若者と薬物使用の新潮流

青少年が、コカインやヘロインから脱法ドラッグに移行し始めている・・・先週、英国でこんな発表がありました。薬物トリートメントに関する最新の研究報告書「NTAレポート・薬物トリートメント2009-10」は、青少年層の薬物使用傾向に、大きな変化が起きていることを示しています。
この報告書は、国立薬物乱用トリートメント局National Treatment Agency for Substance Misuse(NTA)が、英国(UK)の薬物トリートメント参加者に関する調査分析をしたものです。
英国では、青少年のトリートメント参加者の大半を占めていたのがヘロイン乱用者で、ここ数年は減少傾向にあるものの、依然として圧倒多数を占めていました。近年では、コカイン、大麻による参加者の急増が続き、青少年層での乱用の拡大が懸念されていました。
今回の調査では、とくに大きな変化があったのは18歳-24歳の年齢層でした。
① ヘロインによる新規参加者がさらに減少
② 大麻による参加者がヘロインを上回った
③ 急増していたコカインによる参加者が減少した
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↑25歳以下の薬物トリートメント参加者・薬物別
グラフは上から順に●ヘロインのみ ●ヘロイン及びクラック・コカイン ●大麻 ●コカイン ●クラック・コカインのみ
NTA report, Drug Treatment in 2009-10,pp.5より

報告書は、この変化は、若年層がヘロイン、コカインなどクラスA薬物から離れていることを示唆しているとしています。英国の青少年は、ヘロインやコカインから離れて、大麻や脱法ドラッグへ移行する傾向がみられるというのです。今のところ、脱法ドラッグによるトリートメント参加者は限られていますが、脱法ドラッグ使用の拡大は最近のことであり、まだトリートメント参加者の増加に結びつく時期になっていないというのが、専門家の見方です。研究班の責任者は、脱法ドラッグが広まる要因のひとつは価格にあると指摘しています。コカインは1グラム30ポンド(約3,925円)、これに対してメフェドロンは1グラム10ポンド(約1,300円)とか。

大麻による参加者の急増は、大麻規制が強化されたことを反映したものでしょうか。報告書は次のように指摘しています。「25歳以下の新規トリートメント参加者のうち、主な使用薬物が大麻であった人たちは、4年前の調査では18%だったが、今回の調査では29%を占めている。・・・若年層の中心は18歳、19歳で、長期大量使用によって依存を引き起こしている状態ではなく、トリートメントでは、薬物使用のもたらす家族関係、対人関係、教育、雇用への影響に焦点を当てる。この年齢層のトリートメント結果は順調である。」
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[出展]
NTA report, Drug Treatment in 2009-10
National Treatment Agency for Substance Misuse(NTA)
http://www.nta.nhs.uk/national-stats-2010.aspx

ところで、アメリカでも若年層では、コカインやメタンフェタミン使用が減少を示し、処方薬乱用が増加しています。大麻は減傾向にはあるものの、依然として高い使用率を示しています。
また日本では、覚せい剤検挙者中に占める若年層の割合が急激に減少しています。若年層で増加傾向にあるのは大麻。

どうやら、世界中の先進国エリアで、共通した変化が起きているようです。青少年たちに、各地域で代表的だった古典的な薬物(ヨーロッパではヘロイン、アメリカではコカイン、日本では覚せい剤)から離れ、新しい薬物に切り替える動きがみられるのです。さて、日本では若者にとっての次世代薬物として、どんなものが浮上してくるのでしょうか。
それにしても、若者にとって乱用第一位の薬物が大麻である点は、どこでも共通のようです。

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