薬物乱用防止条例案が、本日の本会議で可決されました。先日の愛知県に続き、大阪府でも脱法ドラッグ対策を条例として定めることが決定されたわけです。
大阪府の条例案では、「知事指定薬物」の使用や所持を禁止し、違反者に対する罰則(罰金)を定めている点が注目されてきました。また、「知事指定薬物」の販売等の指導・取締りにあたって、警察職員に販売店への立ち入り調査権限を付与した点にも、大阪府の独自性が盛り込まれています。
こうした点が、最終的にどのような形で条例に盛り込まれるのか、今後の発表が待たれるところです。

<ニュースから>*****
■脱法ハーブ規制条例が成立=全国初、使用にも罰則-大阪府
麻薬に似た幻覚や興奮作用をもたらす脱法ハーブを規制する大阪府の条例が23日の府議会本会議で、全会一致で可決、成立した。脱法ハーブの製造・販売だけでなく、全国で初めて使用や所持に関しても罰則規定を設けた。罰則規定は12月1日から施行される。
薬事法は、厚生労働相が指定した薬物の製造・販売を禁止しているが、新たに禁止薬物が指定されると、すぐに成分構造を変えた類似薬物が流通し、規制が追い付いていない。また使用者に罰則は適用されない。
時事通信(時事ドットコム)2012/10/23-17:53
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●「知事指定薬物」の位置づけについて
国は現在「指定薬物」として90物質(及び1植物)を指定していますが、条例を制定した東京都、愛知県、大阪府は、これに加えて独自に「知事指定薬物」として規制対象を指定することになっています。
現在東京都が「知事指定薬物」に指定しているのはデスエチルピロバレロンなど5物質ですが、愛知県も10月16日に東京都と同じ5物質を指定しました。大阪府でも近日中に指定内容が発表されることでしょう。ちなみに、東京都と愛知県が指定する5物質は、いずれも10月17日付で国の指定薬物に指定されており、来る11月16日から施行される予定で、それに伴って「知事指定薬物」としての役目を終え、また新たな「知事指定薬物」の指定が行われることになるでしょう。

このように、東京都・愛知県の場合の「知事指定薬物」とは、国の規制を一部先取りして規制を行うものであるといえるでしょう。大都市を抱える自治体では、脱法ドラッグ販売店が集中し、新規薬物がいち早く流通する傾向にあります。こうした地域では、国の指定に先行して次世代の薬物成分をすばやく特定し、「知事指定薬物」として規制することは、重要な意味を持つことになります。やがて、新規成分を含む脱法ドラッグ製品が大都市から締め出され、地方市場へと流入する段階では、これを国の「指定薬物」として全国で販売規制するという、2段階の戦法が展開されることになるのです。

いっぽう、これと対照的な考え方を取り入れたものとして、和歌山県ではユニークな規制策の導入を計画しています。薬物の成分が特定されなくても、まず商品名で「知事監視製品」に指定し、規制下に置こうとするもので、
 ①濫用することによって、興奮、幻覚、陶酔等の作用を人の精神に及ぼすおそれがあるもの
かつ
 ②製品への表示、広告、販売方法その他の情報から、その製品の使用方法等に反して、身体に使用されるおそれがあると認められるもの
を「知事監視製品」に指定し、販売業者に対して届け出や製品仕入記録の作成を求めるほか、販売時には「吸引しない」ことを販売者は説明し、顧客は誓約書を提出するというものです。違反者には過料や罰金を科すとされています。
画像


↑和歌山県作成資料
「(仮称)和歌山県薬物の濫用防止に関する条例(案)」の概要 より
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/050400/yakubuturannyoubousijyoureiannikennbosyuu.html

和歌山県の独自方式について、メディアは次のように伝えています。
<ニュースから>*****
■脱法ハーブ「吸いません」と誓約書 和歌山県、条例制定目指す
条例案では、薬物の指定を商品名で行うことも特徴。東京都などの条例では知事が有害薬物を指定する形式を取るため薬物の成分分析が必須だが、和歌山案は成分構造を分析することなく、県の薬物検討審査会で監視製品に指定し、商品名や外装を変える手口の規制逃れに対応する。
(産経新聞10月16日(火)15時7分配信)

■脱法ハーブに「誓約書」 和歌山県が条例
条例案では、県が入手した情報を基に調査し、ハーブの成分構造が分かっていなくても、専門家らで構成する検討審査会の意見を聞いた上で「知事監視製品」に指定する。
監視するのは、お香などと称して販売されている商品で、興奮や幻覚など乱用による精神作用があり、販売方法や製品表示で使用目的以外に身体に使用される可能性があるものを指定する。販売業者に対しては販売業の届け出のほか、販売時の使用方法の説明、誓約書の受け取り、仕入れ記録の作成などを求め、購入者に対しては使用方法について誓約書の提出を求める。違反者には過料や罰金を科す罰則を設ける。
また、成分構造の調査に基づき、興奮などの精神作用や健康被害があるものを「知事指定薬物」として指定。製造や栽培、販売目的の所持を禁止し、試験検査や学術研究など以外に、理由なく所持している人に廃棄義務を課す。
(紀伊民報-2012/10/16)
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