懇親会で未成年者が飲酒|飲酒許容年齢

忘年会に引き続き、今度は新年会の季節。大勢が集まる席では、つい相手かまわず酒を勧めてしまいがちですが・・・。警察学校の懇親会で未成年者飲酒のニュースが今日の新聞に乗っていました。やれやれ。

<ニュースから>
●京都警察学校懇親会で19歳飲酒 教官「気付かず」
京都府警察学校の懇親会で昨年11月、警察官として昨春採用され研修中の男子生徒(19)が飲酒し、急性アルコール中毒で病院に救急搬送されていたことが5日、府警への取材で分かった。教官2人が同席し、ともに内部調査に「飲酒に気付かなかった」と説明している。
府警によると、懇親会は昨年11月22日夜、京都市伏見区の学校近くの飲食店で開かれた。教官を含め41人が集まり、未成年の生徒23人のうち12人がビールや日本酒、焼酎などを飲んだ。約2時間後に男子生徒の体調が悪くなり、教官が119番した。生徒は軽症。
【共同通信】2011/01/05 17:40
47NEWS>http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011010501000533.html

●飲酒許容年齢を考える時期ですね
未成年者の飲酒が話題になると、かならず「20歳はOKなのに、なぜ19歳はダメなのか」という声が聞こえてきます。薬物やアルコールを法律で規制するとなると、必然的につきまとうのが、法による線引きの問題なのです。
未成年者飲酒禁止法は第1条で「満二十年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス」と定めています。日本では、この法律が制定された大正11年以来ずっと、満20歳未満の飲酒が禁止されてきています。
若い年齢での飲酒は心身の健康な成長に悪影響を及ぼすという考えは世界中で支持されていて、主要国のほとんどは飲酒や酒の購入などに一定の年齢制限を設けています。でも、その年齢の線引きは、国によって多様なのです。たとえばアメリカでは(州法によって規制内容はさまざまですが)基本的に21歳が飲酒許容年齢ですが、ヨーロッパでは16歳や18歳という例が多くみられます。
さて、日本では「お酒はハタチになってから」が100年近く定着してきたなかで、この飲酒許容年齢について、これまで本格的に議論されることは少なかった気がしますが、そろそろ、この辺で幅広い討論をしておくべき時期でしょうか。見通しのたたない国会情勢のせいで、影が薄くなっているものの、成人年齢の引き下げ案が控えているのですから。もちろん、未成年者飲酒禁止法が直接影響を受けるわけではないとしても、やはり、成人年齢の引き下げを検討する際には、関連して、飲酒許容年齢の引き下げについても検討されることになることでしょうから。

●25歳まで飲酒禁止の法案が提出されたことがある
私は最近、思春期から25歳くらいまでの間に、脳のさまざまな機能が再編成されて大人の脳が出来上がるということを学びました。つまり、医学的な立場からいえば、25歳くらいまでの青少年期の成長途上の脳に、アルコールや薬物などの刺激を与えることは、とても大きな影響を及ぼすということです。飲酒許容年齢の引き下げなどとんでもない、むしろ25歳に引き上げるべきだという意見も、当然あることでしょう。
実は、日本の国会で、実際にそうした法案が提出されたことがあったのです。時は昭和25年、まだ酒が配給されていたころ、参議院議員22名の発議による「青少年飲酒防止法案」が提出されました。
国会での趣旨説明によれば、「この法律は・・・、青少年が飲酒になじまないようにすることによつて、その天分の素質を養護し、心身ともに健全で、優良な国民を育てることを目的とする」とされています。人間の成長期は、医学、心理学、生物学上から見て25歳までとされているので、成長期にある25歳まで酒害から守ることが必要であるとして、未成年者飲酒禁止法を廃止して、新たに、25歳までの飲酒を禁じる法を制定するというものでした。
最終的に、この法案は成立しませんでした。法案の趣旨はわかるが、成年男子として社会生活している人たちの飲酒を法で規制するには、無理があるという声が多数だったようです。衆議院厚生委員会での政府委員は、次のような発言をしています。「未成年者につきましては、飲酒が心身に有害であるとうことは、これは論ずるまでもないところでございまするので、現在法律をもつてこれが禁止をいたしてあるのでありまするが、御請願の青壯年につきましても、心身のためにも、社会風教のためにも、飲酒はできるだけ避くべきものであるというふうに私どもは考えておるのでありまして、従いまして、この法律を制定したいという御趣旨に対しては、私ども反対する理由はもちろんないのであります。ただ問題はきわめてデリケートな問題でございまして、法律をもつて強制するということはなかなかむずかしいのではないか、むしろ教育によつてやつて行くというのが建前ではないかと私ども考えております。かりに本法が施行せられます場合を考えてみますると、施行上の問題がいろいろと出て参りまして、法の威信に関するというような点も保しがたき点がございますので、私どもといたしましては、これは法による強制は避けるべきではないか、かように考えておる次第であります。」
昭和25年04月29日 衆議院厚生委員会での三木政府委員の発言
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=21601&SAVED_RID=2&SRV_ID=1&PAGE=0&TOTAL=0&DPAGE=1&DTOTAL=9&DPOS=3&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&FRAME=2&MODE=1&DMY=9072

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この記事へのコメント

トーリス・ガリ
2011年01月09日 18:13
どおも、新年あけましておめでとうございます。
人の多い組織やツワモノどもの組織はどうしても酒でまとめようとする傾向が強いですね。なるべくなら飲み会のない、またはお茶でOKな組織に入りたいと思います。
親や教師が『子どもがお酒を飲んじゃいけません!』って厳しく指導することよりもまず、テレビや新聞で著名な精神科医や弁護士・学者など取り締まる側ではなく研究者が未成年飲酒は有害です、アルコール依存症になります、早く老けます、脳が萎縮しますと言えばいい。バカな日本人はお上に禁止されるよりも専門家が危険性について警告すれば大人しく言うことを聞く性質がある…それが正しくなくても実害がなければの話だが。

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