薬物検査とは|職場の薬物検査3
前回も触れたとおり、わが国では職場で薬物検査を行う際の指針や参考資料がほとんどありません。そこで、25年以上にわたって職員の薬物検査を実施してきたアメリカ連邦政府のガイドラインを参考にしながら、その導入にあたって考えなければならない事項を検討してみたいと思います。
米国連邦政府では職員の薬物検査を行っていますが、その手続きが正確かつ公正におこなわれるよう、「連邦政府職員薬物検査における必須ガイドラインMandatory Guidelines for Federal Workplace Drug Testing」が定められています。
[参照]
●Mandatory Guidelines for Federal Workplace Drug Testing
SAMHSA>Division of Workplace Programs
http://workplace.samhsa.gov/DrugTesting/Level_1_Pages/mandatory_guidelines5_1_10.html
●秘密保持と検査の確実性を柱に
こうしたガイドラインが設けられた背景には、
① デリケートな個人情報の保護
② 検査の確実性の担保
という2つの大きな柱があるようです。
検査の結果、薬物を使用していると判定されれば、従業員は重大な不利益に直面することになります。日本では、覚せい剤や麻薬使用の疑いがあれば、警察に通報されることになるでしょう。こうした、きわめてデリケートなプライバシー情報は、あらかじめ用途を厳密に定め、情報にアクセスする者を制限し、用途外使用を禁じる措置をしたうえで収集しなければなりません。米連邦のガイドラインでは、企業内で取り扱う情報の管理について、アクセス権限や保管方法にいたるまで実に細かく定めています。
また、重要なステップでは、取扱責任者を明確に指定し、認定精度や講習などを義務付けて、業務の水準を引き上げる工夫もされています。
たとえば、検体(一般的には尿を検査資料とします。)の採取にあたる担当者は、定期的に講習を受けて専門的な知識を身につけるよう求められ、また検体採取に当っての詳細なマニュアルも別途に用意されています。担当者の仕事は、尿を採取し、記録をとり、保管して検査機関へ送るだけなのですが、その限られた業務のなかにも、対象者のプライバシーを守るための注意事項や、検体と提出者の結びつきを確実に裏付ける管理のノウハウ、手違いやごまかしを防止するための工夫など、多様な内容が含まれているのです。
そういえば、薬物事件の犯罪捜査でも、尿検体を採取する手続きが厳格に定められ、忠実に実行されていて、採尿手続きだけでも、写真を含めると数ページの報告書が作成されています。しかも、採取した尿を保管する容器や、封緘するためのシールなども、用途に合わせた専用のものが用意されているのです。
↑職場での薬物検査の全体像・小森 榮 2011年8月作成
●検査の対象は誰か
米連邦で一般的に行われている薬物検査には、対象者の同意に基づく採用前検査、定期検査、職場事故発生後の検査などのほかに、予告なしの抜き打ち検査があります。採用前検査や定期検査などは、あらかじめ検査の予定がわかっているので、労働者側でも検査に備えてしばらく薬物を控えるなどの対応策をとることが多く、予告なしでの抜き打ち検査を加えることで、緊張感が保たれ、薬物検査が有効な抑止効果を発揮しているという見方もあります。ただし、「予告なし・抜き打ち」とはいっても、あらかじめ従業員に対しては、こうした検査が行われることを告知し基本的な同意を得ておく必要があるのは当然です。
さて、この抜き打ち検査ですが、一般に、従業員の一部を検査対象に指名しておこなわれますが、対象者を選定するにあたって、従業員のID番号などを使ってコンピュータ操作によってランダムに抽出が行われ、当日、対象者が発表されます。
米連邦では、危険性の高い作業、武器や兵器を取り扱う職種、パイロットや公共交通機関の乗務員などでは薬物検査の必要性が高いとされ、予告なしの抜き打ち検査が頻繁に行われているといいます。
米国連邦政府では職員の薬物検査を行っていますが、その手続きが正確かつ公正におこなわれるよう、「連邦政府職員薬物検査における必須ガイドラインMandatory Guidelines for Federal Workplace Drug Testing」が定められています。
[参照]
●Mandatory Guidelines for Federal Workplace Drug Testing
SAMHSA>Division of Workplace Programs
http://workplace.samhsa.gov/DrugTesting/Level_1_Pages/mandatory_guidelines5_1_10.html
●秘密保持と検査の確実性を柱に
こうしたガイドラインが設けられた背景には、
① デリケートな個人情報の保護
② 検査の確実性の担保
という2つの大きな柱があるようです。
検査の結果、薬物を使用していると判定されれば、従業員は重大な不利益に直面することになります。日本では、覚せい剤や麻薬使用の疑いがあれば、警察に通報されることになるでしょう。こうした、きわめてデリケートなプライバシー情報は、あらかじめ用途を厳密に定め、情報にアクセスする者を制限し、用途外使用を禁じる措置をしたうえで収集しなければなりません。米連邦のガイドラインでは、企業内で取り扱う情報の管理について、アクセス権限や保管方法にいたるまで実に細かく定めています。
また、重要なステップでは、取扱責任者を明確に指定し、認定精度や講習などを義務付けて、業務の水準を引き上げる工夫もされています。
たとえば、検体(一般的には尿を検査資料とします。)の採取にあたる担当者は、定期的に講習を受けて専門的な知識を身につけるよう求められ、また検体採取に当っての詳細なマニュアルも別途に用意されています。担当者の仕事は、尿を採取し、記録をとり、保管して検査機関へ送るだけなのですが、その限られた業務のなかにも、対象者のプライバシーを守るための注意事項や、検体と提出者の結びつきを確実に裏付ける管理のノウハウ、手違いやごまかしを防止するための工夫など、多様な内容が含まれているのです。
そういえば、薬物事件の犯罪捜査でも、尿検体を採取する手続きが厳格に定められ、忠実に実行されていて、採尿手続きだけでも、写真を含めると数ページの報告書が作成されています。しかも、採取した尿を保管する容器や、封緘するためのシールなども、用途に合わせた専用のものが用意されているのです。
↑職場での薬物検査の全体像・小森 榮 2011年8月作成
●検査の対象は誰か
米連邦で一般的に行われている薬物検査には、対象者の同意に基づく採用前検査、定期検査、職場事故発生後の検査などのほかに、予告なしの抜き打ち検査があります。採用前検査や定期検査などは、あらかじめ検査の予定がわかっているので、労働者側でも検査に備えてしばらく薬物を控えるなどの対応策をとることが多く、予告なしでの抜き打ち検査を加えることで、緊張感が保たれ、薬物検査が有効な抑止効果を発揮しているという見方もあります。ただし、「予告なし・抜き打ち」とはいっても、あらかじめ従業員に対しては、こうした検査が行われることを告知し基本的な同意を得ておく必要があるのは当然です。
さて、この抜き打ち検査ですが、一般に、従業員の一部を検査対象に指名しておこなわれますが、対象者を選定するにあたって、従業員のID番号などを使ってコンピュータ操作によってランダムに抽出が行われ、当日、対象者が発表されます。
米連邦では、危険性の高い作業、武器や兵器を取り扱う職種、パイロットや公共交通機関の乗務員などでは薬物検査の必要性が高いとされ、予告なしの抜き打ち検査が頻繁に行われているといいます。
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