イランで薬物密輸犯7人に死刑執行

いささか時期遅れですが、年末年始に取り上げ損ねていた話題をひとつ。日本ではまだお正月気分だった1月3日、イランで、薬物密輸で死刑判決が確定していた7人に対して死刑が執行されていました。

<1月3日のニュースから>
●イランは薬物密輸事犯7人に対して死刑を執行
イラン国営通信社は、同国が薬物密輸事犯で死刑が確定していた7人に対して、絞首刑を執行したと伝えた。彼らは5キログラムのヘロインから100キログラムの合成クラックまで各種の薬物を製造し、販売した。
12月に議会を通過した法令では、30グラム以上の薬物の調達及び分配に対して、死刑を言い渡すことができるようになった。イランのイスラム法では、殺人、密通、レイプ、武装強盗、麻薬取引、背信の罪に対しては死刑を言い渡すことができるとされ、1979年の革命以来、その執行が行われている(記事の大意)。
ロイターニュース>Iran hangs seven convicted drug smugglers(Jan 3, 2011)
http://uk.reuters.com/article/idUKTRE7020V620110103

さて、薬物密輸や大量取引罪に対する死刑の問題、今度はイランです。昨年春、中国で日本人に対する死刑が執行された折に、東南アジアを中心に、現在の状況をまとめましたが、イランイスラム共和国やサウジアラビアも、中華人民共和国と並んで、薬物密輸犯罪に対して死刑を宣告し、多数の執行をしている国のひとつです。
イランでは、薬物犯罪者に対する死刑執行は、2007年では115人、2008年では96人、2009年では172人とみられています。

イランは、隣接するアフガニスタンからヨーロッパへ運ばれるあへん・ヘロインの主要ルートに当たります。中東情勢が不安定化してアフガニスタンであへん生産が急増するとともに、イランを経由するヘロインの量も増加してきました。
それだけではありません。実は、2008年ころからこの国で、高純度のメタンフェタミンの大量製造が行われているようだと伝えられています。国連薬物犯罪事務所が発表している『2010年版世界薬物報告書World Drug Report 2010』は世界各地で起きているメタンフェタミンの大量製造の動きについて報告していますが、その具体例のひとつに挙げられているのがイランです。2008年、それまでほとんど報告のなかったイランで、高純度のメタンフェタミンが大量に押収され、密造所の摘発も相次ぎました。さらに国内でのメタンフェタミン乱用の広まりも報告され、たちまち世界有数のメタンフェタミン需要国に数えられる状態になっています。

なぜ私がイランのニュースにこだわるのかというと、この国、あるいはこの地域が、わが国へ流入する覚せい剤の産地のひとつになってきているように思われるからです。最近の覚せい剤密輸事件では、中東のどこかで荷物が受け渡しされたり、イランから積み出されたりするケースが見え隠れしています。
日本に運ぶ覚せい剤の運搬では、日本人が運び屋として使われることがよくあります。タダで行ける海外旅行、荷物を運ぶだけの簡単なアルバイト、こんな感覚で運び屋を引き受けてしまう人たち、どうか気づいてください。覚せい剤の積み出し地のほとんどは、薬物密輸に対して極めて厳格な取締りを行い、大量密輸犯に対して死刑を科す国であるという現実があるのです。
中国、マレーシア、シンガポール、ヴェトナム、イラン・・・いずれも日本に運ばれる覚せい剤と縁の深い国です。
[出典及び参照]
●イランでの薬物犯罪者に対する死刑の状況について
International Harm Reduction Association ‘The Death Penalty for Drug Offences:Global Overview 2010’ 22-23頁
http://www.ihra.net/contents/239

●イランの合成薬物の状況について
UNODC‘World Drug Report 2010’ 117-118頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2010.html

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