中国でまた日本人に死刑判決

薬物取引を行った犯罪者に対して死刑の判決を言い渡し、厳正に執行している中国で、また日本人に対して死刑判決が下されました。第1審の中級人民法院での判決だということです。
今回もまた、日本に密輸するための覚せい剤に関係した事件。東莞市は、香港から内陸へ約100キロほどのところにある都市で、近年、日本に向けて密輸される覚せい剤の仕出し地として、深セン市や東莞市といった名前がよくあげられています。香港に近い広東省は、北朝鮮国境に近い中国東北部とともに、中国から日本に密輸される覚せい剤の代表的な仕出し地といわれています。

<ニュースから>
●2邦人、覚せい剤取引で死刑判決 中国広東省の裁判所
【香港共同】中国広東省東莞市の中級人民法院(地裁)は16日、薬物売買罪に問われた日本人の男2人に対する判決公判を開き、40代の男に死刑、50代の男に執行猶予付きの死刑を言い渡した。
関係者によると、覚せい剤を仕入れに中国に来た40代の男は、中国に拠点を置く50代の男に調達を依頼、昨年9月と11月に東莞市内で2度にわたり、覚せい剤計約8キロを買ったとされる。
2度目の取引が行われた11月8日、取引に関与した中国人と共に地元当局が身柄を拘束。
中国では薬物犯罪が増え、日本人が摘発されるケースも多発。昨年4月には、麻薬密輸罪で日本人4人に死刑が執行された。
47NEWS 【共同通信】2011/12/17 11:46
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011121701001417.html

●中国での薬物犯罪者に対する死刑の実態は実に不透明
世界の大多数の国が、死刑を廃止したり、事実上その執行を停止したりするなかで、中国やイランなどでは多数の死刑判決が下され、執行が行われています。また、死刑確定者のなかには、薬物販売、薬物密輸などの薬物犯罪者が多数含まれていることについても、国際社会の注目と非難が寄せられています。

中国では、死刑の宣告や執行に関する情報は国家機密とされ、まったく公表されませんが、国際人権団体による情報収集によって、「少なくとも○○件以上」として推定数が発表されてきました。ところが、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、これまで続けてきた中国の死刑執行を監視し推定数を発表する活動をやめると宣言しています。中国では、国内メディアへの発表もなく、秘密裏に執行されるものもあり、ますます実態を把握できなくなっているためだといいます。『2010年版死刑判決と執行DEATH SENTENCES and EXECUTIONS 2010』のなかに、次のような記載があります(下記資料①)。
「2010年では(世界で)少なくとも527人に対して死刑が執行された。この数字には、中国で執行された数千の執行数は含まれていない。昨年アムネスティ・インターナショナルは、死刑に関する統計が国家機密とされている中国に関して、死刑執行の最小数字を発表しないと決定した。それに代わって、アムネスティ・インターナショナルは中国政府に対して、毎年、死刑宣告と執行の数を公表するよう申し入れをしている。」
また、国際ハームリダクション協会の資料(下記資料②)によれば、2009年の死刑執行を最大5000件とし、その多くが薬物の製造、密輸、大量取引など薬物犯罪で占められていると推定している機関もあるといいます。

ところで、薬物犯罪に対して死刑を科す国がアジアに集中していますが、なぜアジア諸国は薬物犯罪に死刑を科すのか、なぜそれが国際社会で問題になっているのか、次回で引き続き考えます。

[中国の死刑宣告と執行に関する最新の資料]
①アムネスティ・インターナショナル
『2010年版死刑判決と執行DEATH SENTENCES and EXECUTIONS 2010』
http://www.amnesty.org/en/library/asset/ACT50/001/2011/en/ea1b6b25-a62a-4074-927d-ba51e88df2e9/act500012011en.pdf
②国際ハームリダクション協会The International Harm Reduction Association(IHRA)『薬物犯罪に対する死刑:2011世界の概観 The Death Penalty for Drug Offences:Global Overview 2011』
http://www.ihra.net/contents/1081

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